剣と盾 3

文字数 524文字

 ルーは精霊を向かわせた時のどさくさに紛れて、モモ達に素早く作戦を伝えた。

「皆、耐えて! もうすぐムツヤっちが来るわ!」

 探知盤を見ながらルーは仲間を鼓舞するが、敵にも聞かれてしまう。

「クソッ、面倒だな!」

「合流されたら勝ち目は無いでしょうね」

「お前よく他人事みたいに言えるな……」

 剣を持つ男は呆れながら言った。そして。

「せめて目の前のオークだけでも切っておきてぇな!」

 武器を構える。

 盾を持つ男も地面から盾を引き抜く。するとみるみる内に盾は小さくなった。

 二人は走り出した。元々の身体能力も高いらしく、魔法、精霊、ビンのフタを次々かわし、小さいままの盾で弾き、走る。

「死にやがれオーク!」

 モモはこの一瞬に賭けていた、そして男は裏の道具を過信して忘れていた。

 特殊な盾を持つのは自分達だけでは無いことを……。

 飛び出した男が、恐ろしい切れ味の剣でモモに斬りかかる。

 モモは盾を構えて剣を受け止めた。男にとってそれは不思議な感触だった、全力の力が弾かれるでもなく盾の上でピタリと止まる。

 体勢を立て直そうとしたが、モモが盾を斜め上に持ち上げると、前につんのめる感じで完全に体勢が崩れ、待っていたのはモモの剣だ。

 モモは鎧ごと男の胸を切り裂いた。
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登場人物紹介

名前:ムツヤ・バックカントリー


 裏ダンジョンを遊び場にする主人公、ちょっと頭が残念。

名前:モモ


 オークの女の子

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