絆 6
文字数 1,333文字
ムツヤは飛び出してルーの元へと向かう。その最中カバンから回復薬を2本取り出した。
ルーに刺さる槍を放り投げると鮮血が溢れ出た、口に回復薬をあてて飲ませながら貫かれた胸にも薬をかける。
ムツヤに抱えられぐったりとしていたルーだが、ゆっくりと目を開けた。
「え、私、何が起きたの……」
本人は何が起きたのか理解していないらしい。ムツヤとルー以外の皆は武器を構えて空を見上げる。
「裏の道具は流石ですね、致命傷も、いとも簡単に治してしまう」
男は背中から生える羽を使い宙に浮かんでいる。
ルーが立ち上がるとムツヤは剣を抜いて飛び上がり、振り上げた。しかしそれは容易く避けられムツヤは地面に落下していく。
「お前は何者だ」
アシノが言うとうーんと男は何かを考え、話し始める。
「私は生まれたばかりの魔人です。名前もありません」
「魔人だと!?」
アシノの目の色が変わる、ムツヤ以外の皆に緊張が走った。
「名前がないってどういう事だ!」
ムツヤは魔人ということよりもそっちにツッコミを入れた。
「魔人は突如生まれる者、親も親族もいませんので」
「じゃあ名前を考えてあげましょうか? アンタ変態っぽいわね」
ルーは、はだけた胸元を抑えながら言った。
「なっ、変態?」
男はたじろぐ。
「とりあえずスミス辺りで良いんじゃないのか?」
アシノは興味がなさそうに言う。
「トロールを操っていたし、格好も何か将軍っぽいです」
ユモトは何気なしに言った。
「うーん、それじゃみんなの意見を合わせて…… あなたの狙いは何?『ドエロスミス将軍』」
「何だその名前は!!!」
ドエロスミス将軍と名付けられた魔人は雄叫びを上げた。
「まぁいいでしょう、名前は次に会う時までに考えておきます」
「だからドエロスミス将軍でいいじゃない」
「嫌に決まってんだろ!!」
魔人とルーは言い合いを始めていた、とても先程まで殺されかけたとは思えない状況だ。
「ふぅー、突然ですが私はゲームが好きでしてね」
「本当突然だな」
敵意をむき出しにしてアシノは言葉を返す。それを見て魔人はニヤリと笑った。
「私の配下にしたトロールと、この近くの街との模擬戦争。素敵なことだと思いませんか?」
それを聞いてルーは血の気が引いた。
「近くの街ってイタガの事!?」
「あぁ、そんな名前でしたね」
ルーは魔法の電撃を魔人に打ち上げる。しかし、魔人はそれを避けることもせず正面から浴びた。見る限りでは魔人に傷一つ負わせられていない。
「あんたはここで倒す!!」
殺意を持ってルーは魔法を乱射するが、一向に魔人に傷付けることが叶わない。
「まぁそう焦らずに、明日の夜また会いましょう」
魔人はそう言い残すと遠くへ飛び去ってしまう。ルーは膝から崩れ落ちた。
「なんてこと……」
「おい、放心している場合じゃないぞ、街に戻って魔人が生まれた報告と明日の対策を考えねえと」
アシノはルーだけでなく他の皆にも言った。
それで皆、我に返る。
「そうですね、とにかく今は一刻も早く街へ帰らないと」
モモはそう言って馬車を走らせる準備をする。ルーはアシノに支えられながら馬車に乗った。
全員が馬車に乗るとモモは全速力で走らせた。猶予は1日、どれだけの事が出来るのかアシノは目を瞑って考えていた。
ルーに刺さる槍を放り投げると鮮血が溢れ出た、口に回復薬をあてて飲ませながら貫かれた胸にも薬をかける。
ムツヤに抱えられぐったりとしていたルーだが、ゆっくりと目を開けた。
「え、私、何が起きたの……」
本人は何が起きたのか理解していないらしい。ムツヤとルー以外の皆は武器を構えて空を見上げる。
「裏の道具は流石ですね、致命傷も、いとも簡単に治してしまう」
男は背中から生える羽を使い宙に浮かんでいる。
ルーが立ち上がるとムツヤは剣を抜いて飛び上がり、振り上げた。しかしそれは容易く避けられムツヤは地面に落下していく。
「お前は何者だ」
アシノが言うとうーんと男は何かを考え、話し始める。
「私は生まれたばかりの魔人です。名前もありません」
「魔人だと!?」
アシノの目の色が変わる、ムツヤ以外の皆に緊張が走った。
「名前がないってどういう事だ!」
ムツヤは魔人ということよりもそっちにツッコミを入れた。
「魔人は突如生まれる者、親も親族もいませんので」
「じゃあ名前を考えてあげましょうか? アンタ変態っぽいわね」
ルーは、はだけた胸元を抑えながら言った。
「なっ、変態?」
男はたじろぐ。
「とりあえずスミス辺りで良いんじゃないのか?」
アシノは興味がなさそうに言う。
「トロールを操っていたし、格好も何か将軍っぽいです」
ユモトは何気なしに言った。
「うーん、それじゃみんなの意見を合わせて…… あなたの狙いは何?『ドエロスミス将軍』」
「何だその名前は!!!」
ドエロスミス将軍と名付けられた魔人は雄叫びを上げた。
「まぁいいでしょう、名前は次に会う時までに考えておきます」
「だからドエロスミス将軍でいいじゃない」
「嫌に決まってんだろ!!」
魔人とルーは言い合いを始めていた、とても先程まで殺されかけたとは思えない状況だ。
「ふぅー、突然ですが私はゲームが好きでしてね」
「本当突然だな」
敵意をむき出しにしてアシノは言葉を返す。それを見て魔人はニヤリと笑った。
「私の配下にしたトロールと、この近くの街との模擬戦争。素敵なことだと思いませんか?」
それを聞いてルーは血の気が引いた。
「近くの街ってイタガの事!?」
「あぁ、そんな名前でしたね」
ルーは魔法の電撃を魔人に打ち上げる。しかし、魔人はそれを避けることもせず正面から浴びた。見る限りでは魔人に傷一つ負わせられていない。
「あんたはここで倒す!!」
殺意を持ってルーは魔法を乱射するが、一向に魔人に傷付けることが叶わない。
「まぁそう焦らずに、明日の夜また会いましょう」
魔人はそう言い残すと遠くへ飛び去ってしまう。ルーは膝から崩れ落ちた。
「なんてこと……」
「おい、放心している場合じゃないぞ、街に戻って魔人が生まれた報告と明日の対策を考えねえと」
アシノはルーだけでなく他の皆にも言った。
それで皆、我に返る。
「そうですね、とにかく今は一刻も早く街へ帰らないと」
モモはそう言って馬車を走らせる準備をする。ルーはアシノに支えられながら馬車に乗った。
全員が馬車に乗るとモモは全速力で走らせた。猶予は1日、どれだけの事が出来るのかアシノは目を瞑って考えていた。