VSラメル 3
文字数 1,167文字
ムツヤ達は馬車を全速力で走らせて逃げた。ムツヤが探知魔法を使っているが、追手の気配は無い。
「追って……、来ないな……」
アシノが呟くと全員ふぅっと一息ついた。
「逃げ切ったって事ですか?」
ユモトが質問するとアシノは首を横に振る。
「いや、少しでも追ってこられた方がまだマシだったかもな。追わないって事はヤツにも何か作があるんだろう」
「そうよねー」
アシノとルーの会話を聞いてユモトは不安になった。
「その、これからどうするんですか?」
「カバンが開くまで逃げ続ける。おそらく邪神サズァンは、カバンの奪還にもっと時間がかかる物だと思って鍵とやらを掛けたんだろうが、裏目に出たな」
「サズァン様……」
ムツヤが小さく言葉を口にした。まだ日は高く、辺りは明るいのに暗い気分が皆を支配する。
城が遠く、小さく見える程の距離まで来ると、一行は馬車を止めて馬を休ませた。
「アシノさん、追手は大丈夫なんですか?」
アシノ達と別の馬車に乗っていたイタヤが尋ねる。
「えぇ、今のところは」
「そうか……」
イタヤは遠くの城を眺める。あそこに魔人が居るというのに、もどかしい気持ちだ。
「私達は、カバンが開くまで、どう戦うか考えねばなりません」
「それに、3日あれば……、勇者サツキ達に応援を要請できるかもしれません」
「なるほど! サツキさん達か!」
サツキはアシノに対する思いが強いが、れっきとした魔人を倒したことのある勇者だ。
「では早速」
超遠距離用の裏の道具である連絡石を叩いてアシノはサツキに連絡を送った。
すると、秒で返事が返ってきた。どうやら赤い玉を使って会話が可能らしい。
近くの木に赤い玉を叩きつけると、そこには勇者サツキが見えた。
「アシノ先輩!! 連絡は毎晩って言ったじゃないですか!!」
「するわけねぇだろ!! そんな事より魔人と戦いになった」
「ルマで魔人と戦闘になった事は聞いています。ですがそれは勝利で終わったのでは? ……もしかして、ルマの戦いで現れた空を飛びさった何者かですか?」
「そうだ」
サツキもどうやら青い鎧の冒険者が連れ去られた事は聞いていたらしい。
「それで、アシノ先輩は無事だったのですか?」
「なんとか、今のところはな」
アシノはかいつまんでサツキに今の状況を説明した。
「なるほど……。それ程までに強い魔人ですか……」
「ムツヤのカバンが開くまで、私達は逃げ続ける」
「承知しました。私も王に魔人を負う許可を貰ってきます!」
サツキが胸を張って言うが、アシノは浮かない顔をしていた。
「そこだよ、魔人のことを知ったのは私の能力ってことにすれば良いが、あの王がこの状況で王都から勇者を派遣させるかね」
「何としても説得してみます!!」
「そうか、頼んだぞ」
そう言ってアシノは赤い玉の破片を外して話を終える。
「後はサツキに任せて、私達は待機だ」
「追って……、来ないな……」
アシノが呟くと全員ふぅっと一息ついた。
「逃げ切ったって事ですか?」
ユモトが質問するとアシノは首を横に振る。
「いや、少しでも追ってこられた方がまだマシだったかもな。追わないって事はヤツにも何か作があるんだろう」
「そうよねー」
アシノとルーの会話を聞いてユモトは不安になった。
「その、これからどうするんですか?」
「カバンが開くまで逃げ続ける。おそらく邪神サズァンは、カバンの奪還にもっと時間がかかる物だと思って鍵とやらを掛けたんだろうが、裏目に出たな」
「サズァン様……」
ムツヤが小さく言葉を口にした。まだ日は高く、辺りは明るいのに暗い気分が皆を支配する。
城が遠く、小さく見える程の距離まで来ると、一行は馬車を止めて馬を休ませた。
「アシノさん、追手は大丈夫なんですか?」
アシノ達と別の馬車に乗っていたイタヤが尋ねる。
「えぇ、今のところは」
「そうか……」
イタヤは遠くの城を眺める。あそこに魔人が居るというのに、もどかしい気持ちだ。
「私達は、カバンが開くまで、どう戦うか考えねばなりません」
「それに、3日あれば……、勇者サツキ達に応援を要請できるかもしれません」
「なるほど! サツキさん達か!」
サツキはアシノに対する思いが強いが、れっきとした魔人を倒したことのある勇者だ。
「では早速」
超遠距離用の裏の道具である連絡石を叩いてアシノはサツキに連絡を送った。
すると、秒で返事が返ってきた。どうやら赤い玉を使って会話が可能らしい。
近くの木に赤い玉を叩きつけると、そこには勇者サツキが見えた。
「アシノ先輩!! 連絡は毎晩って言ったじゃないですか!!」
「するわけねぇだろ!! そんな事より魔人と戦いになった」
「ルマで魔人と戦闘になった事は聞いています。ですがそれは勝利で終わったのでは? ……もしかして、ルマの戦いで現れた空を飛びさった何者かですか?」
「そうだ」
サツキもどうやら青い鎧の冒険者が連れ去られた事は聞いていたらしい。
「それで、アシノ先輩は無事だったのですか?」
「なんとか、今のところはな」
アシノはかいつまんでサツキに今の状況を説明した。
「なるほど……。それ程までに強い魔人ですか……」
「ムツヤのカバンが開くまで、私達は逃げ続ける」
「承知しました。私も王に魔人を負う許可を貰ってきます!」
サツキが胸を張って言うが、アシノは浮かない顔をしていた。
「そこだよ、魔人のことを知ったのは私の能力ってことにすれば良いが、あの王がこの状況で王都から勇者を派遣させるかね」
「何としても説得してみます!!」
「そうか、頼んだぞ」
そう言ってアシノは赤い玉の破片を外して話を終える。
「後はサツキに任せて、私達は待機だ」