鎌とオカマ 2

文字数 640文字

「プリティビーム!!!」

 ウトナはヨーリィに対してダメ元で杖を振る。

 ヨーリィはこの杖は効かないのだから避ける必要もないのに、容赦なく芋娘を盾にした。

「亜人共をぶっ潰す! 亜人共をぶっ潰す! 亜人共をぶっ潰すんだべ!」

 一応はキエーウのメンバーらしく、亜人を憎んでいることがわかる。

 ウトナは呆れて頭を抱えたが、懐の連絡石が震えた為、作戦を切り替えた。

「さっさと道具を返しなさい!」

 ウトナは爆破魔法を芋娘ごとヨーリィに喰らわせようとする。間一髪ユモトの防御壁が間に合う。

「あんた! 仲間じゃないの!?」

 ルーが言うとウトナはふんっと鼻をならして言い返す。

「無能な仲間は敵以上に恐いのよ、自力で逃げられないなら死んでおしまいなさい!」

 ウトナの中では既に芋娘を助ける事から、口封じに始末して逃げる事に目的が変わっていた。

「そんな、ウトナ様!」

 ユモトとルーが攻撃の魔法を浴びせるが、ウトナは杖なしでも相当なやり手のようで、一撃も食らわずに立っていた。

(まずいわね……)

 先ほど連絡石が震えてからそれほど時間が経ったわけではないが、このままでは最強の敵が来てしまうと考えていた。

「今日のところは勘弁してあげるわぁん」

「逃がすか!!」

 アシノがワインボトルのフタをスッポーンと跳ばすが、反撃に合い光線を食らってしまう。

「やだやだやだー!!! こんな能力やだー!!!」

「わかったから落ち着きなさい、わかったから!!!」

 暴れるアシノをルーはたしなめる。その隙にウトナは森の奥へと消えた。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

名前:ムツヤ・バックカントリー


 裏ダンジョンを遊び場にする主人公、ちょっと頭が残念。

名前:モモ


 オークの女の子

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み