レッツゴー拷問師 2

文字数 1,258文字

 尋問は、エルフ達に尋ねて良さそうな場所を探した結果、村の離れにあるボロ小屋を借りて行うことにした。

 椅子を用意して芋娘を縛り付けてる。防音の魔法はもちろん使用済みだ。

「ぐうううう、はなぜえええええ!!!」

 まだ反抗的な態度だが、いつまで持つのか見ものだ。これから恐ろしいことが起こるとも知らずに。

「じゃあまず名前を教えてくれるかしら?」

「誰が言うか!!」

「それじゃあ、いつものいってみる?」

 いつものと言われ、何をされるのかと身構えた。

「レッツゴー名前付けタイム!!!」

 全員がパチパチと拍手をする。

 まずはアシノから手を挙げて発言した。

「もう色々と混乱させない為にこのまま『芋娘』で」

「オラ芋娘でねえだ!!!」

「アシノー? そういう誰かに対する配慮は良いけど程々にねー?」

 次に手を挙げたのはユモトだ。

「芋娘じゃあんまりですよ、せめてプリティ芋娘で」

「芋から離れるだ!!!」

 次はモモ。

「村に侵略をしようとしたのですから、侵略芋娘で」

「だがら芋娘から離れろって言ってペ!! それにそれは何か危険な香りがするだ!!」

 うーんうーんと考えて腕を組んだままムツヤも言う。

「芋娘、略してイモスでどうでずか!?」

「略すなーーーー!!」

 ヨーリィが無言のまま手を挙げて皆の注目が集まる。

「ぷりっぷりのおいも」

 ボソッと言う。

「じゃあ、ヨーリィちゃんの意見を採用して…… 何故村を狙ったの!? ぷりっぷりのおいも!!」

「やめろー!! 私はリースだべ!!!」

 ぷりっぷりのおいも、もといリースは名前を白状した。

「なるほど、リースってのか?」

 アシノが言うと勘弁したようにリースは返事をする。

「んだ……」

「贅沢な名だな」

「えっ?」

 アシノがそう言うと驚いてリースは声を上げる。

「今からお前の名前はリーだ。いいか、リーだぞ? 分かったら返事をしろリー」

「納得いかねぇだ!」

 口答えをしたリースの額にビンのフタを直撃させる。

「いっつううう、何をするだァーーーーッ」

 弱めとはいえそこそこ痛い攻撃をくらいリースは激怒した。

「私は勇者アシノ。答えな、尋問はすでに拷問に変わってんだからな」

 恐ろしい顔をしてアシノはリースを睨み付けていた。

「お前らは外の警戒をしてくれ、私が聞き出す」

 ムツヤ達は急変したアシノの態度に疑問を持ちながらも、外へと出た。

「アシノさん凄い怒ってましたねー」

 ムツヤが言うと皆うなづく。そんな光景を見て1人ルーがクスクス笑った。

「あれはね、作戦なのよ。有名な『悪い兵士と良い兵士』作戦。この場合は悪い勇者と良い美人召喚師になるかしらね」

 それを聞いてユモトが「もしかして」と話し始める。

「厳しく尋問した後に、優しく話を聞くと…… 敵なのに優しくしてくれる人に心を開いてしまうという……」

 ルーはユモトを見てウィンクをした。

「そうよ、その通り!」

 モモはなるほどと納得できたが、ムツヤはいまいち理解できていないようだ。ヨーリィは話を聞いているのかすらわからない。

「まー、アシノの事だから上手くやってくれるでしょう」
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

名前:ムツヤ・バックカントリー


 裏ダンジョンを遊び場にする主人公、ちょっと頭が残念。

名前:モモ


 オークの女の子

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み