黎明の呼び手 4

文字数 886文字

「あの炎は!!」

 アシノ達はムツヤが戦っている所までやって来る。ルーはムツヤの言葉から何かを考えていた。

「何度倒しても向かってくる……、まさか」

 馬車を止めて皆は降りる。そこで目の前に広がる軍勢と対峙した。

 その軍勢のリーダーらしき男は言う。

「増援か、無駄な事を」

 軍勢を向かわせ、アシノ達は武器を構えた。

 ルーの精霊が一人の人間を倒した瞬間、疑念は確信へと変わる。

「やっぱり、これは死霊術よ!!」

「何っ!?」

 アシノはルーの言葉に驚く。禁じられてはいたが、そもそもが幻の術が死霊術だ。

 死んだ人間を意のままに操ることが出来る。

「これだけの人を……、墓荒らしかしら?」

「ふん、そんな事はしていない」

 男はニヤリと笑って叫んだ。

「全員、村を回って殺してやったのさ。その方が手っ取り早い!!」

 それを聞いてムツヤ達は言葉を失った。最初にユモトが思わず口にした。

「な、なんてことを!!」

「俺はなぁ、村に恨みがあったんだよ」

 唐突に男は死霊を操りながら自分語りを始める。

「俺の家族は謎の病気にかかってよォー!! 伝染るんじゃないかって村八分にされてな」

「食料はおろか、井戸の水さえも汲めなかった。家族はみんな死んだよ!!」

 そう言った後にムツヤめがけて死霊を特攻させた。

「だからって、だからって村の人を殺したお前は許せない!!」

 ムツヤは剣を引き抜いて一人ひとり斬り捨てていく。炎に包まれると、さすがの死霊も炭と化した。

「この人達はもう死んでいるわ。悲しいけど全力で戦うわよ!!」

 ルーは精霊を召喚しながら言う。ユモトも炎の魔法で死霊を燃やし、モモとヨーリィは細かく刻むように死霊を斬った。

「中々やるな、流石勇者パーティか」

 男は少し焦っていたが、こちらには切り札がある。ラメル様の武具を持った死霊だ。

「とっておきを使うぜ!!」

 槍を持つ死霊、斧を持つ死霊がムツヤの元へと走っていった。

 素早く連撃をする槍、荒々しく振り下ろされる斧。だが、ムツヤには効かない。それらを避けて反撃を食らわせた。

「くそっ、どうする……」

「だいじょーぶ?」

 そんな時上空から声がした。男は空を見上げる。
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登場人物紹介

名前:ムツヤ・バックカントリー


 裏ダンジョンを遊び場にする主人公、ちょっと頭が残念。

名前:モモ


 オークの女の子

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