修行生活 6

文字数 952文字

 もう1軒ある飲み屋へとやってきたムツヤ達は、早速飲み物を頼んで乾杯をした。

「っくー、久しぶりのお酒は身に染みるわぁー」

 ルーは目をギュッとつむって酒を味わっている。

「そういや、お前達と初めて会ったのってギルドで酒飲んでる時だったよな」

 アシノは思い出して言う。「そう言えばそうでしたね」とユモトは会話に乗った。

「あの時はうるさい新人をマジでシバいてやろうかと思ってたな」

 そう言ってアシノはハハハと笑う。

「あの時のアシノは相当荒れてたからねー」

 ルーが酒をまたゴクゴクと飲みながら言った。

「まぁ、自分でも今思い返せば恥ずかしい話だ」

「仕方がありませんよ、事情が事情でしたし……」

 モモはアシノにフォローを入れておく。そこでふと、ムツヤは気になっていた事を言う。

「アシノさんとルーさんって、昔から一緒に冒険をしてたんですか?」

 その質問にアシノは首を横に振って答える。

「違うな、コイツとはただの腐れ縁だ」

「そうなのよねー、勇者パーティには私よりもっと戦い専門の魔術師や召喚術師がいたし」

「へぇー、そうなんですね」

 ユモトは意外だなーと思いながらそう口にした。

「魔人の討伐のために組まれたから、仲が良いとか悪いとかを抜きにして、純粋に強い奴らの寄せ集めになるんだ」

「なるほど」

 モモは納得して言うが、ムツヤは疑問を持ったみたいだ。

「でも、仲良くない人達と冒険して楽しいんですか?」

「魔人は人類と亜人の敵だからな、討伐に楽しいも何も無いぞ」

 そういう物なのかとムツヤは思った。そこですかさずルーが質問をぶつける。

「じゃあじゃあ、今は楽しいの?」

 アシノは思わず酒を吹き出しそうになった。

「こんなに仲が良い私達と冒険をしているんだもの、楽しいでしょ?」

「お前な、私が同行しているのはキエーウの件があるからで」

「ムツヤっち!! アシノは私達と仲良くないんだって!!」

「そうだったんですか!?」

 ムツヤはショックを受けたようでシュンとしてしまう。

「いや、その、仲が悪いとは思っていないというか」

 あたふたとアシノは誤解を解こうとした。そんなアシノをニヤニヤしてルーは眺めている。

「いやん、アシノったらツ・ン・デ・レへぷち!!」

 言い終わる前に頭を引っ叩かれてルーは奇声を上げた。それを見てユモトとモモは笑っている。
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登場人物紹介

名前:ムツヤ・バックカントリー


 裏ダンジョンを遊び場にする主人公、ちょっと頭が残念。

名前:モモ


 オークの女の子

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