生と死と 6
文字数 1,035文字
直感的にアシノは感じ取っていた。あの半透明の女に触れるのはまずいと。
「お前等、あの女には絶対に触れるな!! 死ぬかもしれん」
「あら、勘が良いですね」
ルクコエは微笑んで言う。その言葉にアシノ達はゾッとした。
ムツヤはルクコエから杖を奪おうとするも、そのスピードに半透明の女はピッタリと付いてくる。
「この世は残酷です。生きていれば老いがあり、病気があり、苦痛があります。それらを体験した後には残酷な死が待っています」
そう言ってルクコエは続けた。
「それならば、すぐに死んでしまった方が苦しみが少なくて済む。そう思いませんか?」
「全く思わないな!!」
ムツヤから少しでも注意を背けるためにアシノは反論する。
「こんな世の中を、あの方なら変えてくださる。そう、ミシロ様なら」
ミシロという聞き覚えのある名前をアシノは思い出した。魔人ラメルと共に居たあの少女だ。
「ミシロか……、お前の口ぶりからすると魔人にでもなったか?」
「ミシロ様は最強の魔人です。この世を破壊し尽くして下さります」
ルクコエはうっとりとした表情で言う。
「くそっ!!」
ムツヤはルクコエに向かって魔法の炎を打ち込むが、黎明の呼び手のメンバーによって分厚い防御壁を作られてしまう。アレも裏の道具だろうか。
「ムツヤ殿に加勢をしなくては!!」
飛び出そうとするモモをアシノは静止する。
「まて!! 今向かえば死ぬだけだ!! アイツを信じろ!!」
「私は死なないと思いますが」
ヨーリィが喋るも、それにもアシノは待ったをかけた。
「万が一がある。やめておけ」
ムツヤは追手の半透明の女から逃げつつ、防御壁に剣を振るって攻撃をし続けている。
「よし、精霊の召喚が終わったわ!!」
ルーは長めの詠唱をして強力な精霊を召喚し終えた。それらを向かわせ防御壁に体当たりをさせる。
「だいぶ向こうもジリ貧みたいね」
壁が弱くなっていることを確信し、ムツヤと共に一気に叩いた。
すると、壁が割れ、ルクコエへ攻撃が通るようになる。ムツヤは加速して洞窟内に入り、黎明の呼び手のメンバーを倒し、一気に剣でルクコエの杖を真っ二つにした。
「そんな!!」
半透明の女は消え、ルクコエはがっくりと膝から崩れ落ちる。
アシノ達も後ろから出てきて洞窟へと入った。
「これでお終いだな」
後はムツヤが記憶を消し飛ばして、治安維持部隊に引き渡すだけだが。その時、後ろから声がした。
「お前、お前はっ!!」
そこにはか細い少女の姿は見る影もなくなったミシロが立っていた。
「お前等、あの女には絶対に触れるな!! 死ぬかもしれん」
「あら、勘が良いですね」
ルクコエは微笑んで言う。その言葉にアシノ達はゾッとした。
ムツヤはルクコエから杖を奪おうとするも、そのスピードに半透明の女はピッタリと付いてくる。
「この世は残酷です。生きていれば老いがあり、病気があり、苦痛があります。それらを体験した後には残酷な死が待っています」
そう言ってルクコエは続けた。
「それならば、すぐに死んでしまった方が苦しみが少なくて済む。そう思いませんか?」
「全く思わないな!!」
ムツヤから少しでも注意を背けるためにアシノは反論する。
「こんな世の中を、あの方なら変えてくださる。そう、ミシロ様なら」
ミシロという聞き覚えのある名前をアシノは思い出した。魔人ラメルと共に居たあの少女だ。
「ミシロか……、お前の口ぶりからすると魔人にでもなったか?」
「ミシロ様は最強の魔人です。この世を破壊し尽くして下さります」
ルクコエはうっとりとした表情で言う。
「くそっ!!」
ムツヤはルクコエに向かって魔法の炎を打ち込むが、黎明の呼び手のメンバーによって分厚い防御壁を作られてしまう。アレも裏の道具だろうか。
「ムツヤ殿に加勢をしなくては!!」
飛び出そうとするモモをアシノは静止する。
「まて!! 今向かえば死ぬだけだ!! アイツを信じろ!!」
「私は死なないと思いますが」
ヨーリィが喋るも、それにもアシノは待ったをかけた。
「万が一がある。やめておけ」
ムツヤは追手の半透明の女から逃げつつ、防御壁に剣を振るって攻撃をし続けている。
「よし、精霊の召喚が終わったわ!!」
ルーは長めの詠唱をして強力な精霊を召喚し終えた。それらを向かわせ防御壁に体当たりをさせる。
「だいぶ向こうもジリ貧みたいね」
壁が弱くなっていることを確信し、ムツヤと共に一気に叩いた。
すると、壁が割れ、ルクコエへ攻撃が通るようになる。ムツヤは加速して洞窟内に入り、黎明の呼び手のメンバーを倒し、一気に剣でルクコエの杖を真っ二つにした。
「そんな!!」
半透明の女は消え、ルクコエはがっくりと膝から崩れ落ちる。
アシノ達も後ろから出てきて洞窟へと入った。
「これでお終いだな」
後はムツヤが記憶を消し飛ばして、治安維持部隊に引き渡すだけだが。その時、後ろから声がした。
「お前、お前はっ!!」
そこにはか細い少女の姿は見る影もなくなったミシロが立っていた。