生と死と 1
文字数 918文字
「最近、失踪事件や不審死が増えているみたいですよ先輩」
勇者達の定例会議でサツキが言った。
「失踪か」
人の失踪はそれほど珍しいことでは無かったが。
「その数、報告があるだけでも従来の十四倍らしいです」
イタヤは顔をしかめ、言う。
「それは……、妙だな」
元勇者のトチノハも何かを考えるようにしていた。
「えぇ、そう思います……。それと関係があるかは分かりませんし、あくまで噂ですが、村や町を歩く美しい占い師がいるそうです」
「占い師ですか」
「えぇ、その占い師が数日街に居た後、人が消えたとか消えないとか」
「その噂、本当であれば怪しいですね……」
うーんと言った後にイタヤが話す。
「俺も情報を集めてみます」
「私も、調べてみましょうかね」
トチノハもそれに便乗する形で調査を始めるらしい。
「それでは、私達も裏の道具を回収しつつ、その占い師を探してみますか」
会議は終わり、アシノ達は眠りについた。
そんな事があってから各地を回ったムツヤ達は失踪した人間が居るという村に辿り着くことができた。
「では、この村で失踪事件が起きたと言うわけですね」
アシノが隣人に尋ねると「えぇ」と返事が返ってきた。
「美人な占い師のねーちゃんが来て、毎日のように通っててよ、金も何も無くなって居なくなったから、村では駆け落ちでもしたんじゃないかって噂ですがね」
「そうですか。その失踪された方はどういったな人でしたか?」
「どうって言われても……。あー、頭は良い方でしたが、良すぎたみたいで色々と考え込んじまう性格でしたね。時々元気が無くなって塞ぎ込むっていうか」
「なるほど、お話ありがとうございました」
アシノが話をしている間、ルーはこの辺りの名物である串に刺したじゃがいもへソースを掛けた食べ物を買食いしていた。
「アシノ、情報はってあっち!! ハフハフ……、りょーほーはほーひたの?」
「食いながら喋るな」
「みんなの分も買ってきたわよ!! アシノじゃがいも好きでしょ?」
じゃがいもを食べ終え、アシノは話す。
「そうだな、占い師の女は怪しいと思う。もっと付近の村や街でも聞き込みをしてみよう」
「そうですね」
モモが言うとユモトも頷いた。ヨーリィは無言でじゃがいもを食べている。
勇者達の定例会議でサツキが言った。
「失踪か」
人の失踪はそれほど珍しいことでは無かったが。
「その数、報告があるだけでも従来の十四倍らしいです」
イタヤは顔をしかめ、言う。
「それは……、妙だな」
元勇者のトチノハも何かを考えるようにしていた。
「えぇ、そう思います……。それと関係があるかは分かりませんし、あくまで噂ですが、村や町を歩く美しい占い師がいるそうです」
「占い師ですか」
「えぇ、その占い師が数日街に居た後、人が消えたとか消えないとか」
「その噂、本当であれば怪しいですね……」
うーんと言った後にイタヤが話す。
「俺も情報を集めてみます」
「私も、調べてみましょうかね」
トチノハもそれに便乗する形で調査を始めるらしい。
「それでは、私達も裏の道具を回収しつつ、その占い師を探してみますか」
会議は終わり、アシノ達は眠りについた。
そんな事があってから各地を回ったムツヤ達は失踪した人間が居るという村に辿り着くことができた。
「では、この村で失踪事件が起きたと言うわけですね」
アシノが隣人に尋ねると「えぇ」と返事が返ってきた。
「美人な占い師のねーちゃんが来て、毎日のように通っててよ、金も何も無くなって居なくなったから、村では駆け落ちでもしたんじゃないかって噂ですがね」
「そうですか。その失踪された方はどういったな人でしたか?」
「どうって言われても……。あー、頭は良い方でしたが、良すぎたみたいで色々と考え込んじまう性格でしたね。時々元気が無くなって塞ぎ込むっていうか」
「なるほど、お話ありがとうございました」
アシノが話をしている間、ルーはこの辺りの名物である串に刺したじゃがいもへソースを掛けた食べ物を買食いしていた。
「アシノ、情報はってあっち!! ハフハフ……、りょーほーはほーひたの?」
「食いながら喋るな」
「みんなの分も買ってきたわよ!! アシノじゃがいも好きでしょ?」
じゃがいもを食べ終え、アシノは話す。
「そうだな、占い師の女は怪しいと思う。もっと付近の村や街でも聞き込みをしてみよう」
「そうですね」
モモが言うとユモトも頷いた。ヨーリィは無言でじゃがいもを食べている。