下剋上 11
文字数 818文字
誰かは貴金属を集め、また他の誰かはメイドの手を掴み部屋へと消えていった。
残されたのはナツヤとフユミトの二人だけだ。
「ナツヤはどうするの?」
フユミトに聞かれるも、ナツヤは戸惑って言う。
「いや、どうしたら良いのか、正直分からない」
「そっか」
そう言ってフユミトは笑顔を作る。
「明日までは時間があると思う。だから、ゆっくりと考えれば良いさ」
とりあえずと、ナツヤは金目になりそうな物を城を見学しながら漁る。
夜になり、うまい食べ物を腹一杯に食べると、眠気がやって来た。
「そろそろ寝ようかな」
フユミトが席を立ったので、ナツヤも後を追うように立ち上がる。
「あ、俺も」
適当に見つけていた豪華な部屋のベッドに腰掛けた。寝床というものはこれ程までに柔らかい物なのかと思う。
今日一日で色々な事があり、疲れたが、逆にナツヤは眠れなくなっていた。
「あのさ、フユミト。フユミトの事を聞きたいんだけど」
「何だい?」
フユミトも眠らずに隣のベッドで返事をする。
「フユミトって、あの鉱脈に来る前に何をしていたの?」
「そうだね……」
しばらくの沈黙があった後に話し始める。
「とても暗くて狭い場所に閉じ込められてたよ」
「そっか……」
暗くて狭い場所とはどこか、気になったがフユミトにも思い出したくない事ぐらいあるだろうと、詮索はやめておいた。
ナツヤは夜が明ける前に目が覚めた。
「おはようナツヤ」
それを見透かしたかのようにフユミトに声を掛けられる。
「あぁ、おはようフユミト」
「ねぇ、日の出でも見に行かない?」
日の出と言われて何故と思ったが、断る理由も無いので頷く。
二人は城壁から東を眺めた。段々と空が明るくなっていく。
「知ってる? 夜明けって難しい言葉で『黎明 』って言うんだ」
「そうなんだ」
夜明け、ナツヤにとっては、この置かれた状況も人生の夜明けだった。
辛く苦しいことから開放され、ここから人生が始まる。
ナツヤは登ってきた日に思わず手を伸ばした。
残されたのはナツヤとフユミトの二人だけだ。
「ナツヤはどうするの?」
フユミトに聞かれるも、ナツヤは戸惑って言う。
「いや、どうしたら良いのか、正直分からない」
「そっか」
そう言ってフユミトは笑顔を作る。
「明日までは時間があると思う。だから、ゆっくりと考えれば良いさ」
とりあえずと、ナツヤは金目になりそうな物を城を見学しながら漁る。
夜になり、うまい食べ物を腹一杯に食べると、眠気がやって来た。
「そろそろ寝ようかな」
フユミトが席を立ったので、ナツヤも後を追うように立ち上がる。
「あ、俺も」
適当に見つけていた豪華な部屋のベッドに腰掛けた。寝床というものはこれ程までに柔らかい物なのかと思う。
今日一日で色々な事があり、疲れたが、逆にナツヤは眠れなくなっていた。
「あのさ、フユミト。フユミトの事を聞きたいんだけど」
「何だい?」
フユミトも眠らずに隣のベッドで返事をする。
「フユミトって、あの鉱脈に来る前に何をしていたの?」
「そうだね……」
しばらくの沈黙があった後に話し始める。
「とても暗くて狭い場所に閉じ込められてたよ」
「そっか……」
暗くて狭い場所とはどこか、気になったがフユミトにも思い出したくない事ぐらいあるだろうと、詮索はやめておいた。
ナツヤは夜が明ける前に目が覚めた。
「おはようナツヤ」
それを見透かしたかのようにフユミトに声を掛けられる。
「あぁ、おはようフユミト」
「ねぇ、日の出でも見に行かない?」
日の出と言われて何故と思ったが、断る理由も無いので頷く。
二人は城壁から東を眺めた。段々と空が明るくなっていく。
「知ってる? 夜明けって難しい言葉で『
「そうなんだ」
夜明け、ナツヤにとっては、この置かれた状況も人生の夜明けだった。
辛く苦しいことから開放され、ここから人生が始まる。
ナツヤは登ってきた日に思わず手を伸ばした。