サンライトレジェンド 6
文字数 1,235文字
朝になり、馬車に揺られて急勾配の坂を登る。観光地なだけあって、街道沿いならしっかりと魔物避けがされているので、そこは楽だった。
しばらくすると、大きな湖が見えてくる。
「あ、海!! 海でずよ!!」
「ムツヤっち残念!! アレは湖よ!!」
ムツヤはテンションが上がり言ったが、ルーに訂正されてしまう。
「ジンゼ湖、ギチットで一番大きな湖だな。アレが見えるってことはラハガの村も近いだろう」
一行は馬車から顔を出して、爽やかな風を感じていた。ジンゼ湖のほとりまで来ると、一旦馬車を止める。
「あそこに見える大きな山が『ニャンタイ山』よ」
ルーが指差す先には立派にそびえ立つ山が見えた。
「まぁ、あの山は魔物も出るし、道も険しい。一般人の入山は禁止されているがな」
「何言ってんのよ、私たちは勇者御一行じゃない!!」
ルーは胸を張って言うが、アシノは訝しげに見つめる。
「じゃあ登るか?」
「疲れるからノーサンキュー」
夏なので、ジンゼ湖で水遊びをする人も多く居た。そんな光景を眺めながら、村を目指す。
村に着くと、ムツヤ達は冒険者ギルドへ向かった。勇者アシノということがバレて人々の注目を浴びる。
ギルドマスターが出てきて、挨拶も早々に本題へ入った。
「早速ですが、ラハガでオオムカデが出たという噂を聞きました。私は魔人の残した武具との関係性を疑っているのですが、何か情報はありませんか?」
「そうですな、目撃情報は冒険者と住民からで、ここ一週間の間に上がっていますな」
「冒険者からは目撃情報があって、住人からは無いというのは妙ですね」
アシノは何かを考える。その後も色々と話をしたが、特に有益な情報は得られなかった。
冒険者ギルドを後にし、民宿で宿を取る事にする。勇者アシノの噂は広まり、民宿では早速サインを求められていた。
「私が思うに、確実に裏の道具を悪用しようとしている奴が居るな」
お茶をすすりながらアシノは言う。ルーもまんじゅうを食べてうーんと唸った。
「悪用って言っても何のためなのよ」
「分からんが、オオムカデ伝説はオオムカデを矢で射抜いて倒した事になっている」
アシノがその事を口に出すと、モモがハッとして言った。
「まさか、あのジョンとかいう男みたいに、自作自演で名を上げようとしているって事でしょうか」
「分からんがな。ともかく探知盤の反応を一個一個探すしかないな」
ユモトが操作する探知盤を見ると、周囲に赤い点は3つある。
「えっ、嘘でしょ、一個ニャンタイ山の頂上にあるんだけど……。他の2つも山と森の中……」
ルーが青ざめて言う。アシノはフッと笑った。
「登るしかないな」
「えっ、えっ、冗談でしょ? 冗談よね?」
「冗談に聞こえるか?」
「い、いやあぁぁぁぁ……」
座っていたルーはそのまま仰向けに倒れてしまう。
「明日の朝早くに出発だな。今日はゆっくりするか」
アシノ達がラハガに到着したその日の夜。月の光を浴びて、男が山に1人で居た。
「これを使って、俺が、俺が成し遂げるんだっ!!」
しばらくすると、大きな湖が見えてくる。
「あ、海!! 海でずよ!!」
「ムツヤっち残念!! アレは湖よ!!」
ムツヤはテンションが上がり言ったが、ルーに訂正されてしまう。
「ジンゼ湖、ギチットで一番大きな湖だな。アレが見えるってことはラハガの村も近いだろう」
一行は馬車から顔を出して、爽やかな風を感じていた。ジンゼ湖のほとりまで来ると、一旦馬車を止める。
「あそこに見える大きな山が『ニャンタイ山』よ」
ルーが指差す先には立派にそびえ立つ山が見えた。
「まぁ、あの山は魔物も出るし、道も険しい。一般人の入山は禁止されているがな」
「何言ってんのよ、私たちは勇者御一行じゃない!!」
ルーは胸を張って言うが、アシノは訝しげに見つめる。
「じゃあ登るか?」
「疲れるからノーサンキュー」
夏なので、ジンゼ湖で水遊びをする人も多く居た。そんな光景を眺めながら、村を目指す。
村に着くと、ムツヤ達は冒険者ギルドへ向かった。勇者アシノということがバレて人々の注目を浴びる。
ギルドマスターが出てきて、挨拶も早々に本題へ入った。
「早速ですが、ラハガでオオムカデが出たという噂を聞きました。私は魔人の残した武具との関係性を疑っているのですが、何か情報はありませんか?」
「そうですな、目撃情報は冒険者と住民からで、ここ一週間の間に上がっていますな」
「冒険者からは目撃情報があって、住人からは無いというのは妙ですね」
アシノは何かを考える。その後も色々と話をしたが、特に有益な情報は得られなかった。
冒険者ギルドを後にし、民宿で宿を取る事にする。勇者アシノの噂は広まり、民宿では早速サインを求められていた。
「私が思うに、確実に裏の道具を悪用しようとしている奴が居るな」
お茶をすすりながらアシノは言う。ルーもまんじゅうを食べてうーんと唸った。
「悪用って言っても何のためなのよ」
「分からんが、オオムカデ伝説はオオムカデを矢で射抜いて倒した事になっている」
アシノがその事を口に出すと、モモがハッとして言った。
「まさか、あのジョンとかいう男みたいに、自作自演で名を上げようとしているって事でしょうか」
「分からんがな。ともかく探知盤の反応を一個一個探すしかないな」
ユモトが操作する探知盤を見ると、周囲に赤い点は3つある。
「えっ、嘘でしょ、一個ニャンタイ山の頂上にあるんだけど……。他の2つも山と森の中……」
ルーが青ざめて言う。アシノはフッと笑った。
「登るしかないな」
「えっ、えっ、冗談でしょ? 冗談よね?」
「冗談に聞こえるか?」
「い、いやあぁぁぁぁ……」
座っていたルーはそのまま仰向けに倒れてしまう。
「明日の朝早くに出発だな。今日はゆっくりするか」
アシノ達がラハガに到着したその日の夜。月の光を浴びて、男が山に1人で居た。
「これを使って、俺が、俺が成し遂げるんだっ!!」