千年前の物語 4
文字数 998文字
「お前はこの世界に絶望する。その時、またここを訪れろ」
声を聞いた後、サズァンは呆然とその場に立ち尽くしていた。
「サズァン? サズァン、どうしたんだ!? 怪我でもしたか?」
遠くから駆け寄るソイロークとニシナー。ハッとして我に返るサズァン。
「い、いえ、今、魔人エィノキの声が……」
「魔人は死んだ。大丈夫だ!」
ソイロークに言われ、確かにそうだと思ったサズァンは笑顔を作る。
「そうですね、そうですよね。ついに……。流石ですソイローク様、ニシナー様!!」
三人は急いでこの吉報を知らせるために近くの街の冒険者ギルドへと帰ることにした。
と言っても急いで三日は掛かる道。ひとまずその夜は野宿をする。
皆で焚き火を囲んで座った。食事を終えるとソイロークが話し始める。
「これで、やっとこれで世界が平和になるんだな」
「えぇ、そうですね。ソイローク」
ニシナーと共に、二人は緊張がほぐれた笑顔を見せていた。
「もう魔物に怯えなくてもいい。魔人による街の襲撃にも怯えなくてもいい。皆が平和に、幸せに暮らせるんだ」
「そう……、全て終わったのですね」
翌日の日が昇る時、ソイローク達は出発した。そして、二日後、街に帰る。
サズァンは一足先に宿屋へと向かった。ソイロークとニシナーは冒険者ギルドへと向かう。
ソイロークはギルドのドアを開け、叫んだ。
「皆、やったぞ! 魔人エィノキは倒した!」
全員の視線がソイロークとニシナーへ向かう。一瞬間を置いて、理解した者達が立ち上がる。
「ほ、本当ですか……? 勇者ソイローク」
「あぁ、本当だ!!」
ギルドからは歓声が上がり、皆がソイロークを称えた。
知らせはあっという間に国中に広まる。
王の元へ向かう間、寄る街の全てで皆がソイロークを暖かく迎えた。
王都へ着く頃には、市民も兵士も総出で勇者ソイロークの凱旋を待っている。
「よくやった。勇者ソイロークよ」
「はっ!!」
城内にある王の間でソイロークとニシナーは膝を付いて王と対面していた。
「さて、後日お前達を称える式典を開きたい」
「身に余る光栄でございます。ですが、今は一刻も早く国の復興に力を入れたいと思いますので……」
ソイロークはそう言うが、王は話を遮る。
「勇者という存在は戦うだけでない。皆に希望を与えるのも仕事だ。皆がお前達をひと目見たいと思っている」
「左様でございますか……。それでしたら、謹んでお受けしたいと思います
声を聞いた後、サズァンは呆然とその場に立ち尽くしていた。
「サズァン? サズァン、どうしたんだ!? 怪我でもしたか?」
遠くから駆け寄るソイロークとニシナー。ハッとして我に返るサズァン。
「い、いえ、今、魔人エィノキの声が……」
「魔人は死んだ。大丈夫だ!」
ソイロークに言われ、確かにそうだと思ったサズァンは笑顔を作る。
「そうですね、そうですよね。ついに……。流石ですソイローク様、ニシナー様!!」
三人は急いでこの吉報を知らせるために近くの街の冒険者ギルドへと帰ることにした。
と言っても急いで三日は掛かる道。ひとまずその夜は野宿をする。
皆で焚き火を囲んで座った。食事を終えるとソイロークが話し始める。
「これで、やっとこれで世界が平和になるんだな」
「えぇ、そうですね。ソイローク」
ニシナーと共に、二人は緊張がほぐれた笑顔を見せていた。
「もう魔物に怯えなくてもいい。魔人による街の襲撃にも怯えなくてもいい。皆が平和に、幸せに暮らせるんだ」
「そう……、全て終わったのですね」
翌日の日が昇る時、ソイローク達は出発した。そして、二日後、街に帰る。
サズァンは一足先に宿屋へと向かった。ソイロークとニシナーは冒険者ギルドへと向かう。
ソイロークはギルドのドアを開け、叫んだ。
「皆、やったぞ! 魔人エィノキは倒した!」
全員の視線がソイロークとニシナーへ向かう。一瞬間を置いて、理解した者達が立ち上がる。
「ほ、本当ですか……? 勇者ソイローク」
「あぁ、本当だ!!」
ギルドからは歓声が上がり、皆がソイロークを称えた。
知らせはあっという間に国中に広まる。
王の元へ向かう間、寄る街の全てで皆がソイロークを暖かく迎えた。
王都へ着く頃には、市民も兵士も総出で勇者ソイロークの凱旋を待っている。
「よくやった。勇者ソイロークよ」
「はっ!!」
城内にある王の間でソイロークとニシナーは膝を付いて王と対面していた。
「さて、後日お前達を称える式典を開きたい」
「身に余る光栄でございます。ですが、今は一刻も早く国の復興に力を入れたいと思いますので……」
ソイロークはそう言うが、王は話を遮る。
「勇者という存在は戦うだけでない。皆に希望を与えるのも仕事だ。皆がお前達をひと目見たいと思っている」
「左様でございますか……。それでしたら、謹んでお受けしたいと思います