決闘するなよ、俺以外のヤツと 7
文字数 1,220文字
「って、飯食いに来たんじゃないんだぞ!」
「あれー? ケバブ食べながら言っても全然説得力無いんですけど?」
ルーに指摘されアシノは少し赤面する。
「いや、お前が買ってくるのが悪い!」
「何よその言い方! じゃあ分かった返しなさいよ! 吐き出しなさいよ!」
「あーもーうるさい黙っとれ!」
アシノとルーは緊張感無くぎゃあぎゃあと騒いでいた。その間にファンファーレがまた鳴る。試合の決着がついたようだ。
「とにかくだ、ムツヤ。お前はあんな感じで、初心者っぽく戦え。初心者の動きをよく見ておくんだ」
「はい、わがりまじだ!!」
ムツヤは真剣に試合を見ていた。こういう素直な所は扱いやすくて良いとアシノは思う。
「ところでさー、決闘の場合お互い勝った時の報酬を賭けるわけじゃん?」
ルーは思い出したように言う。
「まぁ、そうだな」
アシノはそっけなく答えたが、その場にいるムツヤ以外の全員が気付く。
「あれ、ムツヤさんとタノベさんって何を賭けて戦うんでしたっけ?」
嫌な予感がしながらユモトが言った。モモは気の毒そうな顔でユモトを見る。
「詳しくは聞いていないが、おそらくは……」
「え、えっ」
ユモトは青ざめた、何となく察してしまったからだ。
「あれ、もう来てたんですか? 皆さん」
後ろから声をかけられてムツヤ達は振り返ると、そこにはムツヤに決闘を申し込んだ張本人であるタノベが居た。
「ちょうど良かった。決闘で賭けるものを忘れていましたので」
タノベは一歩前に出てすぅっと息を吸って一気に話した。
「ユモトさん! もし俺が勝ったら、明日1日デートして下さい!」
ユモトは何のことか一瞬分かりたくなく、ポカンとしていたが徐々に顔が赤くなっていった。
「で、デートって! だから僕は」
ルーは何かを言いかけたユモトの口を塞いでタノベと話す。
「ちょっーとユモトちゃんと相談させてもらって良いかしら?」
「わかりました」
ムツヤ達はタノベから離れていったん闘技場を出てひと目のつかない所へ来た。
「ど、どうしよう…… あの人本当に勘違いしてる」
ユモトは両手で顔を覆って言う、ルーとアシノは目で会話をし、ユモトに語りかけた。
「思うんだけどさー、これムツヤっちが負けてユモトちゃんが1日デートしてあげれば全てが丸く収まる気がするんだけど」
「そんなぁ!」
ユモトは当然、抗議しようとする。ムツヤもルーの意見には反対だった。
「ユモトさんに迷惑は掛けられません、やっぱり俺が戦って勝つしか」
そこまで言いかけた時に「まぁ待て」とアシノも説得を始めた。
「相手は決闘を申し込むぐらいだから多分そこそこ腕に自信があるみたいだ。体格を見ても強そうなのはわかる。そんな奴を無名のムツヤが倒しちまったら目立っちまうだろ?」
「で、ですが……」
ユモトは半分泣きそうになっていた。モモは見ていられなくて視線をそらした。
「ムツヤっちが負けて、ユモトちゃんがデートして、こっぴどく振る。これでオールオッケーよ!」
「あれー? ケバブ食べながら言っても全然説得力無いんですけど?」
ルーに指摘されアシノは少し赤面する。
「いや、お前が買ってくるのが悪い!」
「何よその言い方! じゃあ分かった返しなさいよ! 吐き出しなさいよ!」
「あーもーうるさい黙っとれ!」
アシノとルーは緊張感無くぎゃあぎゃあと騒いでいた。その間にファンファーレがまた鳴る。試合の決着がついたようだ。
「とにかくだ、ムツヤ。お前はあんな感じで、初心者っぽく戦え。初心者の動きをよく見ておくんだ」
「はい、わがりまじだ!!」
ムツヤは真剣に試合を見ていた。こういう素直な所は扱いやすくて良いとアシノは思う。
「ところでさー、決闘の場合お互い勝った時の報酬を賭けるわけじゃん?」
ルーは思い出したように言う。
「まぁ、そうだな」
アシノはそっけなく答えたが、その場にいるムツヤ以外の全員が気付く。
「あれ、ムツヤさんとタノベさんって何を賭けて戦うんでしたっけ?」
嫌な予感がしながらユモトが言った。モモは気の毒そうな顔でユモトを見る。
「詳しくは聞いていないが、おそらくは……」
「え、えっ」
ユモトは青ざめた、何となく察してしまったからだ。
「あれ、もう来てたんですか? 皆さん」
後ろから声をかけられてムツヤ達は振り返ると、そこにはムツヤに決闘を申し込んだ張本人であるタノベが居た。
「ちょうど良かった。決闘で賭けるものを忘れていましたので」
タノベは一歩前に出てすぅっと息を吸って一気に話した。
「ユモトさん! もし俺が勝ったら、明日1日デートして下さい!」
ユモトは何のことか一瞬分かりたくなく、ポカンとしていたが徐々に顔が赤くなっていった。
「で、デートって! だから僕は」
ルーは何かを言いかけたユモトの口を塞いでタノベと話す。
「ちょっーとユモトちゃんと相談させてもらって良いかしら?」
「わかりました」
ムツヤ達はタノベから離れていったん闘技場を出てひと目のつかない所へ来た。
「ど、どうしよう…… あの人本当に勘違いしてる」
ユモトは両手で顔を覆って言う、ルーとアシノは目で会話をし、ユモトに語りかけた。
「思うんだけどさー、これムツヤっちが負けてユモトちゃんが1日デートしてあげれば全てが丸く収まる気がするんだけど」
「そんなぁ!」
ユモトは当然、抗議しようとする。ムツヤもルーの意見には反対だった。
「ユモトさんに迷惑は掛けられません、やっぱり俺が戦って勝つしか」
そこまで言いかけた時に「まぁ待て」とアシノも説得を始めた。
「相手は決闘を申し込むぐらいだから多分そこそこ腕に自信があるみたいだ。体格を見ても強そうなのはわかる。そんな奴を無名のムツヤが倒しちまったら目立っちまうだろ?」
「で、ですが……」
ユモトは半分泣きそうになっていた。モモは見ていられなくて視線をそらした。
「ムツヤっちが負けて、ユモトちゃんがデートして、こっぴどく振る。これでオールオッケーよ!」