飲みに行こう 3
文字数 961文字
「ありがとうございます」
ヨーリィは手からじんわりとした温かい魔力が体にみなぎっていくのを感じていた。
ムツヤからの魔力を受け取ると頭の奥底に沈んでいる何かが戻ってくるような気がする。
「ちょっと横になってもいいがな」
ムツヤはベッドに腰掛けたまま上半身だけを倒して左腕を頭の上に投げ出した、完全に寝るための体制だ。
「お兄ちゃんは横になってお休みになられても大丈夫です、私も魔力を頂いたら休ませて頂くので」
ムツヤの手に柔らかなヨーリィの手の感触が伝わる。
少し体温が低いのか握った感じはひんやりと冷たかった。
マヨイギの魔力も優しさを感じたが、それとは別の何かをムツヤからは感じる。
いつの間にかムツヤは眠ってしまっていた。目を覚ますと眼前には真っ白な肌の少女。
ムツヤはヨーリィと向かい合って眠っていたようだ、手を握ったままヨーリィはスゥスゥと寝息をたてている。
そろそろ手を離しても大丈夫だろうかとムツヤは恐る恐る手を離してみた。
ヨーリィは枯れ葉になってしまうことも、目を覚ます事も無い。
窓から外を見てみる、太陽は真っ赤になりすっかり夕暮れ時だ、そろそろ良い時間かなと思い、ムツヤはヨーリィを起こすことにする。
「ヨーリィ、そろそろ起きて」
ムツヤはヨーリィの肩を触ってゆさゆさと揺さぶり起こそうとする。少女は薄っすらと目を開けてうーんと唸ってムツヤを見つめた。
「申し訳ありません、すっかり寝てしまいました」
「いいや、大丈夫だよ」
ムツヤはニッコリと笑って言う、ヨーリィの口調以外はまるで本当の仲の良い兄妹のようだ。
「そろそろモモさんも待ってるかもしれないから行こう」
「了解いたしました」
部屋を出てロビーへと向かう、そこではモモが紅茶を飲みながら2人を待っていた。
「いやー、お待たせしましたモモさん」
ムツヤは手を降って声を掛けるとモモもニッコリと微笑み返す。
「いえ、私も今来たばかりです。それでは行きましょうか」
そう言ってモモは紅茶を飲み干すと3人で夕暮れの街に出掛ける。
そこは昼間とはまた少し違う街が顔を覗かせていた。それは冒険者のギルドも同じだった。
ひと仕事を終えた冒険者たちがチラホラと酒を飲んでいる。
そのギルドの食堂の中ではユモトが待っておりムツヤ達を見つけるとサッと立ち上がり軽く手を降った。
ヨーリィは手からじんわりとした温かい魔力が体にみなぎっていくのを感じていた。
ムツヤからの魔力を受け取ると頭の奥底に沈んでいる何かが戻ってくるような気がする。
「ちょっと横になってもいいがな」
ムツヤはベッドに腰掛けたまま上半身だけを倒して左腕を頭の上に投げ出した、完全に寝るための体制だ。
「お兄ちゃんは横になってお休みになられても大丈夫です、私も魔力を頂いたら休ませて頂くので」
ムツヤの手に柔らかなヨーリィの手の感触が伝わる。
少し体温が低いのか握った感じはひんやりと冷たかった。
マヨイギの魔力も優しさを感じたが、それとは別の何かをムツヤからは感じる。
いつの間にかムツヤは眠ってしまっていた。目を覚ますと眼前には真っ白な肌の少女。
ムツヤはヨーリィと向かい合って眠っていたようだ、手を握ったままヨーリィはスゥスゥと寝息をたてている。
そろそろ手を離しても大丈夫だろうかとムツヤは恐る恐る手を離してみた。
ヨーリィは枯れ葉になってしまうことも、目を覚ます事も無い。
窓から外を見てみる、太陽は真っ赤になりすっかり夕暮れ時だ、そろそろ良い時間かなと思い、ムツヤはヨーリィを起こすことにする。
「ヨーリィ、そろそろ起きて」
ムツヤはヨーリィの肩を触ってゆさゆさと揺さぶり起こそうとする。少女は薄っすらと目を開けてうーんと唸ってムツヤを見つめた。
「申し訳ありません、すっかり寝てしまいました」
「いいや、大丈夫だよ」
ムツヤはニッコリと笑って言う、ヨーリィの口調以外はまるで本当の仲の良い兄妹のようだ。
「そろそろモモさんも待ってるかもしれないから行こう」
「了解いたしました」
部屋を出てロビーへと向かう、そこではモモが紅茶を飲みながら2人を待っていた。
「いやー、お待たせしましたモモさん」
ムツヤは手を降って声を掛けるとモモもニッコリと微笑み返す。
「いえ、私も今来たばかりです。それでは行きましょうか」
そう言ってモモは紅茶を飲み干すと3人で夕暮れの街に出掛ける。
そこは昼間とはまた少し違う街が顔を覗かせていた。それは冒険者のギルドも同じだった。
ひと仕事を終えた冒険者たちがチラホラと酒を飲んでいる。
そのギルドの食堂の中ではユモトが待っておりムツヤ達を見つけるとサッと立ち上がり軽く手を降った。