新たなる脅威 3
文字数 705文字
「わ、私はもう関係ないぞ!!」
「そうも言ってられないよアシノ。ギルドじゃ勇者アシノが帰ってきたと大騒ぎだ」
「んなこと言ったって私はビンのフタを飛ばすしかできねぇぞ!!!」
「まぁ、詳しいことは帰ってからだね。それじゃまた」
そう言ってギルスは通話を終える。アシノは青いシートの上でがっくりと膝と手をついている。いたたまれなくなり、ルーが話し始めた。
「今更『私はビンのフタをスッポーンと飛ばすことしか出来ない』なんて言えないわよねぇ…… それに言ったところで冗談だとしか受け取ってもらえないでしょうし」
「ルー、私はどうすればいい?」
「と、とりあえずギルドへ帰りましょう!! ギルドマスターも何か策を考えてくれているわよ…… 多分」
「アシノ殿……」
モモも気の毒そうにアシノを見ている。
昼の休憩はアシノのテンションがガタ落ちして終わった。そのまま馬車を走らせると夕暮れ時になり、野営の準備をする。
食事が終わるとそれぞれ焚き火を囲んで、武器の手入れをしたり、何気ない話をしていた。
そんな中でアシノが突然語りだす。
「何か私は…… お前達に悪い気がしてな、手柄を全部横取りしている気がして」
「アシノさん……」
「アシノ殿……」
ユモトとモモは言葉が出てこなかった。勇者アシノの姿が頼りなく、小さく見える。
「何から何まで公に出来ないことばかりだが、お前達の働きは、それこそ勇者になる資格がある事ばかりだ」
「アシノ……」
ルーも真剣にアシノの言葉を聞いていた。
「私は、私は…… 苦しい…… 何も出来ないこと…… 自分を偽っていること……」
パチパチと焚き火が燃える音だけが当たりを支配している。その沈黙を破るのはムツヤだ。
「そうも言ってられないよアシノ。ギルドじゃ勇者アシノが帰ってきたと大騒ぎだ」
「んなこと言ったって私はビンのフタを飛ばすしかできねぇぞ!!!」
「まぁ、詳しいことは帰ってからだね。それじゃまた」
そう言ってギルスは通話を終える。アシノは青いシートの上でがっくりと膝と手をついている。いたたまれなくなり、ルーが話し始めた。
「今更『私はビンのフタをスッポーンと飛ばすことしか出来ない』なんて言えないわよねぇ…… それに言ったところで冗談だとしか受け取ってもらえないでしょうし」
「ルー、私はどうすればいい?」
「と、とりあえずギルドへ帰りましょう!! ギルドマスターも何か策を考えてくれているわよ…… 多分」
「アシノ殿……」
モモも気の毒そうにアシノを見ている。
昼の休憩はアシノのテンションがガタ落ちして終わった。そのまま馬車を走らせると夕暮れ時になり、野営の準備をする。
食事が終わるとそれぞれ焚き火を囲んで、武器の手入れをしたり、何気ない話をしていた。
そんな中でアシノが突然語りだす。
「何か私は…… お前達に悪い気がしてな、手柄を全部横取りしている気がして」
「アシノさん……」
「アシノ殿……」
ユモトとモモは言葉が出てこなかった。勇者アシノの姿が頼りなく、小さく見える。
「何から何まで公に出来ないことばかりだが、お前達の働きは、それこそ勇者になる資格がある事ばかりだ」
「アシノ……」
ルーも真剣にアシノの言葉を聞いていた。
「私は、私は…… 苦しい…… 何も出来ないこと…… 自分を偽っていること……」
パチパチと焚き火が燃える音だけが当たりを支配している。その沈黙を破るのはムツヤだ。