魔人の爪痕 4
文字数 1,213文字
カミトの言葉に、アシノだけでなく、全員の頭に疑問符が浮かんだ。
「鳥の様子……、ですか?」
アシノが聞き返すと「えぇ」とカミトが返事をする。
「詳細はまだ把握しきれていないのですが、他の地域での武具達の情報が分かるまで、申し訳ありませんが調査をお願いできればと」
「わかりました。すぐ向かいましょう」
「頼もしい限りです。それでは皆様、よろしくお願いします。それと、食堂にて昼食の用意が出来ておりますので、もしよろしければお召し上がり下さい」
腹が減っては戦はできぬと、勇者と一行は食堂に用意されたビュッフェを食べて行くことにした。
アシノの座る席の隣に、サツキが椅子を限界まで近付けて座る。
「アシノせんぱーい!!! ほら、あーん」
サツキはフォークに刺した生ハムとチーズをアシノの口元に運ぶが、まるで見えない壁があるかのように無視されている。
「何で無視するんですかー!? しばらく会えなくなるかもしれないのに!?」
「ちょっ、サツキいい加減にしなって!! アシノ様マジすんません!!」
クサギに止められて、渋々サツキは持っていたフォークを自分の口に運ぶ。
そんな賑やかなやり取りを終え、勇者イタヤとアシノは王都を後にする。
ムツヤ達は馬車に揺られていた。少し暑いが、風通しが良いので不快感はそこまで無い。
「ネザワの街には夜ぐらいに着くだろう。それまで私達も作戦会議だ」
「えー、私もうお眠ちゃんなんだけど」
アシノの言葉にルーがそう返してウトウトしていると、ビンのフタをパコンと額にぶつけられた。
「あだー!!!」
「これで目が覚めたか?」
「何すんのよ!!」
騒ぐルーを無視してアシノは赤い石を馬車の壁にぶつけた。
「はいはい、こちらギルス。それで、どういう運びになったんだい?」
アシノはギルスに城でのことをすべて話す。
「なるほどね、事態は把握したよ。それで、こっちの話なんだけど、探知盤の連結は上々だよ」
ギルスはニコニコ笑顔で言っていた。研究者として生き生きしとている。
「早速だけど、南に裏の道具が2個落ちているから、そっちの探知盤でも確認して街へ向かう途中で回収よろしく」
ユモトが探知盤を操作すると、確かに裏の道具の反応が2つあった。
「わかった。それでムツヤ、お前に聞きたいんだが、動物……、鳥を凶暴化させる道具はあるのか?」
眠り掛けてたムツヤがハッとして言葉を返す。
「あ、はい!! モンスターを暴れさせる杖ならありまじだ!!」
「誰かがその杖とやらを使ってイタズラでもしてるって所か」
「だけど、まだその杖だと決まったわけではないね。他の裏の道具の仕業かもしれない」
腕を組んでギルスが言った。
「裏の道具は、本当に使い方によってはどんな事でも出来ちゃうからね」
「そういや、研究の方はどうなってんだ?」
アシノに聞かれるが、ギルスは両手を上げて答える。
「それがぜーんぜん。この世界の法則は当たり前のように通用しないものばっかりだよ」
「鳥の様子……、ですか?」
アシノが聞き返すと「えぇ」とカミトが返事をする。
「詳細はまだ把握しきれていないのですが、他の地域での武具達の情報が分かるまで、申し訳ありませんが調査をお願いできればと」
「わかりました。すぐ向かいましょう」
「頼もしい限りです。それでは皆様、よろしくお願いします。それと、食堂にて昼食の用意が出来ておりますので、もしよろしければお召し上がり下さい」
腹が減っては戦はできぬと、勇者と一行は食堂に用意されたビュッフェを食べて行くことにした。
アシノの座る席の隣に、サツキが椅子を限界まで近付けて座る。
「アシノせんぱーい!!! ほら、あーん」
サツキはフォークに刺した生ハムとチーズをアシノの口元に運ぶが、まるで見えない壁があるかのように無視されている。
「何で無視するんですかー!? しばらく会えなくなるかもしれないのに!?」
「ちょっ、サツキいい加減にしなって!! アシノ様マジすんません!!」
クサギに止められて、渋々サツキは持っていたフォークを自分の口に運ぶ。
そんな賑やかなやり取りを終え、勇者イタヤとアシノは王都を後にする。
ムツヤ達は馬車に揺られていた。少し暑いが、風通しが良いので不快感はそこまで無い。
「ネザワの街には夜ぐらいに着くだろう。それまで私達も作戦会議だ」
「えー、私もうお眠ちゃんなんだけど」
アシノの言葉にルーがそう返してウトウトしていると、ビンのフタをパコンと額にぶつけられた。
「あだー!!!」
「これで目が覚めたか?」
「何すんのよ!!」
騒ぐルーを無視してアシノは赤い石を馬車の壁にぶつけた。
「はいはい、こちらギルス。それで、どういう運びになったんだい?」
アシノはギルスに城でのことをすべて話す。
「なるほどね、事態は把握したよ。それで、こっちの話なんだけど、探知盤の連結は上々だよ」
ギルスはニコニコ笑顔で言っていた。研究者として生き生きしとている。
「早速だけど、南に裏の道具が2個落ちているから、そっちの探知盤でも確認して街へ向かう途中で回収よろしく」
ユモトが探知盤を操作すると、確かに裏の道具の反応が2つあった。
「わかった。それでムツヤ、お前に聞きたいんだが、動物……、鳥を凶暴化させる道具はあるのか?」
眠り掛けてたムツヤがハッとして言葉を返す。
「あ、はい!! モンスターを暴れさせる杖ならありまじだ!!」
「誰かがその杖とやらを使ってイタズラでもしてるって所か」
「だけど、まだその杖だと決まったわけではないね。他の裏の道具の仕業かもしれない」
腕を組んでギルスが言った。
「裏の道具は、本当に使い方によってはどんな事でも出来ちゃうからね」
「そういや、研究の方はどうなってんだ?」
アシノに聞かれるが、ギルスは両手を上げて答える。
「それがぜーんぜん。この世界の法則は当たり前のように通用しないものばっかりだよ」