お掃除クエスト 3
文字数 1,814文字
それから数時間が経つ。ユモトは淡々と鼻歌交じりに掃除をしていた。
モモとヨーリィはムツヤのカバンから引っ張り出されたメイド服を着て掃除をしている。
背が低いヨーリィが背伸びをして高い所を一生懸命に掃除をしている様は可愛らしい少女と言った感じだ。
雑用が嫌いなアシノは「外の警戒をしている」とサボる口実を見付けてビンのフタを飛ばして戦う訓練をしていた。
外からパンパンとビンのフタが飛び出す音がしている。
そしてムツヤは地下に居た。
メイド服を着たルーは笑顔でウキウキしながらムツヤのカバンの中の物をルーペで眺めたり、ガラスのビンの中に移したり火にかけたりと大忙しだ。
彼女は召喚術師だったが、若いながらも実力を持ち、今は冒険者ギルドの幹部兼ダンジョンで拾われた魔法道具の研究を生業としていた。
「いやー、まさか裏ダンジョンのアイテムを研究できるなんてね。感謝感謝」
ルーは隣に居るムツヤにそう言う。ムツヤは頭をかきながらハハハと苦笑いをし、青い薬と赤い薬を混ぜているルーを見ている。
「それと、まだちゃんと鑑定も実験もしてないから何とも言えないんだけど、このメイド服ってもしかしたら家事スキルが上昇する気がするんだよねー。私って片付け苦手だから、ここではずっと着てようかしら」
そう言ってルーは振り返ると小さくムツヤにウィンクをする。その小悪魔的な仕草にムツヤは一瞬ドキリとした。
「ムツヤさーん、ちょっと良いですかー?」
「あ、はーい」
上の階からユモトの呼ぶ声がしてムツヤは階段を上がる、地下室の出口ではユモトが笑顔で待っていた。
「ムツヤさん、街を出るときに気付いていればよかったんですが、数日分の食料と、皆さんが欲しい物を買いに行きませんか?」
「あー、そうでじたね」
ムツヤのカバンには魚やモンスターの肉等はたくさん入っているが、小麦粉や麺といった主食になるものや調味料は少ない。
「それじゃあ買い物に行きましょうか!」
「はい!」
笑顔で答えるユモトと外へ出る前に、モモとヨーリィに話しかけた。
「モモさん、ヨーリィ、買い物に行くけど何か必要なものはありまずか?」
モモはムツヤを見るなり腕を前で組み、ムツヤから視線を外して恥ずかしそうにしている。
「お兄ちゃん、私はお兄ちゃんの魔力がそろそろ必要です」
「あっ、そっがーそれじゃヨーリィも手を繋いで一緒に行ごうか」
ヨーリィが手をつないだ後、モモは上目遣いでムツヤに言う。
「村を出るときに身を整える品は持ってきたのですが、欲を言うなら髪に塗る油が欲しいです」
「わがりましだ」
何だかいつもより更にモモが可愛く見えるのはメイド服のせいか、恥じらっているからなのかムツヤにはわからない。
が、心の中で「今日のモモさん何だか良いなぁー」と考えて鼻の下を伸ばしていた。
街までは歩いて20分程、ムツヤとユモト、ヨーリィは家の玄関を出た。すると、まず目に入ったのはワインボトルの栓をスッポーンと飛ばしているアシノだ。
「アシノさーん! 買い物に行くんですけど一緒に行きますか?」
ユモトはアシノに声を掛け、気付いたアシノが振り返った。
「あぁ、そうだな。気晴らしに行くかぁ」
アシノは「んー」と言いながら背伸びをし、腰に付けていたホルスターに2本のワインボトルをしまい込んだ。
「このメンバーだと…… 家にはルーとモモか、まぁルーが居るなら大丈夫だろ」
4人は街に向かって歩いていた。ユモトは今晩の夕食のメニューを考えて、ムツヤはヨーリィと手を繋いで中の良い兄妹のように。
アシノは手を頭の後ろで組んで退屈そうだ。街までの道はあと半分ぐらいだろう。
「ムツヤさん、今日のお夕飯って何が良いですか?」
「あーそれなら前に食べたハンバーグが良いです」
「おっ、私もそれ賛成」
「わかりました、それじゃあ夕飯はハンバーグで!」
ユモトは右手の人差指をピンと立てて笑顔で言う、しかしその瞬間ムツヤの顔が険しいものになる。
「お兄ちゃん」
「あぁ」
横の林から人影が近付く。
それで察したユモトは杖を構え、アシノも腰のワインボトルに手をかけた。姿を表したそれはキエーウのメンバーの印である面を付けていた。
「貴様がムツヤ・バックカントリーか?」
「そうだ、何の用だ!」
「貴様のカバ」
『パァンパァン』
ワインボトルからスッポーンと勢いよく飛び出た2つのそれは直線上にある男の股間に
「ンンンンンン!!!!!!」
勢いよく命中した。
モモとヨーリィはムツヤのカバンから引っ張り出されたメイド服を着て掃除をしている。
背が低いヨーリィが背伸びをして高い所を一生懸命に掃除をしている様は可愛らしい少女と言った感じだ。
雑用が嫌いなアシノは「外の警戒をしている」とサボる口実を見付けてビンのフタを飛ばして戦う訓練をしていた。
外からパンパンとビンのフタが飛び出す音がしている。
そしてムツヤは地下に居た。
メイド服を着たルーは笑顔でウキウキしながらムツヤのカバンの中の物をルーペで眺めたり、ガラスのビンの中に移したり火にかけたりと大忙しだ。
彼女は召喚術師だったが、若いながらも実力を持ち、今は冒険者ギルドの幹部兼ダンジョンで拾われた魔法道具の研究を生業としていた。
「いやー、まさか裏ダンジョンのアイテムを研究できるなんてね。感謝感謝」
ルーは隣に居るムツヤにそう言う。ムツヤは頭をかきながらハハハと苦笑いをし、青い薬と赤い薬を混ぜているルーを見ている。
「それと、まだちゃんと鑑定も実験もしてないから何とも言えないんだけど、このメイド服ってもしかしたら家事スキルが上昇する気がするんだよねー。私って片付け苦手だから、ここではずっと着てようかしら」
そう言ってルーは振り返ると小さくムツヤにウィンクをする。その小悪魔的な仕草にムツヤは一瞬ドキリとした。
「ムツヤさーん、ちょっと良いですかー?」
「あ、はーい」
上の階からユモトの呼ぶ声がしてムツヤは階段を上がる、地下室の出口ではユモトが笑顔で待っていた。
「ムツヤさん、街を出るときに気付いていればよかったんですが、数日分の食料と、皆さんが欲しい物を買いに行きませんか?」
「あー、そうでじたね」
ムツヤのカバンには魚やモンスターの肉等はたくさん入っているが、小麦粉や麺といった主食になるものや調味料は少ない。
「それじゃあ買い物に行きましょうか!」
「はい!」
笑顔で答えるユモトと外へ出る前に、モモとヨーリィに話しかけた。
「モモさん、ヨーリィ、買い物に行くけど何か必要なものはありまずか?」
モモはムツヤを見るなり腕を前で組み、ムツヤから視線を外して恥ずかしそうにしている。
「お兄ちゃん、私はお兄ちゃんの魔力がそろそろ必要です」
「あっ、そっがーそれじゃヨーリィも手を繋いで一緒に行ごうか」
ヨーリィが手をつないだ後、モモは上目遣いでムツヤに言う。
「村を出るときに身を整える品は持ってきたのですが、欲を言うなら髪に塗る油が欲しいです」
「わがりましだ」
何だかいつもより更にモモが可愛く見えるのはメイド服のせいか、恥じらっているからなのかムツヤにはわからない。
が、心の中で「今日のモモさん何だか良いなぁー」と考えて鼻の下を伸ばしていた。
街までは歩いて20分程、ムツヤとユモト、ヨーリィは家の玄関を出た。すると、まず目に入ったのはワインボトルの栓をスッポーンと飛ばしているアシノだ。
「アシノさーん! 買い物に行くんですけど一緒に行きますか?」
ユモトはアシノに声を掛け、気付いたアシノが振り返った。
「あぁ、そうだな。気晴らしに行くかぁ」
アシノは「んー」と言いながら背伸びをし、腰に付けていたホルスターに2本のワインボトルをしまい込んだ。
「このメンバーだと…… 家にはルーとモモか、まぁルーが居るなら大丈夫だろ」
4人は街に向かって歩いていた。ユモトは今晩の夕食のメニューを考えて、ムツヤはヨーリィと手を繋いで中の良い兄妹のように。
アシノは手を頭の後ろで組んで退屈そうだ。街までの道はあと半分ぐらいだろう。
「ムツヤさん、今日のお夕飯って何が良いですか?」
「あーそれなら前に食べたハンバーグが良いです」
「おっ、私もそれ賛成」
「わかりました、それじゃあ夕飯はハンバーグで!」
ユモトは右手の人差指をピンと立てて笑顔で言う、しかしその瞬間ムツヤの顔が険しいものになる。
「お兄ちゃん」
「あぁ」
横の林から人影が近付く。
それで察したユモトは杖を構え、アシノも腰のワインボトルに手をかけた。姿を表したそれはキエーウのメンバーの印である面を付けていた。
「貴様がムツヤ・バックカントリーか?」
「そうだ、何の用だ!」
「貴様のカバ」
『パァンパァン』
ワインボトルからスッポーンと勢いよく飛び出た2つのそれは直線上にある男の股間に
「ンンンンンン!!!!!!」
勢いよく命中した。