サンライトレジェンド 3
文字数 1,113文字
サンライト地方の端っこに裏の道具の反応があった。
「ムツヤっち、千里眼で見えるー?」
ルーが言うと、うーんうーんとムツヤは言う。
「木と生き物の反応が多くて見づらいでずね」
この地は自然豊かで、多くの生き物と魔物が居る。何度か魔物の襲撃に会ったが、全部ムツヤが馬車の中から投石で倒してしまった。
「近付いて確認するしか無いってわけか、面倒だな」
街道から離れた森の中に反応があるので、馬車を停めて一行は道なき道を歩く。
森の中は慣れているムツヤとヨーリィ、モモはすいすいと進んでいくが、残りのメンバーは歩きにくそうだった。
「森林浴とか、森の癒やしがーなんて言う人いるけど、虫は多いし、歩きづらいし、私は街のほうが良いわね」
はぁーっとため息を付いて言うルー。
「文句言うな、行くぞ」
だが、アシノは口ではそう言ったものの、ビンのフタをスッポーンと飛ばす能力と引き換えに体力まで奪われているので、疲労は感じていた。
「探知盤の反応だと、この近くですね」
ユモトの言う通り、反応は目の前にあった。対象は今も移動をしている。
「あ、あれでず!!」
ムツヤが言って指さした先には。
「あらー、可愛いお猿さん!! って、お猿さん!?」
三匹の猿が居た。サンライト地方には猿も住んでいるので珍しい訳では無いが。
「何というか……。ぬいぐるみ、いや、陶器の作り物でしょうか?」
誰が見ても分かるぐらい作り物の猿達は仲良く歩いている。
「何だあれは……。ムツヤ、アレは誰かが操作しているのか!?」
「いえ、アレは置いておくだけで」
アシノはムツヤの言葉を途中から聞き取ることが出来なくなった。音がプツリと途絶えてしまったのだ。
どうやら皆がその状況に陥ったらしく。驚いた顔で辺りを見回す。
すると、三匹の猿のウチの一匹が耳を塞いでこちらを見ていた。
ムツヤが駆け出して猿を捕まえようとすると。
次は目の前が真っ暗になった。代わりに耳には音が戻る。
「ムツヤ、アレは何だ!?」
「はい、あの猿を見ると、耳が聞こえなくなったり、話せなくなったり、見えなくなったりするんでず!!」
「何よそれ!? あーん、何も見えないー!!!」
ムツヤ達は何も見えないまま右往左往している。そして、ふと目が見えるようになったと思ったら、猿はどこかに消えてしまっていた。
「自立している裏の道具か、厄介だな……」
アシノは額を抑えて言う。そして、ムツヤに尋ねた。
「ムツヤ、お前なら目が見えなくても猿の気配ぐらい分かるだろ」
「いえ、見えなくなると猿の気配まで分からなくなるんでず。すみまぜん!!」
「マジか……」
こうしている間にも猿は移動を続けている。今は探知盤を見ながら後を追うしか無かった。
「ムツヤっち、千里眼で見えるー?」
ルーが言うと、うーんうーんとムツヤは言う。
「木と生き物の反応が多くて見づらいでずね」
この地は自然豊かで、多くの生き物と魔物が居る。何度か魔物の襲撃に会ったが、全部ムツヤが馬車の中から投石で倒してしまった。
「近付いて確認するしか無いってわけか、面倒だな」
街道から離れた森の中に反応があるので、馬車を停めて一行は道なき道を歩く。
森の中は慣れているムツヤとヨーリィ、モモはすいすいと進んでいくが、残りのメンバーは歩きにくそうだった。
「森林浴とか、森の癒やしがーなんて言う人いるけど、虫は多いし、歩きづらいし、私は街のほうが良いわね」
はぁーっとため息を付いて言うルー。
「文句言うな、行くぞ」
だが、アシノは口ではそう言ったものの、ビンのフタをスッポーンと飛ばす能力と引き換えに体力まで奪われているので、疲労は感じていた。
「探知盤の反応だと、この近くですね」
ユモトの言う通り、反応は目の前にあった。対象は今も移動をしている。
「あ、あれでず!!」
ムツヤが言って指さした先には。
「あらー、可愛いお猿さん!! って、お猿さん!?」
三匹の猿が居た。サンライト地方には猿も住んでいるので珍しい訳では無いが。
「何というか……。ぬいぐるみ、いや、陶器の作り物でしょうか?」
誰が見ても分かるぐらい作り物の猿達は仲良く歩いている。
「何だあれは……。ムツヤ、アレは誰かが操作しているのか!?」
「いえ、アレは置いておくだけで」
アシノはムツヤの言葉を途中から聞き取ることが出来なくなった。音がプツリと途絶えてしまったのだ。
どうやら皆がその状況に陥ったらしく。驚いた顔で辺りを見回す。
すると、三匹の猿のウチの一匹が耳を塞いでこちらを見ていた。
ムツヤが駆け出して猿を捕まえようとすると。
次は目の前が真っ暗になった。代わりに耳には音が戻る。
「ムツヤ、アレは何だ!?」
「はい、あの猿を見ると、耳が聞こえなくなったり、話せなくなったり、見えなくなったりするんでず!!」
「何よそれ!? あーん、何も見えないー!!!」
ムツヤ達は何も見えないまま右往左往している。そして、ふと目が見えるようになったと思ったら、猿はどこかに消えてしまっていた。
「自立している裏の道具か、厄介だな……」
アシノは額を抑えて言う。そして、ムツヤに尋ねた。
「ムツヤ、お前なら目が見えなくても猿の気配ぐらい分かるだろ」
「いえ、見えなくなると猿の気配まで分からなくなるんでず。すみまぜん!!」
「マジか……」
こうしている間にも猿は移動を続けている。今は探知盤を見ながら後を追うしか無かった。