下剋上 8
文字数 942文字
デュラハンの返事はなかった。代わりに剣で貴族の首を刎ねる。
悲鳴が上がった後、残った家族達も魔物の群れが押し寄せて、食いちぎられる。
「ふ、ふふははははは!!」
ナツヤはかつて無い爽快感を味わっている。俺は人生に、運命に打ち勝った。
そんな時、トロールが城内から出てきた。子供を3人担いで。
子供は泣いて「助けてー!!」と叫んでいた。デュラハンとナツヤ達の前にトロール達はやって来る。
「まだ生き残りが居たか、どうなさいますか? ナツヤ様」
そう聞かれてナツヤは戸惑う。相手は子供だ、それに泣いている。
「殺さないの? ナツヤ」
「いや、殺すって……」
ナツヤは先程までの高揚はどこへやら、肝を掴まれたような気分になっていた。
「まさかさ、ナツヤ。子供には罪が無いなんて考えてる?」
フユミトに心の中を見透かされたように言われ、何も言葉が返せない。
「で、でも子供にはっ!!」
そこでフユミトに言葉を遮られる。
「この子供はナツヤ達が鉱脈で働いた犠牲の上に幸せを享受 していたんだよ。皆が一生食べられないようなごちそうを食べて、いい服を着て、苦しみもなくふわふわのベッドで寝ていたんだ」
それを聞いてナツヤの心は揺れ動いた。
「憎いやつの子供だったってだけで罪になるには充分じゃない? それにこの子供達は大きくなったらあの鉱脈の主になっていたんだろうね」
「それは……。そうかもしれない……」
ナツヤは歯を食いしばって下を向き返事をした。子供達は泣きわめいている。
「泣けば助かると思ってるのかな? ナツヤは泣いて助けてもらえた?」
「違う……」
「それに、見逃したら子供達は助けてもらったなんて思わないよ? 僕達を親の仇として一生恨む」
ナツヤは荒い息をする。自分はなんて選択をしたら良いんだと。
「いかがなさいましょう? ナツヤ様」
デュラハンに聞かれる。周りの魔物達もよだれを垂らし、今にも飛びかかりそうだ。
でもダメだ、やっぱり子供は、憎いけど子供は……。
「おい、やっちまおうぜ!!」
「新入りの言う通りだ、ガキだって許せねぇ!!!」
周りで話を聞いていた鉱夫達もそんな声を上げていた。
「や、やめ……、や……」
ナツヤは戸惑いながら言葉が漏れていた。皆がナツヤを見ている。
「やれ!!!! 殺せ!!!!!」
悲鳴が上がった後、残った家族達も魔物の群れが押し寄せて、食いちぎられる。
「ふ、ふふははははは!!」
ナツヤはかつて無い爽快感を味わっている。俺は人生に、運命に打ち勝った。
そんな時、トロールが城内から出てきた。子供を3人担いで。
子供は泣いて「助けてー!!」と叫んでいた。デュラハンとナツヤ達の前にトロール達はやって来る。
「まだ生き残りが居たか、どうなさいますか? ナツヤ様」
そう聞かれてナツヤは戸惑う。相手は子供だ、それに泣いている。
「殺さないの? ナツヤ」
「いや、殺すって……」
ナツヤは先程までの高揚はどこへやら、肝を掴まれたような気分になっていた。
「まさかさ、ナツヤ。子供には罪が無いなんて考えてる?」
フユミトに心の中を見透かされたように言われ、何も言葉が返せない。
「で、でも子供にはっ!!」
そこでフユミトに言葉を遮られる。
「この子供はナツヤ達が鉱脈で働いた犠牲の上に幸せを
それを聞いてナツヤの心は揺れ動いた。
「憎いやつの子供だったってだけで罪になるには充分じゃない? それにこの子供達は大きくなったらあの鉱脈の主になっていたんだろうね」
「それは……。そうかもしれない……」
ナツヤは歯を食いしばって下を向き返事をした。子供達は泣きわめいている。
「泣けば助かると思ってるのかな? ナツヤは泣いて助けてもらえた?」
「違う……」
「それに、見逃したら子供達は助けてもらったなんて思わないよ? 僕達を親の仇として一生恨む」
ナツヤは荒い息をする。自分はなんて選択をしたら良いんだと。
「いかがなさいましょう? ナツヤ様」
デュラハンに聞かれる。周りの魔物達もよだれを垂らし、今にも飛びかかりそうだ。
でもダメだ、やっぱり子供は、憎いけど子供は……。
「おい、やっちまおうぜ!!」
「新入りの言う通りだ、ガキだって許せねぇ!!!」
周りで話を聞いていた鉱夫達もそんな声を上げていた。
「や、やめ……、や……」
ナツヤは戸惑いながら言葉が漏れていた。皆がナツヤを見ている。
「やれ!!!! 殺せ!!!!!」