カバン奪還作戦ムツヤ編 2

文字数 628文字

 ムツヤが斬りかかり、ウートゴは刀を取り出してそれを受け止めた。

 手には衝撃によるジーンとした痺れを感じる。ムツヤが持っているのがレプリカで良かったと思っていた。

「なぁ、ムツヤ。我々の仲間になれ」

 つばぜり合いをしながら話しかける。

 だが、ムツヤは返事の代わりに蹴りを入れた。ウートゴはさっと後ろに引いてそれをかわす。

「絶対に断る!」

 ムツヤは休む暇も与えずウートゴに剣を横に構えて突っ込んで行った。

 キィンキィンガィンと刃物がぶつかる音が辺りに広がった。同時に襲いかかってくる手裏剣などものともせず、ムツヤはウートゴを追い詰める。

「まぁまぁ、落ち着きなよ」

 のらりくらりとウートゴは攻撃を避けているが、避けるのが精一杯だった。仮にも元勇者パーティーの一員が手も足もでない。

「仲間になるなら君の夢を叶えてあげようじゃないか」

「デタラメを言うな!」

 ムツヤは聞く耳を持たず、ウートゴを追いかけカバンを取り返そうとする。

「デタラメじゃないさ、君の夢を叶えてあげるよ」

 ムツヤが片手で発動させた魔法をかわしてウートゴは言った。

「君の夢はハーレムを作る事だろう? 我々と協力して亜人共を処分したら一生ハーレムで遊んで暮らせる人生を約束しよう」

「そんな事をして手に入れたハーレムなんかいらない!」

 ムツヤはハッキリと拒絶をした。これ以上は無駄かとウートゴは諦めてカバンを遠くに放り投げる。

 カバンが投げられた方向を振り返り、ムツヤは風のように走ってカバンを手にした。
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登場人物紹介

名前:ムツヤ・バックカントリー


 裏ダンジョンを遊び場にする主人公、ちょっと頭が残念。

名前:モモ


 オークの女の子

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