サンライトレジェンド 4

文字数 1,087文字

「お猿さん待ちなさい!!」

 召喚した精霊にルーは飛び乗ってムツヤと共に猿を追う。今度は口を塞いだ。

(なにこれ!! 話せないし、精霊に命令も出来ない!!)

 ルーは戸惑いを隠せなかった。ムツヤが剣を引き抜いて、猿を壊そうとするも、次は目を塞がれる。

「ムツヤっちストップ!! 一旦作戦を考えましょう」

「わがりまじだ!!」

 仲間達と合流して態勢を立て直すことにする。

「お猿さんを捕まえるには、やっぱ餌で釣るのが一番よ!! ムツヤっち、バナナ出して!!」

「はい!!」

 カバンからバナナを取り出し、ルーに渡す。すると、そのバナナを食べ始めた。

「って、お前が食ってどうする!!」

「だって疲れてお腹すいたんだもん!!」

 アシノは呆れた後に、猿について気付いたことを話す。

「思うに、あの猿は一度に目・耳・口の一か所しか塞ぐことが出来ないみたいだな」

「そうね、一番厄介なのは目かしら?」

「そうすると、どう捕まえたものですかね」

 モモが言うと、アシノがうーんと唸る。

「やはり、現状で一番いいのは罠を仕掛けて捕まえることだと思う。それか、皆で囲んで一斉に捕まえに行くかだな」

「あの猿って、バナナ……。っていうか、餌を食べるんでしょうか?」

 ユモトが疑問を口にするが、アシノはバナナを握りしめて歩く。

「分からんが、やってみる価値はあるだろう」

 一行は探知盤を見ながら猿の行く道の先回りをした。そしてバナナを仕掛ける。

「奴らがバナナを食べる。もしくは興味を持って立ち止まったら一斉に仕掛けるぞ」

 バナナを中心にして皆でぐるりと取り囲む。猿がやって来た。

 アシノの思惑通り、食べはしなかったが、猿達はバナナに興味を持って立ち止まる。

「今だ!!」

 猿目掛けて魔法の雷と氷柱が、木の杭とワインボトルのフタがスッポーンと一斉に飛ぶ。猿は慌てて口を塞いだ。

 すると魔法はコントロールを失ってバラバラに飛んでいってしまう。

 だが、木の杭とフタは命中し、猿が怯む。

 ムツヤとヨーリィが飛び出して猿を捕まえようとするが、目を塞がれ視界と気配を奪われる。

「捕まえだ!!」

 何かを捕まえ声を上げるムツヤだったが。

「お兄ちゃん、それ私」

 思いっきりヨーリィを抱きしめていた。

「あ、ごめんヨーリィ!! こっちか!?」

「ひゃあ!!」

 次はユモトに抱きついてしまう。そして。

「あっ!! む、ムツヤ殿ですか!?」

 モモにも抱きついた。そこで視界が開ける。

「ムツヤ、何やってんだお前ェっ!!!」 

「イチャつくのは良いけど、今は我慢してよねー」

 アシノとルーに言われてモモは顔を赤くする。

「ち、ちがっ」

「モモさんずみまぜんでじだ!!!」
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登場人物紹介

名前:ムツヤ・バックカントリー


 裏ダンジョンを遊び場にする主人公、ちょっと頭が残念。

名前:モモ


 オークの女の子

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