覚醒する少女 3
文字数 901文字
「打破できる道具か……」
アシノはサズァンを見据えた。
「えぇ。ムツヤ、この紫色の杖を四本出して」
「わがりまじだ!」
サズァンが手に持つ杖を見て、ムツヤは同じものを取り出す。
「これを一斉に地面に突き刺すと、囲まれた範囲の人達は眠りにつくわ。街一つなら囲めるはずよ」
「なるほど……。住民ごと敵も眠らせる作戦ですか」
モモが杖を見て呟いた。
「だが、眠らせた後で敵か住民か見分ける方法はあるのか?」
アシノの言葉にルーが案を出す。
「まー、眠っている間に一人ひとり武器を持ってないか確認することねー」
「面倒だが、それしかないか」
二人の会話に、それよりもとユモトが発言した。
「ムツヤさんはあの魔人になった子と戦うんですよね? 大丈夫でしょうか」
「えぇ、カバンを持っていったら逆上して何をするか分からないわ。住民に被害が及ぶかもしれない」
サズァンの最もな意見にユモトは生唾を飲み込む。
「だからムツヤに戦って貰っている間、誰かがカバンを持ち、その他の人が杖を設置するのが得策かと思って連絡したのよ」
確かに今考えうる中で一番の策に思えた。
「ですが、ムツヤ殿一人で……。カバンも無しの状態で魔人と戦って大丈夫なのでしょうか」
「あら、モモ。ムツヤを信用していないの?」
「い、いえ。そういう訳では……」
サズァンは意地悪っぽく笑ってみせる。
「ムツヤ。あなたにはまた鎧を着てもらって正体を隠し、持てるだけ回復薬を持って魔人と戦ってもらうわ」
「はい!」
ムツヤはサズァンの言葉に元気よく返事した。
「それじゃ、私はこの辺で失礼するわ。皆、頑張ってね」
そう言い残してサズァンの幻影はスーッと消えていってしまう。
「さて、邪神様の作戦通りに行くならば、配役をどうするかだが」
腕を組んで目を瞑り、アシノは考える。
「カバンはヨーリィに持って貰うべきだと私は思う。すばしっこいし、強いからな」
「わかりました」
ヨーリィは無表情のまま返事をした。皆には言えないが、アシノがヨーリィにカバンを託すのは別の意図もある。
それは、ヨーリィであれば、仮に眼の前で人質を取られてもカバンを渡さないだろうからだ。
アシノはそのまま作戦を話し続ける。
アシノはサズァンを見据えた。
「えぇ。ムツヤ、この紫色の杖を四本出して」
「わがりまじだ!」
サズァンが手に持つ杖を見て、ムツヤは同じものを取り出す。
「これを一斉に地面に突き刺すと、囲まれた範囲の人達は眠りにつくわ。街一つなら囲めるはずよ」
「なるほど……。住民ごと敵も眠らせる作戦ですか」
モモが杖を見て呟いた。
「だが、眠らせた後で敵か住民か見分ける方法はあるのか?」
アシノの言葉にルーが案を出す。
「まー、眠っている間に一人ひとり武器を持ってないか確認することねー」
「面倒だが、それしかないか」
二人の会話に、それよりもとユモトが発言した。
「ムツヤさんはあの魔人になった子と戦うんですよね? 大丈夫でしょうか」
「えぇ、カバンを持っていったら逆上して何をするか分からないわ。住民に被害が及ぶかもしれない」
サズァンの最もな意見にユモトは生唾を飲み込む。
「だからムツヤに戦って貰っている間、誰かがカバンを持ち、その他の人が杖を設置するのが得策かと思って連絡したのよ」
確かに今考えうる中で一番の策に思えた。
「ですが、ムツヤ殿一人で……。カバンも無しの状態で魔人と戦って大丈夫なのでしょうか」
「あら、モモ。ムツヤを信用していないの?」
「い、いえ。そういう訳では……」
サズァンは意地悪っぽく笑ってみせる。
「ムツヤ。あなたにはまた鎧を着てもらって正体を隠し、持てるだけ回復薬を持って魔人と戦ってもらうわ」
「はい!」
ムツヤはサズァンの言葉に元気よく返事した。
「それじゃ、私はこの辺で失礼するわ。皆、頑張ってね」
そう言い残してサズァンの幻影はスーッと消えていってしまう。
「さて、邪神様の作戦通りに行くならば、配役をどうするかだが」
腕を組んで目を瞑り、アシノは考える。
「カバンはヨーリィに持って貰うべきだと私は思う。すばしっこいし、強いからな」
「わかりました」
ヨーリィは無表情のまま返事をした。皆には言えないが、アシノがヨーリィにカバンを託すのは別の意図もある。
それは、ヨーリィであれば、仮に眼の前で人質を取られてもカバンを渡さないだろうからだ。
アシノはそのまま作戦を話し続ける。