因縁 2
文字数 1,315文字
「こちらのお部屋と、お隣のお部屋。そして2つ隣のお部屋が空いております」
カノイと呼ばれた金髪のエルフが笑顔で案内をしてくれた。
ムツヤの視線がカノイの開かれた胸元に行っていることにモモは気付き、ぐぬぬと小さく声を出す。
「お客様、お食事はもうお済みでしょうか?」
「いいえ、まだ食べてないわ」
ルーが答えると、カノイは嬉しそうに言った。
「それでしたら、この宿と併設して食堂がございますので是非そちらをご利用下さい! 私の父が料理長をしているので」
「その案、乗ったわ!」
ルーは親指をグッと立てて言う。ムツヤ達も空腹だったので特に反対する理由は無かった。
「ありがとうございます! お店までご案内しますね!」
ムツヤの裏の道具以外の持ち物を部屋に置くとカノイの後を付いて歩く。と言っても宿屋の真横にあるのですぐだったが。
カノイが扉を開けてムツヤ達は中へと通される。20人ぐらいが入れる中規模の食堂だ、チラホラと客が座っている。
「お父さーん! お客様よー」
「はい、いらっしゃいませ。お好きな席へどうぞ」
「それではごゆっくりお食事をお楽しみ下さい。失礼します!」
頭を下げてカノイは去っていった。ムツヤ達はウェイトレスが持ってきたメニューに目を通す。
「なるほど、エルフ以外の種族向けの料理も普通にあるんですね」
ユモトはメニューをパラパラと見て言ったが、ルーはちょい待ちとユモトを止める。
「エルフの村に来たんだからエルフ料理を食べるべきでしょ! 郷に入れば郷に従えって言うでしょ?」
「確かに、そうそう食べられる機会もありませんもんね」
「あのー、エルフ料理っでどんな料理なんでずか?」
ムツヤが尋ねると待ってましたとばかりにルーはうんちくを語り始めた。
「エルフってのはね、狩猟民族だから山で取れた動物やモンスターのお肉、その他にも山菜やキノコなんかを使った料理が多いわ!」
「気になりまずね」
ムツヤが言うと同時に「よし、決まりっ!」とルーは言う。
「エルフ料理を色々頼んで皆で食べましょう!」
「あー、まぁそれでいいわ。腹減ってるから何でも」
「何でも良いならアシノはイノシシの骨でもしゃぶってなさい!」
真顔でアシノはルーの頭をスッパーンと叩くとルーは「ポペチ!!」と言ってテーブルに突っ伏した。
「あのー、注文良いですか?」
「はーい、只今お伺いします」
ユモトはウェイトレスにエルフ料理を何品か頼んだ。
「あっ、それとオススメのワインも5人前! 後はヨーリィちゃんにぶどうジュースを1つ!」
起き上がったルーはワインを注文した。エルフの作るワインは美味しいことで有名なのだ。
「かしこまりました、お作りいたしますね」
そう言うとウェイトレスは厨房に消えていった。
店に入ってからずっとソワソワと回りを見渡していたモモにルーは気付く。
「モモちゃん、大丈夫よ。ジロジロ見てくる人なんていないでしょ?」
ルーの言うとおりであった。
客は食事や会話を楽しんでおり、オークのモモを煙たそうにする者は居なかった。心配は杞憂に終わったようだ。
「お待たせいたしましたー」
しばらく待つと料理が運ばれてきた。どれどれとムツヤ達はテーブルに置かれていく料理を見つめる。
カノイと呼ばれた金髪のエルフが笑顔で案内をしてくれた。
ムツヤの視線がカノイの開かれた胸元に行っていることにモモは気付き、ぐぬぬと小さく声を出す。
「お客様、お食事はもうお済みでしょうか?」
「いいえ、まだ食べてないわ」
ルーが答えると、カノイは嬉しそうに言った。
「それでしたら、この宿と併設して食堂がございますので是非そちらをご利用下さい! 私の父が料理長をしているので」
「その案、乗ったわ!」
ルーは親指をグッと立てて言う。ムツヤ達も空腹だったので特に反対する理由は無かった。
「ありがとうございます! お店までご案内しますね!」
ムツヤの裏の道具以外の持ち物を部屋に置くとカノイの後を付いて歩く。と言っても宿屋の真横にあるのですぐだったが。
カノイが扉を開けてムツヤ達は中へと通される。20人ぐらいが入れる中規模の食堂だ、チラホラと客が座っている。
「お父さーん! お客様よー」
「はい、いらっしゃいませ。お好きな席へどうぞ」
「それではごゆっくりお食事をお楽しみ下さい。失礼します!」
頭を下げてカノイは去っていった。ムツヤ達はウェイトレスが持ってきたメニューに目を通す。
「なるほど、エルフ以外の種族向けの料理も普通にあるんですね」
ユモトはメニューをパラパラと見て言ったが、ルーはちょい待ちとユモトを止める。
「エルフの村に来たんだからエルフ料理を食べるべきでしょ! 郷に入れば郷に従えって言うでしょ?」
「確かに、そうそう食べられる機会もありませんもんね」
「あのー、エルフ料理っでどんな料理なんでずか?」
ムツヤが尋ねると待ってましたとばかりにルーはうんちくを語り始めた。
「エルフってのはね、狩猟民族だから山で取れた動物やモンスターのお肉、その他にも山菜やキノコなんかを使った料理が多いわ!」
「気になりまずね」
ムツヤが言うと同時に「よし、決まりっ!」とルーは言う。
「エルフ料理を色々頼んで皆で食べましょう!」
「あー、まぁそれでいいわ。腹減ってるから何でも」
「何でも良いならアシノはイノシシの骨でもしゃぶってなさい!」
真顔でアシノはルーの頭をスッパーンと叩くとルーは「ポペチ!!」と言ってテーブルに突っ伏した。
「あのー、注文良いですか?」
「はーい、只今お伺いします」
ユモトはウェイトレスにエルフ料理を何品か頼んだ。
「あっ、それとオススメのワインも5人前! 後はヨーリィちゃんにぶどうジュースを1つ!」
起き上がったルーはワインを注文した。エルフの作るワインは美味しいことで有名なのだ。
「かしこまりました、お作りいたしますね」
そう言うとウェイトレスは厨房に消えていった。
店に入ってからずっとソワソワと回りを見渡していたモモにルーは気付く。
「モモちゃん、大丈夫よ。ジロジロ見てくる人なんていないでしょ?」
ルーの言うとおりであった。
客は食事や会話を楽しんでおり、オークのモモを煙たそうにする者は居なかった。心配は杞憂に終わったようだ。
「お待たせいたしましたー」
しばらく待つと料理が運ばれてきた。どれどれとムツヤ達はテーブルに置かれていく料理を見つめる。