飲みに行こう(大人のお店) 2

文字数 1,004文字

 他の勇者達との会話を終えて、アシノは「さて」っと言い部屋を見渡す。

「それじゃあ私とモモちゃんのお酒つよつよさんチームはたくさん飲みに行きましょう!!」

 名前を呼ばれてモモは驚く。

「え、私ですか?」

「何? モモちゃん嫌なの? 私じゃダメなの!?」

 ルーは潤んだ瞳でモモを見つめていた。

「い、いえ、そういうわけでは……」

「やっぱムツヤっちの方が良いってわけ!? 私は遊びだったのね!!」

 そんな調子で騒ぎ出してモモは思わずあたふたとする。

「そ、そういうわけではありませんルー殿!! っていうか遊びってなんですか!?」

「モモ、だからソイツの言うことはまともに取り合うな」

 見かねたアシノがため息交じりに言う。

「やー!!」

 子供のように駄々こねるルーに、モモは言った。

「わかりました、ルー殿。お付き合いします」

「やったー!!! アシノはお酒よわよわさんチームだからどっかで飲んでてね」

「聞き捨てならんな……。いつ出発する? 私も同行する」

 アシノの言葉にルーは思い切りバカにした顔をする。

「お酒弱いのに無理して大丈夫でちゅかー?」

「うるせぇ!!」

 アシノがルーの頭をひっぱたくと「ぶべらっ」と言って縮こまった。

「私は留守番している」

「んー、ヨーリィちゃん連れて行きたい所なんだけど……。この街、夜に子供が歩いていると衛兵がうるさいから……。ごめんね!!!」

「気にしないで」

「お土産いっぱい買ってくるからねー!!!」

 そう言ってルーはヨーリィを抱きしめた。無表情のままグラグラと揺られている。

 モモとルー、アシノは夜の街へ消えていき、残ったムツヤとユモトはどうしようかと考えていた。

「僕達もせっかく街に来たんですし、どこか観光でもしましょうよ!」

 ユモトが珍しく積極的に誘ってきたので、ムツヤも乗り気になる。

「そうでずね!! ヨーリィ行ってくるね」

「いってらっしゃい」

 こうして2人は街を観光することにした。夜だと言うのに人がたくさん歩いていて活気がある。

 しばらく歩くとユモトがムツヤに話しかけた。

「何だか人が多くて疲れちゃいますねー」

「そうですね、人が少ない所にでも行きましょうか」

 そうして2人は路地裏に入る。抜けた先も明るかったが、何だか雰囲気が違う感じがした。なんと言うか、照明がピンク色だらけだ。

「おにいさーん、お店どうですかー?」

 突然声を掛けられてムツヤはビクッとした。振り返ると正装をした男がいた。
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登場人物紹介

名前:ムツヤ・バックカントリー


 裏ダンジョンを遊び場にする主人公、ちょっと頭が残念。

名前:モモ


 オークの女の子

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