それからのこと 2
文字数 876文字
ムツヤ達が無言のまま感傷に浸っていると、森を抜けてサツキ達がやって来た。
「アシノせんぱーい!!!」
そう言いながら近付いてくるが、アラクネのナリアと迷い木の怪物を見て剣を構える。
「まだ魔物の生き残りが!?」
「待てサツキ、コイツ等は無害だ」
アシノに言われ、半信半疑ながらも武器を収める勇者達。
「裏ダンジョンが……崩れていくな」
イタヤは崩落する塔を見上げて言った。
それと同時に、トチノハがある事に気付く。
「!! 弓が」
トチノハの持つ弓が半透明になり、消えていった。
それだけではない。探知盤やモモの無力化の盾といった裏の道具も消えていく。
だが、ムツヤのカバンや魔剣ムゲンジゴク。その他、サツキの魔剣カミカゼやイタヤの聖剣ロネーゼといった消えない物もある。
「裏ダンジョンが消えたから、道具まで消えたのか……?」
アシノはムツヤを見て言うが、本人も何故かは分からないようだ。
「消えた道具と消えない道具。何か違いがあるのかしらね」
ルーは憶測であるが、そんな事を独り言のように話す。
「ヨーリィ、無事で本当に良かったわ」
マヨイギはヨーリィを抱きしめていた。
「はい」
真顔で返事をするヨーリィ。ムツヤ達はそんな二人を見ている。
抱きしめられた腕から離れるとヨーリィは一言。
「マヨイギ様は心配性ですね」
そう言って、少しだけ微笑んだ。マヨイギは見間違えかと思い、もう一度よく見ると真顔に戻っている。
「ヨーリィ!? い、今!! 笑って!?」
「そうですか?」
思わずマヨイギは何か胸にこみ上げるものがあった。
(イラスト:tw先生)
「モモ、良くやったな」
モモの父であるネックは娘に近付いて言う。
「いえ、私はムツヤ殿に付いていっただけです」
「いや、お前は良くやった」
父親に褒められ、顔を赤くするモモ。
「そうですか……。ありがとうございます」
「ムツヤ殿」
ふと名前を呼ばれてムツヤはネックの顔を見る。
「モモを、娘を、これからもよろしくお願いします」
そう言って頭を下げるネック。
「わがりまじだ!!」
更に顔を赤くするモモ。仲間達はニヤニヤとその光景を見ていた。
「アシノせんぱーい!!!」
そう言いながら近付いてくるが、アラクネのナリアと迷い木の怪物を見て剣を構える。
「まだ魔物の生き残りが!?」
「待てサツキ、コイツ等は無害だ」
アシノに言われ、半信半疑ながらも武器を収める勇者達。
「裏ダンジョンが……崩れていくな」
イタヤは崩落する塔を見上げて言った。
それと同時に、トチノハがある事に気付く。
「!! 弓が」
トチノハの持つ弓が半透明になり、消えていった。
それだけではない。探知盤やモモの無力化の盾といった裏の道具も消えていく。
だが、ムツヤのカバンや魔剣ムゲンジゴク。その他、サツキの魔剣カミカゼやイタヤの聖剣ロネーゼといった消えない物もある。
「裏ダンジョンが消えたから、道具まで消えたのか……?」
アシノはムツヤを見て言うが、本人も何故かは分からないようだ。
「消えた道具と消えない道具。何か違いがあるのかしらね」
ルーは憶測であるが、そんな事を独り言のように話す。
「ヨーリィ、無事で本当に良かったわ」
マヨイギはヨーリィを抱きしめていた。
「はい」
真顔で返事をするヨーリィ。ムツヤ達はそんな二人を見ている。
抱きしめられた腕から離れるとヨーリィは一言。
「マヨイギ様は心配性ですね」
そう言って、少しだけ微笑んだ。マヨイギは見間違えかと思い、もう一度よく見ると真顔に戻っている。
「ヨーリィ!? い、今!! 笑って!?」
「そうですか?」
思わずマヨイギは何か胸にこみ上げるものがあった。
(イラスト:tw先生)
「モモ、良くやったな」
モモの父であるネックは娘に近付いて言う。
「いえ、私はムツヤ殿に付いていっただけです」
「いや、お前は良くやった」
父親に褒められ、顔を赤くするモモ。
「そうですか……。ありがとうございます」
「ムツヤ殿」
ふと名前を呼ばれてムツヤはネックの顔を見る。
「モモを、娘を、これからもよろしくお願いします」
そう言って頭を下げるネック。
「わがりまじだ!!」
更に顔を赤くするモモ。仲間達はニヤニヤとその光景を見ていた。