災厄の壺 5

文字数 796文字

 ムツヤは一気に本を持つ女に飛びかかった、ハッとし女は鉄球で吹き飛ばそうとするが盾で防がれ、地面へと落ちる。

 やられる。そう思ったが、ムツヤは本を素早く取り上げて、女に拘束魔法を使った。

「っぐ、クソッ!!!」

 手足を縛られ地面に倒れる女は悔しそうにムツヤを見つめている。

「終わったな、次に行くぞ」

「わがりまじだ!!」

 ムツヤはまたもキエーウのメンバーを倒すために早々にその場を去っていった。

 モモが剣を納めて女の元へと歩いていく。

「近寄るな、豚が!!」

「オークがお前の家族を奪ったことは本当に申し訳ないと思う。すまない」

 言ってモモは頭を下げる。

 そして、また馬車に乗り込んでムツヤの後を追う。

「くそっ、くそっ、くそおおおおおおおお!!!!!」

 森の中には拘束された女の叫びが響き渡った。

 ムツヤはキエーウのメンバーを倒しながら森の中を突き進む。探知盤を取り出すと、この先に裏の道具の反応が1つあった。

 さっきの様に襲いかかる者はおらず、ムツヤは警戒しながら裏の道具に近づく。

 瞬間、殺気を感じてムツヤは飛び退いた。その場所には突風が吹く。その匂いを嗅いだ時、連絡石を取り出して言った。

「皆さん、来ちゃ駄目です!! 毒です!!」

「流石に察しが良いね。っていうか毒、大丈夫なんだね」

 キエーウの仮面をかぶった銀髪の少年がムツヤに語りかける。

「ムツヤくん、君がいくら強くたって関係ない。僕に近づくことも、毒を防ぐことも出来ないよ」

 少年が手に付けている金色に輝く腕輪を見てムツヤは絶望した。

 そう、アレは危険すぎてじいちゃんにも使うことを禁止されていた道具……


――
――――
――――――――

「じいちゃん、これ使っちゃ駄目なの?」

「この腕輪から出る毒は防毒の仮面でも防げない。体から入り込んでしまうからな」

「えーじゃあ誰が使うの?」

「風魔法を完璧に使いこなせる人間でないといかんな、お前にはまだ早い」
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

名前:ムツヤ・バックカントリー


 裏ダンジョンを遊び場にする主人公、ちょっと頭が残念。

名前:モモ


 オークの女の子

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み