覚醒する少女 4
文字数 1,130文字
「作戦つっても、邪神様が言った通りだな。ムツヤにはまた『青い鎧の冒険者』になってもらい、回復薬を持ってミシロと戦ってもらう」
「はい!わがりまじだ!」
元気よく返事するムツヤ。それを見てアシノは頷く。
「でもさーアシノ、これってミシロって子や黎明の呼び手の罠なんじゃないの? 陽動させて他の街を襲ったり、既に街の人を人質に取っててカバンを寄越せって言ったり」
ルーの意見は最もだった。それに対してアシノは答える。
「なんて言うか、それは無いと思う。これは私の感だが、ミシロはムツヤを殺すことじゃなくて、自分でムツヤに勝つことに固執している気がするんだ」
「ふーん。まぁ、信仰していた魔人ラメルの仇だもんね」
ルーは納得したのかしていないのか、そんな事を言った。アシノはルーの態度には触れないで杖を手に持って言う。
「それで、私達はこの杖とやらを持って街を包囲してぶっ刺す。邪神様は一斉に刺すって言ってたな。だから、手分けしてって感じだな」
「ヨーリィちゃん以外が一人一本で、街を囲むのね」
ルーが神妙な顔をして話すと、アシノは続けた。
「そうだな。ムツヤの戦闘が始まると同時にこっそりとやる」
「オッケー任せて!」
ウィンクをしながらルーは返事をする。
「僕も、頑張ります!」
「私も、出来る限りの事をします」
「あぁ、頼んだぞ。私は他の勇者達にこの件を伝える。悪いが、明日のいつ魔人の襲撃があるか分からない。話が終わったら出発するぞ」
それを聞いてルーはため息を付いた。
「出発って、今は夜だし、夜行性の私も流石に寝ようと思っていたのに……。雪の降る中、野宿かしら」
勇者への情報の共有が終わる。イタヤと元勇者トチノハは急いでこちらまで向かうと言ってくれた。
アシノは考えたくなかったが、万が一の事があった場合心強い。
「うー、冷える冷える……」
ムツヤ達は厚着をして馬車に乗り、運転席のモモ以外は毛布を身にまとい縮こまっていた。
「さ、寒いですね」
ユモトも凍えながらそう言葉を返す。
「モモさん、いつでも交代しますんで!」
ムツヤが声をかけると、モモは「ありがとうございます」と返事をした。
まぁ、言葉ではそう言ったが、不測の事態や、それが無くても明日戦うムツヤ殿には体力を温存しておいてもらおうと、目的地まで自分で運転するつもりだ。
「やー、もう駄目ムツヤっち温めて!!」
ルーは隣りにいたムツヤを毛布の中に誘拐した。
「あ、ムツヤっちあったかーい!」
ムツヤはルーの柔らかい感触を体中で感じ、何故か香るいい匂いにデレデレとした顔になっていった。
「ルーさんもあったかいです!!」
「ムツヤ殿、ちょっと交代して頂けませんか?」
モモが真顔でそう言うと、ムツヤが「わがりまじだ!」と返事する。
「はい!わがりまじだ!」
元気よく返事するムツヤ。それを見てアシノは頷く。
「でもさーアシノ、これってミシロって子や黎明の呼び手の罠なんじゃないの? 陽動させて他の街を襲ったり、既に街の人を人質に取っててカバンを寄越せって言ったり」
ルーの意見は最もだった。それに対してアシノは答える。
「なんて言うか、それは無いと思う。これは私の感だが、ミシロはムツヤを殺すことじゃなくて、自分でムツヤに勝つことに固執している気がするんだ」
「ふーん。まぁ、信仰していた魔人ラメルの仇だもんね」
ルーは納得したのかしていないのか、そんな事を言った。アシノはルーの態度には触れないで杖を手に持って言う。
「それで、私達はこの杖とやらを持って街を包囲してぶっ刺す。邪神様は一斉に刺すって言ってたな。だから、手分けしてって感じだな」
「ヨーリィちゃん以外が一人一本で、街を囲むのね」
ルーが神妙な顔をして話すと、アシノは続けた。
「そうだな。ムツヤの戦闘が始まると同時にこっそりとやる」
「オッケー任せて!」
ウィンクをしながらルーは返事をする。
「僕も、頑張ります!」
「私も、出来る限りの事をします」
「あぁ、頼んだぞ。私は他の勇者達にこの件を伝える。悪いが、明日のいつ魔人の襲撃があるか分からない。話が終わったら出発するぞ」
それを聞いてルーはため息を付いた。
「出発って、今は夜だし、夜行性の私も流石に寝ようと思っていたのに……。雪の降る中、野宿かしら」
勇者への情報の共有が終わる。イタヤと元勇者トチノハは急いでこちらまで向かうと言ってくれた。
アシノは考えたくなかったが、万が一の事があった場合心強い。
「うー、冷える冷える……」
ムツヤ達は厚着をして馬車に乗り、運転席のモモ以外は毛布を身にまとい縮こまっていた。
「さ、寒いですね」
ユモトも凍えながらそう言葉を返す。
「モモさん、いつでも交代しますんで!」
ムツヤが声をかけると、モモは「ありがとうございます」と返事をした。
まぁ、言葉ではそう言ったが、不測の事態や、それが無くても明日戦うムツヤ殿には体力を温存しておいてもらおうと、目的地まで自分で運転するつもりだ。
「やー、もう駄目ムツヤっち温めて!!」
ルーは隣りにいたムツヤを毛布の中に誘拐した。
「あ、ムツヤっちあったかーい!」
ムツヤはルーの柔らかい感触を体中で感じ、何故か香るいい匂いにデレデレとした顔になっていった。
「ルーさんもあったかいです!!」
「ムツヤ殿、ちょっと交代して頂けませんか?」
モモが真顔でそう言うと、ムツヤが「わがりまじだ!」と返事する。