邪神サズァン 3
文字数 1,061文字
アシノは急ぎ勇者達へ連絡石で会議の準備をさせた。
赤い石を叩きつけると、サツキ、イタヤ、トチノハが映し出される。
「アシノさん!! あれは、あの夢と建物は一体何なんだ!?」
開口一番にイタヤが言う。冷静にアシノは返した。
「あの夢の邪神は本物です。そして、あの建物は裏ダンジョンです」
元勇者のトチノハでさえ驚いて目を丸くする。
「先輩! それが本当だったら、七日後に世界を滅ぼすって……」
「あぁ。どんな手段か知らないが、本気だろう」
「そ、そんな……」
ショックで言葉を失うサツキ、トチノハはうーんと一瞬悩み言った。
「先に様子を見てきましょうか?」
「いえ、我々勇者もきっとすぐに招集されるでしょう。その後、塔の近くで合流をしましょう」
「わかりました」
アシノの言葉にトチノハは了承をする。
会議が終わり、ベッドに腰掛け下を向いているムツヤを仲間達は心配そうに眺めていた。
「サズァン様は、我々の味方をしてくれていたのに、何故この様な事を……」
モモがポツリと言う。
「さぁな、今まで味方のフリをしていただけかもしれん」
「サズァン様は!! サズァン様は……、そんな人じゃない……、と思います」
ムツヤは強く言ったが、最後の方は弱気な声になっていた。
「どちらにせよ、本人に聞くのが一番だな」
日が昇る頃、王都に居る勇者達はすぐさま緊急招集された。
王も、側近のイグチこと魔人メボシも居なかったので、国会議員から選ばれた代表との対話になる。
「勇者の皆様、よくぞお集まり頂きました。それで、皆 の夢に現れた邪神を名乗るものと、王都の東に現れた塔についてなのですが」
その言葉に、アシノは口を開く。
「恐らく、あの塔にその邪神は居るでしょうね」
「我々も同じことを考えていました」
代表者もそういった旨 を勇者達へ伝える。
「私は、あの塔の調査をしたいと考えております」
「アシノ先輩と同じ考えです」
「俺も、付いていこうと思っています」
そう言う勇者達を見て、代表者は言う。
「皆様、ご武運を」
王都から東へ約三キロの場所に深い森と共に裏ダンジョンは現れた。
周りでは兵たちが野次馬の立ち入りを禁じている。
三台並んで走る馬車が、森の前で止まり、中から勇者と仲間達がゾロゾロと降り始めた。
「勇者様!!」
兵の一人が姿勢を正す。そちらに礼を返して、勇者達は森の中へと消えていった。
ムツヤの案内で向かった森の出口付近にて、アシノ達は声を掛けられる。
「こんにちは、皆さん」
元勇者のトチノハだった。どうやってここへ来たのか、全く神出鬼没な男だとアシノは思う。
赤い石を叩きつけると、サツキ、イタヤ、トチノハが映し出される。
「アシノさん!! あれは、あの夢と建物は一体何なんだ!?」
開口一番にイタヤが言う。冷静にアシノは返した。
「あの夢の邪神は本物です。そして、あの建物は裏ダンジョンです」
元勇者のトチノハでさえ驚いて目を丸くする。
「先輩! それが本当だったら、七日後に世界を滅ぼすって……」
「あぁ。どんな手段か知らないが、本気だろう」
「そ、そんな……」
ショックで言葉を失うサツキ、トチノハはうーんと一瞬悩み言った。
「先に様子を見てきましょうか?」
「いえ、我々勇者もきっとすぐに招集されるでしょう。その後、塔の近くで合流をしましょう」
「わかりました」
アシノの言葉にトチノハは了承をする。
会議が終わり、ベッドに腰掛け下を向いているムツヤを仲間達は心配そうに眺めていた。
「サズァン様は、我々の味方をしてくれていたのに、何故この様な事を……」
モモがポツリと言う。
「さぁな、今まで味方のフリをしていただけかもしれん」
「サズァン様は!! サズァン様は……、そんな人じゃない……、と思います」
ムツヤは強く言ったが、最後の方は弱気な声になっていた。
「どちらにせよ、本人に聞くのが一番だな」
日が昇る頃、王都に居る勇者達はすぐさま緊急招集された。
王も、側近のイグチこと魔人メボシも居なかったので、国会議員から選ばれた代表との対話になる。
「勇者の皆様、よくぞお集まり頂きました。それで、
その言葉に、アシノは口を開く。
「恐らく、あの塔にその邪神は居るでしょうね」
「我々も同じことを考えていました」
代表者もそういった
「私は、あの塔の調査をしたいと考えております」
「アシノ先輩と同じ考えです」
「俺も、付いていこうと思っています」
そう言う勇者達を見て、代表者は言う。
「皆様、ご武運を」
王都から東へ約三キロの場所に深い森と共に裏ダンジョンは現れた。
周りでは兵たちが野次馬の立ち入りを禁じている。
三台並んで走る馬車が、森の前で止まり、中から勇者と仲間達がゾロゾロと降り始めた。
「勇者様!!」
兵の一人が姿勢を正す。そちらに礼を返して、勇者達は森の中へと消えていった。
ムツヤの案内で向かった森の出口付近にて、アシノ達は声を掛けられる。
「こんにちは、皆さん」
元勇者のトチノハだった。どうやってここへ来たのか、全く神出鬼没な男だとアシノは思う。