偽物勇者 5
文字数 1,044文字
攻撃を食らいまくりボロボロになるジョン。まだかろうじて立っていた。
「くそっ、いい加減しつこいな!! だが、もうじき俺の仲間達も来る。村の財宝も女も全部俺の物だ!!」
「そんな事はさせるか!!」
ジョンは空飛ぶパンチを繰り出し続ける。もちろん自称魔人のチィターには一発も当たらない。
「そろそろ終わりにしてやる!!」
ナイフを構えてチィターが言った。
そして、近付いたその瞬間だ。この一瞬をジョンは狙っていた。
直線状にパンチをすると、それはチィターにカウンターを食らわせる形で当たる。
「ぐげえええ!!!」
吹き飛んでのたうち回るチィター。それを見て村人達からは歓声が上がった。
「ジョン様!!」
「うおおお!!! 勇者様!!」
歓声を受けるも、最後の力を出し切ったジョンは倒れる。女魔法使いと剣士が駆け寄った。
「ジョン様!! ジョン様しっかりして下さい!!」
「ジョンの兄貴!!」
「おーっと、そこまでだ」
そこにチィターの仲間らしき者達が現れる。
「チィター様が世話になったようだな」
荒くれ者が肩を貸して気絶したチィターを起こす。ジョンに近付く彼らの前に、女魔法使いと剣士が立ちはだかった。
「どけ嬢ちゃん達。後でたっぷり相手にしてやるからよォ!!!」
「どきません!! 今度はジョン様を私達が守ります!!!」
荒くれ者は斧を振り上げて言う。
「じゃあ、ちょっと痛い目見てもらおうかな?」
そう言った次の瞬間。荒くれ者は吹き飛んでいった。一体何だと皆が思う。
見覚えがある気がする男、先程の偽物勇者パーティの一人がドロップキックをかましていたのだ。
「何だコイツ!?」
男は素手で荒くれ者たちを次々なぎ倒していく。
「くそっ、さっきは不覚を取ったが、今度こそ負けやしねえ!!」
起き上がるチィターは素早く走り回るも、その後をピッタリと着いていく男。
「嘘だろ!? この俺のスピードに!?」
そして、頭にチョップを食らわすとチィターは沈んだ。
自称魔人達の拘束が終わった頃に、ジョンは目を覚ました。
「ジョン様!!」
「ジョンの兄貴!!」
仲間達はジョンを見て安堵する。
「お、俺は……」
村人達も目を覚ましたジョンにホッとした。
「よく村を守って下さいました」
目の前には赤髪の女。正真正銘本物の勇者アシノだ。
ジョンは涙と鼻水を垂らしながら全てを話した。自分が勇者じゃないこと、勇者だと言い張って皆を危険に晒したこと。
「そうでしたか……」
女魔法使いが言うと、ジョンは自嘲気味に返す。
「幻滅させちゃいましたね……」
「くそっ、いい加減しつこいな!! だが、もうじき俺の仲間達も来る。村の財宝も女も全部俺の物だ!!」
「そんな事はさせるか!!」
ジョンは空飛ぶパンチを繰り出し続ける。もちろん自称魔人のチィターには一発も当たらない。
「そろそろ終わりにしてやる!!」
ナイフを構えてチィターが言った。
そして、近付いたその瞬間だ。この一瞬をジョンは狙っていた。
直線状にパンチをすると、それはチィターにカウンターを食らわせる形で当たる。
「ぐげえええ!!!」
吹き飛んでのたうち回るチィター。それを見て村人達からは歓声が上がった。
「ジョン様!!」
「うおおお!!! 勇者様!!」
歓声を受けるも、最後の力を出し切ったジョンは倒れる。女魔法使いと剣士が駆け寄った。
「ジョン様!! ジョン様しっかりして下さい!!」
「ジョンの兄貴!!」
「おーっと、そこまでだ」
そこにチィターの仲間らしき者達が現れる。
「チィター様が世話になったようだな」
荒くれ者が肩を貸して気絶したチィターを起こす。ジョンに近付く彼らの前に、女魔法使いと剣士が立ちはだかった。
「どけ嬢ちゃん達。後でたっぷり相手にしてやるからよォ!!!」
「どきません!! 今度はジョン様を私達が守ります!!!」
荒くれ者は斧を振り上げて言う。
「じゃあ、ちょっと痛い目見てもらおうかな?」
そう言った次の瞬間。荒くれ者は吹き飛んでいった。一体何だと皆が思う。
見覚えがある気がする男、先程の偽物勇者パーティの一人がドロップキックをかましていたのだ。
「何だコイツ!?」
男は素手で荒くれ者たちを次々なぎ倒していく。
「くそっ、さっきは不覚を取ったが、今度こそ負けやしねえ!!」
起き上がるチィターは素早く走り回るも、その後をピッタリと着いていく男。
「嘘だろ!? この俺のスピードに!?」
そして、頭にチョップを食らわすとチィターは沈んだ。
自称魔人達の拘束が終わった頃に、ジョンは目を覚ました。
「ジョン様!!」
「ジョンの兄貴!!」
仲間達はジョンを見て安堵する。
「お、俺は……」
村人達も目を覚ましたジョンにホッとした。
「よく村を守って下さいました」
目の前には赤髪の女。正真正銘本物の勇者アシノだ。
ジョンは涙と鼻水を垂らしながら全てを話した。自分が勇者じゃないこと、勇者だと言い張って皆を危険に晒したこと。
「そうでしたか……」
女魔法使いが言うと、ジョンは自嘲気味に返す。
「幻滅させちゃいましたね……」