反乱の勇者 2
文字数 1,161文字
カミト達の戦いを尻目に魔法使いのイズミもリーダー格のエルフに応戦をした。
「最速で最短で速攻で片付けるわよ!!」
ダンっと強く足で地面を踏みつけると、そこから氷の刃が無数に浮かび上がり、エルフの元へ飛ぶ。
「面白いね、俺も真似しちゃお」
そう言うと、なんとエルフはイズミと全く同じ方法で同一の術を使ったのだ。
氷の刃同士がぶつかり合って砕け散る。その中から真っ直ぐに矢が飛んできた。
矢はイズミの腕をかすめて、僅かながら傷を作った。
「ごめんね、若い女の子は傷付けたく無かったんだけど」
「それだったら、おとなしくしていて貰えないかしら?」
イズミは両手を前に突き出してそこから業火を吹き出した。それと同時にまた地面を踏み込んで、魔力を込める。
エルフは風の魔法で業火を吹き飛ばしたが、地面から伸びる拘束魔法に足を捉えられてしまった。
「あら、もう終わりかしら」
そう余裕そうに言ったがイズミは違和感を覚える。これ程の使い手がこんな安い罠にかかるはずがない。
相手の実力は常にそれ以上にも以下にも見てはいけない。それは死を意味する。
「いや、動く必要が無いんでね」
エルフが言った瞬間、イズミは目眩がした。フラついて立つことも出来ず、膝を付いて、そのままうつ伏せに倒れてしまう。
「安心してよ、死ぬ毒じゃない。しばらくおやすみなさい、美人さん」
エルフは矢に毒を塗っていた。それは麻酔薬だ。掠 めただけでも、しばらく動けなくなる。
「イズミ!!」
ネックと剣を交えているカミトは叫ぶ。
「少々貴殿を買い被っていたかな? 戦いの最中によそ見とは」
そうネックは言うと同時に、カミトを袈裟斬りに斬りつけ、兜の後ろ、隙間へと剣を振り下ろした。
カミトはドサリと倒れるが、血は吹き出していない。
「死なない程度に峰打ちだ。まぁしばらくは動けまい」
ネックとリーダー格のエルフは戦いを終えて城の中へと入ろうとする。
「待て!!!」
それと同時に声が聞こえた。振り返るとそこには勇者サツキ達が居た。
「まずいな、勇者相手じゃ時間稼ぎぐらいしか出来ないぞ」
エルフが言うとネックは剣を持ち直して返事をする。
「元よりそのつもりだ」
「それ以上動かないでくれよ。こっちには勇者アシノが人質としているんだ」
「くっ……」
「構うな!! やれ!!」
アシノはそう言うが、ムツヤ達は動けない。そんな中でモモが一言、言葉を放った。
「父……上……?」
「元気そうだなモモ、お前の活躍は聞いているぞ」
その会話を聞いて思わず皆の視線がモモとネックを行き来した。
「えっ!? えぇー!? モモちゃんのお父さん!?」
ルーは思わず声を上げる。しかし、モモは固まったままだ。
「キエーウを壊滅させた事、父として同胞として、誇りに思うぞ」
あれ程までに夢に見た父との再開は、思わぬ形で果たされた。
「最速で最短で速攻で片付けるわよ!!」
ダンっと強く足で地面を踏みつけると、そこから氷の刃が無数に浮かび上がり、エルフの元へ飛ぶ。
「面白いね、俺も真似しちゃお」
そう言うと、なんとエルフはイズミと全く同じ方法で同一の術を使ったのだ。
氷の刃同士がぶつかり合って砕け散る。その中から真っ直ぐに矢が飛んできた。
矢はイズミの腕をかすめて、僅かながら傷を作った。
「ごめんね、若い女の子は傷付けたく無かったんだけど」
「それだったら、おとなしくしていて貰えないかしら?」
イズミは両手を前に突き出してそこから業火を吹き出した。それと同時にまた地面を踏み込んで、魔力を込める。
エルフは風の魔法で業火を吹き飛ばしたが、地面から伸びる拘束魔法に足を捉えられてしまった。
「あら、もう終わりかしら」
そう余裕そうに言ったがイズミは違和感を覚える。これ程の使い手がこんな安い罠にかかるはずがない。
相手の実力は常にそれ以上にも以下にも見てはいけない。それは死を意味する。
「いや、動く必要が無いんでね」
エルフが言った瞬間、イズミは目眩がした。フラついて立つことも出来ず、膝を付いて、そのままうつ伏せに倒れてしまう。
「安心してよ、死ぬ毒じゃない。しばらくおやすみなさい、美人さん」
エルフは矢に毒を塗っていた。それは麻酔薬だ。
「イズミ!!」
ネックと剣を交えているカミトは叫ぶ。
「少々貴殿を買い被っていたかな? 戦いの最中によそ見とは」
そうネックは言うと同時に、カミトを袈裟斬りに斬りつけ、兜の後ろ、隙間へと剣を振り下ろした。
カミトはドサリと倒れるが、血は吹き出していない。
「死なない程度に峰打ちだ。まぁしばらくは動けまい」
ネックとリーダー格のエルフは戦いを終えて城の中へと入ろうとする。
「待て!!!」
それと同時に声が聞こえた。振り返るとそこには勇者サツキ達が居た。
「まずいな、勇者相手じゃ時間稼ぎぐらいしか出来ないぞ」
エルフが言うとネックは剣を持ち直して返事をする。
「元よりそのつもりだ」
「それ以上動かないでくれよ。こっちには勇者アシノが人質としているんだ」
「くっ……」
「構うな!! やれ!!」
アシノはそう言うが、ムツヤ達は動けない。そんな中でモモが一言、言葉を放った。
「父……上……?」
「元気そうだなモモ、お前の活躍は聞いているぞ」
その会話を聞いて思わず皆の視線がモモとネックを行き来した。
「えっ!? えぇー!? モモちゃんのお父さん!?」
ルーは思わず声を上げる。しかし、モモは固まったままだ。
「キエーウを壊滅させた事、父として同胞として、誇りに思うぞ」
あれ程までに夢に見た父との再開は、思わぬ形で果たされた。