サンライトレジェンド 2

文字数 920文字

「サンライト地方のラハガにはオオムカデと大蛇が戦ったという伝説があるのです」

「オオムカデでずか!?」

 モモの話にムツヤは思ったより食いついていた。

「普通のムカデの一万倍大きいらしいぞ! まぁ、伝説だから。実在はしないだろうがな」

 イタヤがハッハッハと笑いながら言うが、次のムツヤの言葉でその笑いは止まる。

「え、塔で戦ったことありまずけど……」

「あっ、あー……。居るんだオオムカデ……」

 裏ダンジョンのスケールの大きさを知る一行だが、アシノが待てよと考え事をした。

「ムツヤ、そのオオムカデを召喚できる裏の道具は無かったのか?」

 その言葉にムツヤはうーんと考えて話し始める。

「俺が使った中にはありまぜんでじだ」

「そうか、気付いていないか、裏の道具を応用しているのかもしれないな」

「あ、あの!! 本当に伝説通り、オオムカデが現れたってことは……」

 ユモトがおずおずと言うと、アシノは否定をする。

「いや、裏ダンジョンならともかく、この世界でそれは無いと思う。それこそ裏の道具でも使わない限りはな」

 アシノの言葉にイタヤはやれやれと頭をかいた。

「こりゃ厄介なことになりましたね。俺達も応援に行きましょうか?」

「いえ、イタヤさん達には一刻も早く裏の道具の回収をお願いしたいです」

 アシノの言葉にイタヤは頷く。

「了解! それじゃサンライト地方はお任せしますよ!」

「えぇ、それでは早速出発します」

 イタヤとの会話を終え、ムツヤ達はサンライト地方を目指して馬車を走らせる。



「サンライトってどんな場所なんでずか?」

 馬車の中で干し肉をかじりながらムツヤが質問をした。すると、クッキーを頬張っているルーが答える。

「山だらけの場所ね、中でも霊峰『ニャンタイ山』が有名よ!! ギチットで一番高い山ね。後は昔の王様のお墓があるわ!!」

「へー!! 楽しみでず!!」

「観光旅行に行くわけじゃないんだぞー」

 横になって目を瞑っていたアシノが言う。

 そんな中、探知盤を眺めるユモトが「あっ」と声を出した。

「この裏の道具の反応、動いてます!!」

「回収に当たる冒険者だったら良いんだが、一応見に行ってみるか」

 その反応までは十キロメートルほど、一行は少し寄り道をすることになった。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

名前:ムツヤ・バックカントリー


 裏ダンジョンを遊び場にする主人公、ちょっと頭が残念。

名前:モモ


 オークの女の子

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み