リースと共に 5
文字数 1,375文字
ムツヤは荷車も本から召喚し、そこには立派な荷馬車が出来た。
「何かこう、ポンポン召喚されると召喚術師の自信を失いそうね……」
複雑な気持ちになりながらもルーは馬を撫でてみる。
「良い馬ですね、それに本当に本物みたいです」
モモは感心して言った。
「すげぇ、こんなごどができるなんて!」
裏の道具の真価を初めて見たリースは少し興奮気味だ。
その後、荷馬車は馬の扱いをしたことがあるモモが運転することになった。
荷馬車の中でムツヤ達は座ってくつろいでいた。アシノは目をつぶって寝ており、ユモトもコクリコクリと眠そうにしている。
ムツヤとヨーリィは手を繋いで外の景色を眺め、ルーはモモの隣に座って馬の観察をしていた。
その時リースは思う。「あれ、逃げようと思えば逃げられるんでねぇか?」と。
今も亜人が憎くないかと言われたらそうは思えない。キエーウには裏切られて戻ることは出来ないが、どこかへ逃げることならできる。
「リース、馬車に酔ってはいないか?」
大きめの声でモモが言うと考えを悟られたのではと、ビクッとしてリースは答えた。
「あー、あぁー、だいじょーぶだー!」
「そうかー、何かあったらいつでも言うんだぞー」
「随分モモちゃんあの子を気にかけているわね」
モモの隣に座るルーが言うと「えぇ、まぁ」と短い返事をした。
馬車に乗ってすっかり日も落ちてきた。途中魔物の群れに襲われもしたが、ムツヤが馬車に乗ったまま石ころをぶつけて壊滅させた。
「よし、ここをキャンプ地とするわよ!!」
ルーが言うと皆で野営の準備に取り掛かかる。馬車に乗っていただけあり、体力は有り余っていた。
「アシノ、起きなさいアシノ!!」
アシノはほとんど馬車を寝て過ごしていた。ルーにペチペチ頬を叩かれてやっと起きる。
「なんだ、もう着いたのか?」
「違うわよ!! キャンプの準備!!」
ふわあっとあくびを1つしてアシノは周りを見渡した。夕焼け空がだだっ広い森を照らして不気味だけど綺麗だなと思う。
周りに人の気配は無いので今日は便利な魔導書から家をポンと取り出してあっという間に設営は完了だ。
それを見てリースは目を丸くしていた。
ユモトは鼻歌交じりに料理を作る。ムツヤはユモトから馬車で教わった魔物避けの結界を試しに行った。
「えーっと、こうしてこうして……」
次の瞬間森の中がざわめき出し、魔物が次々に奇声を上げながら逃げていった。
「あのアホ…… また何か騒ぎを起こしやがったか!?」
アシノはワインボトルを構え、モモとヨーリィも武器を構える。リースはえ? え? とオロオロしていた。
「あー、多分ですけど、魔物避けの結界のせいだと思います」
ユモトが言うとアシノは「あー」と言って納得する。
「で、でもごれっでおがしいでねーか!?」
「えーっと、魔物避けの結界って魔力を使って魔物で言うマーキングを行うんです。魔力が強ければ強いほどより強い魔物、より広い範囲に効くので……」
「ムツヤ殿の魔力ならありえるな……」
そして、騒動を起こした張本人が帰って来た。
「あれ、皆さんどうじたんですか?」
「どうしたんですかじゃねぇ!! お前は手加減とか限度ってモンを覚えろ!!」
「え、あ、す、ずみまぜん!」
思わずリースは笑ってしまう。ムツヤは今までの人生観がひっくり返るほど、とんでもない人間だ。もう笑うしか無い。
「何かこう、ポンポン召喚されると召喚術師の自信を失いそうね……」
複雑な気持ちになりながらもルーは馬を撫でてみる。
「良い馬ですね、それに本当に本物みたいです」
モモは感心して言った。
「すげぇ、こんなごどができるなんて!」
裏の道具の真価を初めて見たリースは少し興奮気味だ。
その後、荷馬車は馬の扱いをしたことがあるモモが運転することになった。
荷馬車の中でムツヤ達は座ってくつろいでいた。アシノは目をつぶって寝ており、ユモトもコクリコクリと眠そうにしている。
ムツヤとヨーリィは手を繋いで外の景色を眺め、ルーはモモの隣に座って馬の観察をしていた。
その時リースは思う。「あれ、逃げようと思えば逃げられるんでねぇか?」と。
今も亜人が憎くないかと言われたらそうは思えない。キエーウには裏切られて戻ることは出来ないが、どこかへ逃げることならできる。
「リース、馬車に酔ってはいないか?」
大きめの声でモモが言うと考えを悟られたのではと、ビクッとしてリースは答えた。
「あー、あぁー、だいじょーぶだー!」
「そうかー、何かあったらいつでも言うんだぞー」
「随分モモちゃんあの子を気にかけているわね」
モモの隣に座るルーが言うと「えぇ、まぁ」と短い返事をした。
馬車に乗ってすっかり日も落ちてきた。途中魔物の群れに襲われもしたが、ムツヤが馬車に乗ったまま石ころをぶつけて壊滅させた。
「よし、ここをキャンプ地とするわよ!!」
ルーが言うと皆で野営の準備に取り掛かかる。馬車に乗っていただけあり、体力は有り余っていた。
「アシノ、起きなさいアシノ!!」
アシノはほとんど馬車を寝て過ごしていた。ルーにペチペチ頬を叩かれてやっと起きる。
「なんだ、もう着いたのか?」
「違うわよ!! キャンプの準備!!」
ふわあっとあくびを1つしてアシノは周りを見渡した。夕焼け空がだだっ広い森を照らして不気味だけど綺麗だなと思う。
周りに人の気配は無いので今日は便利な魔導書から家をポンと取り出してあっという間に設営は完了だ。
それを見てリースは目を丸くしていた。
ユモトは鼻歌交じりに料理を作る。ムツヤはユモトから馬車で教わった魔物避けの結界を試しに行った。
「えーっと、こうしてこうして……」
次の瞬間森の中がざわめき出し、魔物が次々に奇声を上げながら逃げていった。
「あのアホ…… また何か騒ぎを起こしやがったか!?」
アシノはワインボトルを構え、モモとヨーリィも武器を構える。リースはえ? え? とオロオロしていた。
「あー、多分ですけど、魔物避けの結界のせいだと思います」
ユモトが言うとアシノは「あー」と言って納得する。
「で、でもごれっでおがしいでねーか!?」
「えーっと、魔物避けの結界って魔力を使って魔物で言うマーキングを行うんです。魔力が強ければ強いほどより強い魔物、より広い範囲に効くので……」
「ムツヤ殿の魔力ならありえるな……」
そして、騒動を起こした張本人が帰って来た。
「あれ、皆さんどうじたんですか?」
「どうしたんですかじゃねぇ!! お前は手加減とか限度ってモンを覚えろ!!」
「え、あ、す、ずみまぜん!」
思わずリースは笑ってしまう。ムツヤは今までの人生観がひっくり返るほど、とんでもない人間だ。もう笑うしか無い。