レッツゴー拷問師 3
文字数 1,343文字
「それで、どうしてエルフの村を襲った? やっぱり私達のカバンが目当てか?」
「言えねえだ!」
リースは意外と根性があり、そっぽを向いて答えた。だが、次の瞬間『ドンッ』と大きな音がなる。
アシノがワインボトルを机に叩きつけてきたのだ。そして懐から砂時計を取り出す。
「おい、この砂時計が終わる前に答えな。できない場合お前の目をどちらか貰う」
そう言って立ち上がり、ナイフとシャープナーを両手にそれぞれ持ちシャッシャッと刃を研ぎ始めた。
リースは青い顔をしてそれを見ている。
だいたいの小悪党はこれだけで、良い兵士が登場するまでもなく吐き出すのだが、中々にこの娘は胆が座っている。
(だめそうだな)
アシノは砂が尽きそうな砂時計を見て片手で連絡石を震わせる。
するとルーがバタリと大げさに扉を開けた。
「アシノ!! いくらなんでもやり過ぎよ!!」
「どうせ処刑されるテロリスト相手だ、構わないだろ」
「それを裁くのは裁判所の仕事でしょ!? あなたじゃないわ!! それに……」
ルーは聞き取りやすいように、一旦言葉を止める。
「自白して捜査に協力すれば刑は軽くなるわ!」
「あーもー、そこまで言うならお前が話してみろ」
悪い勇者はここで一時退場だ。代わりに笑顔満点のルーがリースの正面に座る。
良い召喚術師のお手並み拝見といこうじゃないかとアシノは外へ出て行った。
「ごめんね、リースちゃん。アシノってやり過ぎな所あるから……」
無言だが、リースは明らかに安堵した顔になっている。優しげな表情を作りルーは語りかける。
「まず挨拶をしましょうか、私はルーって言うの。よろしくね」
まだリースは口を閉ざしたままだ。それでも構わずルーは話し続けた。
「ねぇ、何であなたはキエーウに入ったの?」
数秒沈黙があった後に小声で話し始める。
「わたすのお父ちゃんとお母ちゃんは行商人をやっていただ」
声を震わせて少し涙をこらえていた。ルーはリースの少しの表情の変化も見逃すまいとジッと見て聞いている。
「んだけども、オーグにごろされたんだ。金と荷物を奪うためだけに!! 私のお父ちゃんとお母ちゃんを奪ったんだ!!」
感情が高ぶったのか涙が出ていた。うんうんとルーは話を聞く。
「お前にこの気持がわがっか!?」
「ごめん、わからないんだ」
ルーが言うと、次に来る言葉を裏切られた気がしてリースは頭の中が一瞬白くなった。
「私、孤児だから。お父さんもお母さんも知らないんだ」
「……そっか」
「ごめんね、ちょっと気まずい雰囲気にしちゃって。でも私も同じ状況だったらきっと…… キエーウに入ってしまったかもしれない」
意外な返事にリースは顔を上げる。
「でもね、悪いのはそのオークでしょう? 他のオークを憎んでしまう気持ちも分かるけど、無差別に殺していい理由にはならないと思うわ」
リースはまた黙り込んでしまう。するとルーはポケットから皿とクッキーを取り出して机の上に置いた。
何事かと見ているリースの拘束を腕だけ解くと更に驚きの表情をする。
「良かったら食べて」
ルーはフフッと笑顔を作りまた対面に座る。そしてクッキーを1枚食べた。
「毒なんか入ってないわ、食べましょう?」
リースはクッキーを手に取り、一口食べる。
「どうかしら、私の手作りクッキーは」
「言えねえだ!」
リースは意外と根性があり、そっぽを向いて答えた。だが、次の瞬間『ドンッ』と大きな音がなる。
アシノがワインボトルを机に叩きつけてきたのだ。そして懐から砂時計を取り出す。
「おい、この砂時計が終わる前に答えな。できない場合お前の目をどちらか貰う」
そう言って立ち上がり、ナイフとシャープナーを両手にそれぞれ持ちシャッシャッと刃を研ぎ始めた。
リースは青い顔をしてそれを見ている。
だいたいの小悪党はこれだけで、良い兵士が登場するまでもなく吐き出すのだが、中々にこの娘は胆が座っている。
(だめそうだな)
アシノは砂が尽きそうな砂時計を見て片手で連絡石を震わせる。
するとルーがバタリと大げさに扉を開けた。
「アシノ!! いくらなんでもやり過ぎよ!!」
「どうせ処刑されるテロリスト相手だ、構わないだろ」
「それを裁くのは裁判所の仕事でしょ!? あなたじゃないわ!! それに……」
ルーは聞き取りやすいように、一旦言葉を止める。
「自白して捜査に協力すれば刑は軽くなるわ!」
「あーもー、そこまで言うならお前が話してみろ」
悪い勇者はここで一時退場だ。代わりに笑顔満点のルーがリースの正面に座る。
良い召喚術師のお手並み拝見といこうじゃないかとアシノは外へ出て行った。
「ごめんね、リースちゃん。アシノってやり過ぎな所あるから……」
無言だが、リースは明らかに安堵した顔になっている。優しげな表情を作りルーは語りかける。
「まず挨拶をしましょうか、私はルーって言うの。よろしくね」
まだリースは口を閉ざしたままだ。それでも構わずルーは話し続けた。
「ねぇ、何であなたはキエーウに入ったの?」
数秒沈黙があった後に小声で話し始める。
「わたすのお父ちゃんとお母ちゃんは行商人をやっていただ」
声を震わせて少し涙をこらえていた。ルーはリースの少しの表情の変化も見逃すまいとジッと見て聞いている。
「んだけども、オーグにごろされたんだ。金と荷物を奪うためだけに!! 私のお父ちゃんとお母ちゃんを奪ったんだ!!」
感情が高ぶったのか涙が出ていた。うんうんとルーは話を聞く。
「お前にこの気持がわがっか!?」
「ごめん、わからないんだ」
ルーが言うと、次に来る言葉を裏切られた気がしてリースは頭の中が一瞬白くなった。
「私、孤児だから。お父さんもお母さんも知らないんだ」
「……そっか」
「ごめんね、ちょっと気まずい雰囲気にしちゃって。でも私も同じ状況だったらきっと…… キエーウに入ってしまったかもしれない」
意外な返事にリースは顔を上げる。
「でもね、悪いのはそのオークでしょう? 他のオークを憎んでしまう気持ちも分かるけど、無差別に殺していい理由にはならないと思うわ」
リースはまた黙り込んでしまう。するとルーはポケットから皿とクッキーを取り出して机の上に置いた。
何事かと見ているリースの拘束を腕だけ解くと更に驚きの表情をする。
「良かったら食べて」
ルーはフフッと笑顔を作りまた対面に座る。そしてクッキーを1枚食べた。
「毒なんか入ってないわ、食べましょう?」
リースはクッキーを手に取り、一口食べる。
「どうかしら、私の手作りクッキーは」