魔人VS邪神 4

文字数 1,028文字

 城でもラメルとミシロがテーブルの前に座っていた。城の魅了した人間を使って食事を作らせる。

 ミシロは目の前に次々と運ばれる豪華な料理を見つめた。

「食べよう」

 ラメルが言うと、ミシロがご馳走とラメルを交互に見ている。

「食べなよ」

「い、良いんですか?」

 先に食べ始めるラメルはその言葉を無視していた。ミシロは恐る恐るパンを掴んで食べた。

 涙が出てきた、数年ぶりに感じる味というものに。

「うっ、ううううぅぅぅ……」

「どうして泣くの?」

 不思議そうな、呆れたような感じでラメルは問う。

「わかりません、わかりませんけど……」

「そう」

 ミシロは夢中でスープも肉も野菜も、とにかく食べた。今までの分を取り戻すかのように。

 食事を終えて、ラメルは寝間着に着替えると、ベッドに横になる。

 ミシロも城の者が持ってきた服に着替えていた。

「寝ないの?」

 聞かれて、どうしようか考えたが、ラメルの隣にもぞもぞと入っていった。

「隣とは言っていない」

 そう言われて赤面する。恥ずかしさと申し訳無さが混じって「申し訳ありません」と謝ることしか出来ない。

「まぁいいよ」

 ベッドから出ようか迷ったが、そのまま居ることにした。

 しばらく時間が経って、ミシロは質問をする。

「ラメル様は……、どうして私を助けてくれたのですか?」

「助けたわけじゃないよ、キミには世界をメチャクチャにする才能がありそうだからかな」

 慰めの言葉を期待していた訳では無いが、少し心がズキッとする。だが、それよりもラメルの言った言葉が気になった。

「世界をメチャクチャにする……、ですか?」

「そうだよ」

「ラメル様は、どうして世界をメチャクチャにしたいんですか?」

「どうしてだろうね。やりたいからやっているの。私からしたら人間や亜人のほうが不思議だよ」

 私達が不思議と言われてどういう事かとミシロは思う。

「すぐ死ぬし弱いし、なのに子孫を作ろうとする。そうかと思えば殺し合いもする。意味わかんない」

 答えに行き詰まった。魔人から言われてしまえばその通りだ。

「本能ってものなんですかね」

「だったら私のも本能。魔人としての本能だよ」




 お互いに動きがないまま次の日になった。ムツヤ達は出撃の準備を整える。

「作戦の最終確認をします。魔人と戦うのはムツヤとイタヤさん達。私たちは魔人がカバンを持っていなければカバンの回収。持っていたらムツヤの援護だ」

 アシノは全員が返事をしたのを見届けて、外に出た。どんよりとした曇天が不安な気持ちを煽る。
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登場人物紹介

名前:ムツヤ・バックカントリー


 裏ダンジョンを遊び場にする主人公、ちょっと頭が残念。

名前:モモ


 オークの女の子

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