剣と盾 4
文字数 630文字
「バゴハッ」
それが男の最後の言葉になった。鮮血が辺りに飛び散る。だが、モモに油断が生まれてしまった。
生き延びたキエーウの男がモモに盾を構えてタックルをした。モモは盾を持ち直すのが間に合わず、吹き飛ばされてしまう。
その隙に男は剣を拾い上げた。それと同時に男の体を剣と盾が蝕み始める。
「この剣と盾は一対の物らしいのですが、我々は2つ同時に持つ事が出来ませんでした」
「お前、暴走が始まって死ぬぞ。今ならまだ間に合う、武器を捨てろ!」
アシノが言うが男は逆に剣と盾を強く握りしめていた。腕から段々体が熱くなってくる。
「なぁ、何故だ。何故そこまで亜人を恨むんだ?」
モモは立ち上がり、武器を下げて尋ねた。
「私はね、亜人に妹を奪われたんだ」
モモは氷水を浴びせられた様にぞわっとし、体が動かなくなった。
「献身的で、回復魔法が上手で誰からも好かれるような妹でした」
男は侵食されて指先から黒くなる手を見つめる。
「亜人達の強盗団に夜襲を受けて、仲間は死に、妹も身ぐるみをはがされた後。辱しめられ、首を折られて絶命しました」
自分の中に暴力的な力が目覚めている事を男は感じていた。
「それを聞いて思いました、キエーウへ入り、強盗団の亜人を含め、全ての亜人を惨たらしく殺してやると」
時間稼ぎは成功した。皆が男の話に聞き入っている間に裏の道具は男の体を侵食し終える。
「それは気の毒に思う。だが全ての亜人に罪はないだろう!?」
アシノが言うが、言葉は既に男に届かなくなっていた。
それが男の最後の言葉になった。鮮血が辺りに飛び散る。だが、モモに油断が生まれてしまった。
生き延びたキエーウの男がモモに盾を構えてタックルをした。モモは盾を持ち直すのが間に合わず、吹き飛ばされてしまう。
その隙に男は剣を拾い上げた。それと同時に男の体を剣と盾が蝕み始める。
「この剣と盾は一対の物らしいのですが、我々は2つ同時に持つ事が出来ませんでした」
「お前、暴走が始まって死ぬぞ。今ならまだ間に合う、武器を捨てろ!」
アシノが言うが男は逆に剣と盾を強く握りしめていた。腕から段々体が熱くなってくる。
「なぁ、何故だ。何故そこまで亜人を恨むんだ?」
モモは立ち上がり、武器を下げて尋ねた。
「私はね、亜人に妹を奪われたんだ」
モモは氷水を浴びせられた様にぞわっとし、体が動かなくなった。
「献身的で、回復魔法が上手で誰からも好かれるような妹でした」
男は侵食されて指先から黒くなる手を見つめる。
「亜人達の強盗団に夜襲を受けて、仲間は死に、妹も身ぐるみをはがされた後。辱しめられ、首を折られて絶命しました」
自分の中に暴力的な力が目覚めている事を男は感じていた。
「それを聞いて思いました、キエーウへ入り、強盗団の亜人を含め、全ての亜人を惨たらしく殺してやると」
時間稼ぎは成功した。皆が男の話に聞き入っている間に裏の道具は男の体を侵食し終える。
「それは気の毒に思う。だが全ての亜人に罪はないだろう!?」
アシノが言うが、言葉は既に男に届かなくなっていた。