災厄の壺 2
文字数 1,418文字
キエーウの仮面をかぶる者達が次々と押し寄せ、ムツヤを見るなり剣や槍を構えて襲いかかってきた。
ムツヤは抜刀せずに素手で剣を折り、槍を折りと無茶苦茶な戦いをしている。
1人また1人とムツヤに殴られ蹴られ、その場に倒れていった。
次の瞬間、ムツヤはハッと抜剣して飛んできた何かを弾き飛ばす。
それは青白く光る魔法のナイフだった。周りに目をやると男が1人。
「よう、ムツヤ。俺はお前に感謝しているぜぇ」
いきなり感謝していると言われてムツヤの頭には疑問符が思い浮かぶ。
「こんな素晴らしい武器を持ってきてくれたんだからな!!」
言い終わると同時に、男が手を握りしめると各指と指の間にナイフが出現した。
そして、男はナイフを一斉にデタラメな方向に投げる。
それぞれナイフはムツヤを追尾するように飛んでいき、その間もまたナイフを出現させて飛ばす。
両手剣では防ぎきれないと判断したムツヤは短剣を取り出した。人間離れした動体視力と体の動きでナイフをかわし、弾き、男に迫る。
「させないよ」
ナイフ投げの男の前に少年が割って入り、一瞬ムツヤは動揺した。
その隙に少年は分厚い魔法の障壁を張った。恐らく普段ユモトが展開している物の30倍は厚いだろう。
「ムツヤ、俺はお前に感謝しているって言っただろ? 今からでも遅くない、キエーウへ入れぇ。それか、災厄の壺が発動するまで大人しくしておけぇ。そうすれば俺達はお前を狙わない」
「断る!!」
ムツヤは魔剣ムゲンジゴクで魔法の障壁を叩き斬ろうとした。
しかし、ムツヤの力を持ってしても弾かれてしまう。
「罪を憎んで人を憎まずなんて言葉があるけどよぉー、俺は」
ナイフ投げの男はそこまで言って、またナイフを構える。
「罪を憎んで亜人は皆殺しだぁ!!」
魔法の障壁を貫通してやってくるナイフ達をムツヤは避けて、もう一度障壁を壊そうと一撃を入れる。
だが、またそれは弾かれてしまう。
その時ふと、ムツヤは思い出した。田舎を守る結界に似ていると。
「オラァ!! 逃げろ逃げろ!!」
何十本と自分を狙って飛んでくるナイフにムツヤは苦戦を強いられた。
あの障壁をなんとしても突破しなければならない。障壁は段々とドーム状に広がり、少年とナイフ投げの男を完全に包んだ。
それならば下からだとムツヤは地面を足で強く踏んで土を岩に換えて突き刺す魔法を使った。
ちょうど男の真下に発動させたが、何かに当たって岩が突き出ることが出来ない。地面にも障壁が張られているのだろう。
次の手を考える、1つだけ強い攻撃方法があったが、移動しながらでは使えない。立ち止まって魔力と気を貯める必要があるのだ。
しかし、ナイフの雨がそれを許さない。飛んで転がり走り、かわすしかない。
ムツヤもやむを得ず似たような魔法の障壁を張った。これでナイフは完全に防げるが、代わりに動くことが出来ない。
向こうの魔力切れを狙うかと考えていたが、援軍がやってきてしまった。またムツヤは障壁を消して応戦をする。
ナイフを避けながら蹴って殴って人数を減らす。今までムツヤは人を殺すことが怖くて本気を出せずに手こずっていたが、今は違う。
完全に本気なのに苦戦をしていた。それほどまでに裏の道具はかけ合わせ次第で凶悪になるのだ。
またムツヤ相手にナイフが飛んで、魔法の障壁を張ろうかと思った次の瞬間。
「させません!!」
別の人間が障壁を張った。それは見覚えのある後ろ姿、ユモトだった。
ムツヤは抜刀せずに素手で剣を折り、槍を折りと無茶苦茶な戦いをしている。
1人また1人とムツヤに殴られ蹴られ、その場に倒れていった。
次の瞬間、ムツヤはハッと抜剣して飛んできた何かを弾き飛ばす。
それは青白く光る魔法のナイフだった。周りに目をやると男が1人。
「よう、ムツヤ。俺はお前に感謝しているぜぇ」
いきなり感謝していると言われてムツヤの頭には疑問符が思い浮かぶ。
「こんな素晴らしい武器を持ってきてくれたんだからな!!」
言い終わると同時に、男が手を握りしめると各指と指の間にナイフが出現した。
そして、男はナイフを一斉にデタラメな方向に投げる。
それぞれナイフはムツヤを追尾するように飛んでいき、その間もまたナイフを出現させて飛ばす。
両手剣では防ぎきれないと判断したムツヤは短剣を取り出した。人間離れした動体視力と体の動きでナイフをかわし、弾き、男に迫る。
「させないよ」
ナイフ投げの男の前に少年が割って入り、一瞬ムツヤは動揺した。
その隙に少年は分厚い魔法の障壁を張った。恐らく普段ユモトが展開している物の30倍は厚いだろう。
「ムツヤ、俺はお前に感謝しているって言っただろ? 今からでも遅くない、キエーウへ入れぇ。それか、災厄の壺が発動するまで大人しくしておけぇ。そうすれば俺達はお前を狙わない」
「断る!!」
ムツヤは魔剣ムゲンジゴクで魔法の障壁を叩き斬ろうとした。
しかし、ムツヤの力を持ってしても弾かれてしまう。
「罪を憎んで人を憎まずなんて言葉があるけどよぉー、俺は」
ナイフ投げの男はそこまで言って、またナイフを構える。
「罪を憎んで亜人は皆殺しだぁ!!」
魔法の障壁を貫通してやってくるナイフ達をムツヤは避けて、もう一度障壁を壊そうと一撃を入れる。
だが、またそれは弾かれてしまう。
その時ふと、ムツヤは思い出した。田舎を守る結界に似ていると。
「オラァ!! 逃げろ逃げろ!!」
何十本と自分を狙って飛んでくるナイフにムツヤは苦戦を強いられた。
あの障壁をなんとしても突破しなければならない。障壁は段々とドーム状に広がり、少年とナイフ投げの男を完全に包んだ。
それならば下からだとムツヤは地面を足で強く踏んで土を岩に換えて突き刺す魔法を使った。
ちょうど男の真下に発動させたが、何かに当たって岩が突き出ることが出来ない。地面にも障壁が張られているのだろう。
次の手を考える、1つだけ強い攻撃方法があったが、移動しながらでは使えない。立ち止まって魔力と気を貯める必要があるのだ。
しかし、ナイフの雨がそれを許さない。飛んで転がり走り、かわすしかない。
ムツヤもやむを得ず似たような魔法の障壁を張った。これでナイフは完全に防げるが、代わりに動くことが出来ない。
向こうの魔力切れを狙うかと考えていたが、援軍がやってきてしまった。またムツヤは障壁を消して応戦をする。
ナイフを避けながら蹴って殴って人数を減らす。今までムツヤは人を殺すことが怖くて本気を出せずに手こずっていたが、今は違う。
完全に本気なのに苦戦をしていた。それほどまでに裏の道具はかけ合わせ次第で凶悪になるのだ。
またムツヤ相手にナイフが飛んで、魔法の障壁を張ろうかと思った次の瞬間。
「させません!!」
別の人間が障壁を張った。それは見覚えのある後ろ姿、ユモトだった。