生と死と 2

文字数 738文字

 ムツヤ達はその後も占い師の情報を集め続けていた。すると、一つの答えのようなものが浮かんできた。

 占い師とは別の人物達も同じ様に人を誘い、どこかに連れ出している事、その者達は帰ってこない事。

 ある日の晩、アシノは話をまとめて言う。

「集団誘拐事件って所か」

 ルーも椅子に腰掛けて返事をした。

「えぇ、そうみたいね」

 モモは立ちながら意見する。

「ですが、そうなると何処へ連れて行かれているのでしょう?」

 そんな問いかけにアシノは答えた。

「金目の物も消えてるってことは、恐らく金目当て……、って所だろうけど、なんとも言えんな」

 ふぅーっと息を吐いてアシノは続ける。

「考えていても仕方がない。裏の道具を集めながら情報収集だ」




 とある洞窟、そこへミシロは入っていった。洞窟の前には大量の死体が埋められている。

「あぁ、ミシロ様!! 今日もお美しい!!」

 裏の道具である杖を持つ『ルクコエ』がミシロに向かって言った。

「ルクコエ、今日もお願い」

「はい!! かしこまりました!!」

 ルクコエは杖を持ち、空いた方の手でミシロの手を握る。ぼうっと青い光が辺りを照らしだす。

 それと同時に、ミシロは力が流れてくるのを感じていた。

「今日もありがと、ルクコエ」

「そんな!! 恐れ多い!!」

 ミシロは羽をバサッと広げて言う。

「私、もっと強くなる。もっともっと」

「応援しています。ミシロ様」

 空へと飛び立つミシロを、ルクコエはどこまでも見送っていた。



 ミシロは人が来ない山奥で自己流の修行をしていた。

 空に魔力を込めた光の玉を打ち出し、魔剣『ジャビガワ』で木を斬り岩を斬り、地面へ突き刺して水の刃を作り出す。

「もっと、もっと強くならなくちゃ……」

 修行をして数ヶ月になるミシロ。その心には向上心と焦りがあった。
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登場人物紹介

名前:ムツヤ・バックカントリー


 裏ダンジョンを遊び場にする主人公、ちょっと頭が残念。

名前:モモ


 オークの女の子

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