おっさん勇者 1
文字数 1,287文字
次の日、皆が起きて朝食を摂り、待機していると、部屋のドアをノックされた。
「失礼します。国の使いの方がお見えになっております」
来たかとアシノは思い、一行は兵の後を着いてゾロゾロと城へ向かう。
王の間に通されると、サツキ達が既に待っていた。その隣には見慣れないパーティが居る。
そして、大臣のイグチと近衛兵長カミト、その他議員が王の後ろへ並んでいた。
「勇者アシノよ、先日はご苦労だったな」
「はっ、皆様の協力があってこそで御座います」
アシノは膝を付いて王に返事をする。
「して、勇者イタヤよ。そなたは何をしていた」
ムツヤが初めて見るパーティを王は睨んでいた。
「いやー、すいません王。近くの街で魔物の群れの襲撃がありまして……」
バツが悪そうに勇者と言われた男は謝る。
「まぁよい。そなた達に命令を下す」
「はっ!」
勇者達は返事をした。
「勇者サツキはこの王都の護衛にあたれ。勇者アシノと勇者イタヤは魔人の捜索及び討伐を命じる」
「はっ!」
アシノ達が言うと、次はイグチが質問をする。
「勇者の皆様。何かご質問は御座いますか?」
そう言われるとアシノが表を上げた。
「はい、勇者トチノハの件はいかがなさいますか?」
アシノの質問にイグチは答える。
「勇者トチノハの件も解決をせねばなりませんが、まずは国を滅ぼそうとする魔人を先決すべきだと、昨日の議会で決まりました」
「かしこまりました」
「他に質問が無ければ、さっそく皆様には任務にあたって頂きます」
「はっ!」
そう言って勇者とそのパーティは王の間を後にした。
「なんで、なんで私がアシノ先輩と旅をできないんですか」
外壁まで見送りに来たサツキが言う。勇者達が集まっているので見物人も多かった。
「まぁそう言うなサツキさん」
ハッハッハと笑いながら勇者イタヤは言う。
「そうだ、お前には王都を守ってもらわないといけない」
アシノが言うが、サツキはむくれている。
「そろそろ出発するぞ!」
「はい」
アシノが言うとモモは馬車を走らせた。ムツヤ達とイタヤのパーティを乗せる馬車の二台が並んで出発する。
まずは攻撃の効かないモンスターを倒す武器を手に入れるため、イタヤが試練の塔へ向かう事になっていた。
道中休憩を入れた時に改めて自己紹介が始まる。
「勇者アシノパーティの皆さん、改めてよろしく! 俺はイタヤって言います」
オールバッグに灰色の髪をした勇者イタヤはそう自己紹介をした。
「よろしくおねがいします!」
ムツヤが元気よく返事をした。
「おー、元気がいいね、ハッハッハ」
よく笑うおっさんだなとモモは思う。
「こっちは俺の妹のサワだ、人が言うには天才魔法少女だ」
「お兄ちゃん! 恥ずかしいからそういう事を言わないで! それともう少女って歳じゃないし!」
20代半ばぐらいの、イタヤと同じ髪色でショートカットの女が怒って言った。
「そして、こっちはウリハ。幼馴染の腐れ縁だ。魔剣士をやっている。凶暴だからエサを与えないでくれ」
「お前は一言多いんだよ!」
茶髪の長い髪をした男勝りな女がイタヤの腹を肘で突く。
「ぐふっ!!」
腹を突かれたイタヤは変な声を上げた。
「失礼します。国の使いの方がお見えになっております」
来たかとアシノは思い、一行は兵の後を着いてゾロゾロと城へ向かう。
王の間に通されると、サツキ達が既に待っていた。その隣には見慣れないパーティが居る。
そして、大臣のイグチと近衛兵長カミト、その他議員が王の後ろへ並んでいた。
「勇者アシノよ、先日はご苦労だったな」
「はっ、皆様の協力があってこそで御座います」
アシノは膝を付いて王に返事をする。
「して、勇者イタヤよ。そなたは何をしていた」
ムツヤが初めて見るパーティを王は睨んでいた。
「いやー、すいません王。近くの街で魔物の群れの襲撃がありまして……」
バツが悪そうに勇者と言われた男は謝る。
「まぁよい。そなた達に命令を下す」
「はっ!」
勇者達は返事をした。
「勇者サツキはこの王都の護衛にあたれ。勇者アシノと勇者イタヤは魔人の捜索及び討伐を命じる」
「はっ!」
アシノ達が言うと、次はイグチが質問をする。
「勇者の皆様。何かご質問は御座いますか?」
そう言われるとアシノが表を上げた。
「はい、勇者トチノハの件はいかがなさいますか?」
アシノの質問にイグチは答える。
「勇者トチノハの件も解決をせねばなりませんが、まずは国を滅ぼそうとする魔人を先決すべきだと、昨日の議会で決まりました」
「かしこまりました」
「他に質問が無ければ、さっそく皆様には任務にあたって頂きます」
「はっ!」
そう言って勇者とそのパーティは王の間を後にした。
「なんで、なんで私がアシノ先輩と旅をできないんですか」
外壁まで見送りに来たサツキが言う。勇者達が集まっているので見物人も多かった。
「まぁそう言うなサツキさん」
ハッハッハと笑いながら勇者イタヤは言う。
「そうだ、お前には王都を守ってもらわないといけない」
アシノが言うが、サツキはむくれている。
「そろそろ出発するぞ!」
「はい」
アシノが言うとモモは馬車を走らせた。ムツヤ達とイタヤのパーティを乗せる馬車の二台が並んで出発する。
まずは攻撃の効かないモンスターを倒す武器を手に入れるため、イタヤが試練の塔へ向かう事になっていた。
道中休憩を入れた時に改めて自己紹介が始まる。
「勇者アシノパーティの皆さん、改めてよろしく! 俺はイタヤって言います」
オールバッグに灰色の髪をした勇者イタヤはそう自己紹介をした。
「よろしくおねがいします!」
ムツヤが元気よく返事をした。
「おー、元気がいいね、ハッハッハ」
よく笑うおっさんだなとモモは思う。
「こっちは俺の妹のサワだ、人が言うには天才魔法少女だ」
「お兄ちゃん! 恥ずかしいからそういう事を言わないで! それともう少女って歳じゃないし!」
20代半ばぐらいの、イタヤと同じ髪色でショートカットの女が怒って言った。
「そして、こっちはウリハ。幼馴染の腐れ縁だ。魔剣士をやっている。凶暴だからエサを与えないでくれ」
「お前は一言多いんだよ!」
茶髪の長い髪をした男勝りな女がイタヤの腹を肘で突く。
「ぐふっ!!」
腹を突かれたイタヤは変な声を上げた。