魔人 3
文字数 1,039文字
会話が終わり、気まずい沈黙が流れる。それを破ったのはユモトだった。
「あ、あのー。他の勇者の方ってどんな方達なんでしょう?」
「そうだな……」
宙を見上げてアシノは答える。
「この国に現役の勇者は、私以外に3人居るんだが……」
「3人も居るんですか」
モモが言うとアシノは頷いて続けた。
「そうだ、1人は私の後輩みたいな奴で、マシっちゃマシだな。コイツは私の狙っていた魔人を最終的に倒したし、実力もある」
「なるほど……」
ユモトも病気でふせっていた為にあまり世間のことは詳しくない。
「もう1人は正義感の強い人だ」
「それは心強いですね」
「そして、1番問題なのはもう1人だ。コイツは勇者だが、目的のためなら手段を選ばない」
「何故そんな人が勇者になっているんですか?」
ユモトが疑問をぶつける。
「結果だけは出すんだよ。そりゃまぁ、この国の王には気に入られるだろうな」
「そういう事ですか……」
他の勇者達の事を聞いたムツヤ達だったが、正直不安しか残らなかった。
部屋にノックの音が響くと、アシノが頷いてムツヤは音の妨害魔法を解除する。
「どうぞ」
「失礼します!」
扉が開くと衛兵が3人立っていた。
「近衛兵長が勇者アシノ様とお仲間の皆様に魔人についてお話を聞きたいとの事ですので、恐れ入りますがご同行を願えませんでしょうか」
「わかりました」
どうせ部屋に居ても暇だしなとアシノは返事をする。
「はっ、ではご案内いたします」
衛兵に連れられて城の中を歩く。すれ違う兵士は皆慌ただしく走っていた。
「カミト様!! アシノ様をお連れいたしました!!」
大声で衛兵が叫ぶと扉が開く。その奥には先程王の近くに居た大剣を持つ男と、魔人ギュウドーに魔法攻撃を仕掛けた魔法使いの女が居た。
「アシノ様、お呼び立てしてしまい申し訳無い」
大剣を持つ男はその無骨な見た目に似合わず、礼儀正しく立ち上がって深々と頭を下げた。
「お久しぶりです、近衛兵長カミト殿」
どうやらカミトとはこの男の名前らしい。アシノと一緒にムツヤ達も頭を下げる。
「皆様お初にお目にかかります。私は近衛兵長のカミトと申します。こちらはイズミです」
イズミと呼ばれた魔法使いは頭を下げた。
「どうぞおかけください」
アシノ達は上座へと案内され、カミト達と対面する形で座る。
「さて、無礼ですが率直にお聞かせ願えませんか、あの魔人の事を」
「私達も話せることは少ないと思いますが、わかりました」
そうしてアシノ達はイタガの街であったことを思い出しながら話し始めた。
「あ、あのー。他の勇者の方ってどんな方達なんでしょう?」
「そうだな……」
宙を見上げてアシノは答える。
「この国に現役の勇者は、私以外に3人居るんだが……」
「3人も居るんですか」
モモが言うとアシノは頷いて続けた。
「そうだ、1人は私の後輩みたいな奴で、マシっちゃマシだな。コイツは私の狙っていた魔人を最終的に倒したし、実力もある」
「なるほど……」
ユモトも病気でふせっていた為にあまり世間のことは詳しくない。
「もう1人は正義感の強い人だ」
「それは心強いですね」
「そして、1番問題なのはもう1人だ。コイツは勇者だが、目的のためなら手段を選ばない」
「何故そんな人が勇者になっているんですか?」
ユモトが疑問をぶつける。
「結果だけは出すんだよ。そりゃまぁ、この国の王には気に入られるだろうな」
「そういう事ですか……」
他の勇者達の事を聞いたムツヤ達だったが、正直不安しか残らなかった。
部屋にノックの音が響くと、アシノが頷いてムツヤは音の妨害魔法を解除する。
「どうぞ」
「失礼します!」
扉が開くと衛兵が3人立っていた。
「近衛兵長が勇者アシノ様とお仲間の皆様に魔人についてお話を聞きたいとの事ですので、恐れ入りますがご同行を願えませんでしょうか」
「わかりました」
どうせ部屋に居ても暇だしなとアシノは返事をする。
「はっ、ではご案内いたします」
衛兵に連れられて城の中を歩く。すれ違う兵士は皆慌ただしく走っていた。
「カミト様!! アシノ様をお連れいたしました!!」
大声で衛兵が叫ぶと扉が開く。その奥には先程王の近くに居た大剣を持つ男と、魔人ギュウドーに魔法攻撃を仕掛けた魔法使いの女が居た。
「アシノ様、お呼び立てしてしまい申し訳無い」
大剣を持つ男はその無骨な見た目に似合わず、礼儀正しく立ち上がって深々と頭を下げた。
「お久しぶりです、近衛兵長カミト殿」
どうやらカミトとはこの男の名前らしい。アシノと一緒にムツヤ達も頭を下げる。
「皆様お初にお目にかかります。私は近衛兵長のカミトと申します。こちらはイズミです」
イズミと呼ばれた魔法使いは頭を下げた。
「どうぞおかけください」
アシノ達は上座へと案内され、カミト達と対面する形で座る。
「さて、無礼ですが率直にお聞かせ願えませんか、あの魔人の事を」
「私達も話せることは少ないと思いますが、わかりました」
そうしてアシノ達はイタガの街であったことを思い出しながら話し始めた。