元勇者 1

文字数 1,037文字

 裏の道具の反応を求めてサンライト地方へやって来たムツヤ達。

 そこには元勇者トチノハ一行が居た。話し合いをしている最中にオオムカデの襲撃を受け、今まさにムツヤが戦いを始める。




 オオムカデは一直線にムツヤに突っ込んでくる。魔剣ムゲンジゴクで足や牙を斬り落としていくが、次々と再生していった。

 トチノハが爆破魔法を使い、ムツヤに加勢する。仲間のキヌも矢を放っていた。

「共闘と行こうかムツヤくん」

 ムツヤの返事も待たずに、トチノハはオオムカデに飛び乗り爆破する。効いているのかいないのか、オオムカデはのたうち回った。

 オオムカデは口から毒を吐き、その液が掛かった木は煙を上げながら溶け出していく。

 トチノハは軽やかに飛んで矢を放ちながら、爆破魔法を、ムツヤは剣でオオムカデを切り裂いて翻弄していた。

 その間、見守るしか出来ないトチノハの仲間達はアシノに話を持ちかける。

「アシノ様、目には目をって言うじゃありませんか。裏の道具には裏の道具を、そう思いませんか?」

「何の話だ」

 アシノ達はオオムカデに警戒をしながらも、キヌとネックに武器を構えていた。

「オオムカデ伝説は、奴の目を射抜いて退治したって事になってます。伝説の再現、やる価値はあるんじゃないですかね?」

 そう言ってキヌは弓を構え、アシノ達も武器を強く握りしめたが、矢はオオムカデの方へと飛んでいく。

 動き回るオオムカデの顔付近に当たるも、傷一つ付かない。

「ウチの大将は俺よりももっと弓の腕が立つ。それでも普通の弓じゃアレは無理でしょうね」

「トチノハに裏の道具の弓矢を寄越せってか、バカバカしい」

 アシノはムツヤと連絡石で話をする。

「ムツヤ!! 弓矢でオオムカデを射抜け!!」

「わがりまじだ!!」

「作戦だけ借りさせて貰うよ」

 ニッと笑ってアシノが言うと、キヌはやれやれと言った風に手を上げた。

 ムツヤはカバンから塔の中で触手トカゲを倒すために使った『命中するとメッチャ光ってモンスターがパパウワーってなる弓』と矢を取り出し、それをオオムカデに向かって放つ。

 矢は当たる事には当たったが、胴体部分だった。その部分がえぐれて穴を開けるも、また元通りになる。

 ムツヤは強いが、弓の扱いには慣れていなかった。そんなムツヤにトチノハは。

「悪いね」

 爆破魔法を使い、目眩ましをした。無詠唱で放たれたので、一瞬だがムツヤはひるみ、弓と矢を奪われてしまった。

「!! やはりお前達の目的は裏の道具か!!」

 トチノハは弓を構え、ムツヤの方へ放つ。
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登場人物紹介

名前:ムツヤ・バックカントリー


 裏ダンジョンを遊び場にする主人公、ちょっと頭が残念。

名前:モモ


 オークの女の子

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