翼竜討伐 4
文字数 894文字
朝になりユモトは目が覚めた。テントを出ると空は快晴で、眩しい朝日が出迎えてくれた。
「ムツヤさん、ヨーリィちゃん、起きて下さい」
ユモトが二人の肩をトントンと叩くと、二人共むくりと起き出した。
「ふーんあー…… おはようございますユモトさん」
「おはようございますユモトお姉ちゃん」
「おはようございます、でもお姉ちゃんじゃないからね?」
いつもの様なやり取りをして3人はテントを出る。そして、ムツヤのカバンから食材を出して朝食の準備をした。
簡単な朝食ができる頃、ヨーリィは女性陣のテントへ3人を起こしに行く。
全員が揃い、心地よい朝日のもとで穏やかな朝食が始まる。
「ウゴオオオオオオオォォォォ」
それは突然だった。とっさに反応できたのはムツヤだけだった。遅れて他の皆も空を見上げる。
翼竜だ、トカゲを大きくして羽を生やしたあの姿は間違いない。ムツヤ達からだいぶ距離はあるが、雄叫びを上げて飛び回っている。
「まずい、藪の中に隠れろ!!」
皆、弾けたように立ち上がり藪の中へと隠れた。声を潜めてユモトは言う。
「あ、あれって獲物を探してるんですか!?」
その質問に、猟師であるモモは憶測で答える。
「いや、狩りならば自分の居場所をわざわざ大声で知らせることはしないと思う」
「ご明察ぅー」
どさくさに紛れながらジャムを塗ったパンを持ち出せたルーは、それを食べながら言う。
「アレは求愛行動ね、いわゆる『お姉さん、俺とお茶しない?』みたいな、簡単に言えば翼竜のナンパってやつ?」
なるほどとユモトは納得した。アシノは木にもたれかかって腕を組んで目を閉じる。
「一応アイツがどこかへ行くまでは隠れるぞ」
「何か、突然大変なことになっちゃいましたね」
不安そうに言うユモトとは対称的にアシノは余裕そうだった。
「悪いことばかりじゃない。アイツはまだつがいの竜を見つけてないって事が分かったんだ」
確かにとユモトとモモは納得する。翼竜は一通り飛び回って叫ぶと、山の向こうへと飛び去ってしまう。
「さてと、厄介な客人が消えたことだし飯の続きだ」
能力や技術を失っても、肝が座っている所はさすが勇者だなとムツヤ達は思った。
「ムツヤさん、ヨーリィちゃん、起きて下さい」
ユモトが二人の肩をトントンと叩くと、二人共むくりと起き出した。
「ふーんあー…… おはようございますユモトさん」
「おはようございますユモトお姉ちゃん」
「おはようございます、でもお姉ちゃんじゃないからね?」
いつもの様なやり取りをして3人はテントを出る。そして、ムツヤのカバンから食材を出して朝食の準備をした。
簡単な朝食ができる頃、ヨーリィは女性陣のテントへ3人を起こしに行く。
全員が揃い、心地よい朝日のもとで穏やかな朝食が始まる。
「ウゴオオオオオオオォォォォ」
それは突然だった。とっさに反応できたのはムツヤだけだった。遅れて他の皆も空を見上げる。
翼竜だ、トカゲを大きくして羽を生やしたあの姿は間違いない。ムツヤ達からだいぶ距離はあるが、雄叫びを上げて飛び回っている。
「まずい、藪の中に隠れろ!!」
皆、弾けたように立ち上がり藪の中へと隠れた。声を潜めてユモトは言う。
「あ、あれって獲物を探してるんですか!?」
その質問に、猟師であるモモは憶測で答える。
「いや、狩りならば自分の居場所をわざわざ大声で知らせることはしないと思う」
「ご明察ぅー」
どさくさに紛れながらジャムを塗ったパンを持ち出せたルーは、それを食べながら言う。
「アレは求愛行動ね、いわゆる『お姉さん、俺とお茶しない?』みたいな、簡単に言えば翼竜のナンパってやつ?」
なるほどとユモトは納得した。アシノは木にもたれかかって腕を組んで目を閉じる。
「一応アイツがどこかへ行くまでは隠れるぞ」
「何か、突然大変なことになっちゃいましたね」
不安そうに言うユモトとは対称的にアシノは余裕そうだった。
「悪いことばかりじゃない。アイツはまだつがいの竜を見つけてないって事が分かったんだ」
確かにとユモトとモモは納得する。翼竜は一通り飛び回って叫ぶと、山の向こうへと飛び去ってしまう。
「さてと、厄介な客人が消えたことだし飯の続きだ」
能力や技術を失っても、肝が座っている所はさすが勇者だなとムツヤ達は思った。