VSラメル 7
文字数 1,498文字
「離せぇ!!」
ムツヤがトドメとばかりにラメルの首に魔剣ムゲンジゴクを突き刺す。痛みを感じているのか、感じていないのかは知らないが、依然としてラメルはカバンを握ってブツブツ何かを言っている。
それが不気味に感じて叫びながらムツヤはラメルを剣で突き刺す。そんな時だった。
「これで私の目的は果たされた。私の魔力、ありったけ全部使うわ」
そう言った瞬間。
カバンの口が開いて、中から裏の道具が空へ次々と飛び出した。慌ててムツヤはカバンの口を閉じようとするが、ムツヤの馬鹿力でもそれは叶わない。
何十、何百といった裏の道具が空に浮かび上がり、北へ南へ、東へ西へ飛び散ってしまう。
「なっ」
アシノは目を見開いてそれを眺めることしか出来なかった。仲間達も同じだ。
ラメルはガクリと崩れ落ちて地面へ落ちる。
「とんでもない事してくれたな、クソッ!!」
アシノは横たわる魔人を見て言う。ムツヤは魔人にまだ息があることを知っていたので、まずはトドメを入れようとした。
「待って!!! ダメェ!!!!」
走ってこちらに近づこうとするミシロ。しかし、ウリハに捕まってしまった。
「あんた、相手は魔人だよ? 騙されてるんだ!!」
「違う!! ラメル様は違う!!」
念のため一発ハリセンでミシロを叩く。だが、まだラメルに向かって叫び続けるので、魅了の魔法では無いのだろう。
その瞬間、ラメルが起き上がってウリハの元まで一瞬で移動した。ムツヤもその後をピッタリと追い、ミシロの前でラメルの胸を突き刺した。
「あああああああ!!! ラメル様ああああぁぁぁぁぁ!!!!!!」
ウリハが剣を構えたので、ミシロは解放されていた。ぐったりと倒れるラメルの元へ走ると……。
「ミシロ、私の全てをあげるわ」
最後の力を振り絞ってラメルはミシロを抱きしめた。ミシロはわんわん泣いていたが、ラメルが透明に消滅するのと同じくして、茶色の長い髪色が青みがかった銀色へと変わっていく。
「何だかわからんが、その子を魔人から引き離せ!!」
イタヤが言ってから走り出す。近くに居たムツヤも距離を詰めるが。
ミシロは、なんと空を飛んだ。背中から生えた黒き翼を羽ばたかせ、遠い空へと消えていってしまう。
魔人ラメルのと戦いは終わったが、様々な大きな問題をまた残してしまうのだった。
「っく、ムツヤ!! 赤い石を出してギルスに連絡を取るぞ!!」
「わがりまじだ!」
ムツヤは近くの岩に赤い石を叩きつける。すると映った向こう側のギルスも大慌てしていた。
「ムツヤくんか!! 何だこの探知盤の反応は!? 異常が起きたのか!?」
「いや、異常じゃないよ。魔人がムツヤのカバンを開けて、裏の道具を飛び散らせた」
アシノが言うと、ギルスは目を見開く。
「そんな……」
ユモトが操作する探知盤でも、もう追えない範囲に飛んでいった道具も多い。
「くそっ、何が目的なんだ!!」
イタヤがイラつくと、ムツヤが思い出して言った。
「そういえば……、魔人は世界をメチャクチャにしようって言ってまじだ……」
「目的のためならば命も要らないってか、魔人らしいな」
アシノが腕を組みながらムツヤの言葉に納得をする。
「これは……、もう国に隠し通せないかもしれないね」
ギルスの言葉に皆が黙ってしまった。裏の道具を手にした国が起こすのは争いだろう。
「急いで王都に向かう。その最中で何か良い言い訳を考える」
そんな事を言うアシノを心配そうにルーが見上げた。それに気付いてアシノは言葉を、自分自身にも言い聞かせるように言った。
「大丈夫だ、大丈夫」
戦火が迫るのを何としても阻止しなければならない。アシノは必死に頭を働かせる。
ムツヤがトドメとばかりにラメルの首に魔剣ムゲンジゴクを突き刺す。痛みを感じているのか、感じていないのかは知らないが、依然としてラメルはカバンを握ってブツブツ何かを言っている。
それが不気味に感じて叫びながらムツヤはラメルを剣で突き刺す。そんな時だった。
「これで私の目的は果たされた。私の魔力、ありったけ全部使うわ」
そう言った瞬間。
カバンの口が開いて、中から裏の道具が空へ次々と飛び出した。慌ててムツヤはカバンの口を閉じようとするが、ムツヤの馬鹿力でもそれは叶わない。
何十、何百といった裏の道具が空に浮かび上がり、北へ南へ、東へ西へ飛び散ってしまう。
「なっ」
アシノは目を見開いてそれを眺めることしか出来なかった。仲間達も同じだ。
ラメルはガクリと崩れ落ちて地面へ落ちる。
「とんでもない事してくれたな、クソッ!!」
アシノは横たわる魔人を見て言う。ムツヤは魔人にまだ息があることを知っていたので、まずはトドメを入れようとした。
「待って!!! ダメェ!!!!」
走ってこちらに近づこうとするミシロ。しかし、ウリハに捕まってしまった。
「あんた、相手は魔人だよ? 騙されてるんだ!!」
「違う!! ラメル様は違う!!」
念のため一発ハリセンでミシロを叩く。だが、まだラメルに向かって叫び続けるので、魅了の魔法では無いのだろう。
その瞬間、ラメルが起き上がってウリハの元まで一瞬で移動した。ムツヤもその後をピッタリと追い、ミシロの前でラメルの胸を突き刺した。
「あああああああ!!! ラメル様ああああぁぁぁぁぁ!!!!!!」
ウリハが剣を構えたので、ミシロは解放されていた。ぐったりと倒れるラメルの元へ走ると……。
「ミシロ、私の全てをあげるわ」
最後の力を振り絞ってラメルはミシロを抱きしめた。ミシロはわんわん泣いていたが、ラメルが透明に消滅するのと同じくして、茶色の長い髪色が青みがかった銀色へと変わっていく。
「何だかわからんが、その子を魔人から引き離せ!!」
イタヤが言ってから走り出す。近くに居たムツヤも距離を詰めるが。
ミシロは、なんと空を飛んだ。背中から生えた黒き翼を羽ばたかせ、遠い空へと消えていってしまう。
魔人ラメルのと戦いは終わったが、様々な大きな問題をまた残してしまうのだった。
「っく、ムツヤ!! 赤い石を出してギルスに連絡を取るぞ!!」
「わがりまじだ!」
ムツヤは近くの岩に赤い石を叩きつける。すると映った向こう側のギルスも大慌てしていた。
「ムツヤくんか!! 何だこの探知盤の反応は!? 異常が起きたのか!?」
「いや、異常じゃないよ。魔人がムツヤのカバンを開けて、裏の道具を飛び散らせた」
アシノが言うと、ギルスは目を見開く。
「そんな……」
ユモトが操作する探知盤でも、もう追えない範囲に飛んでいった道具も多い。
「くそっ、何が目的なんだ!!」
イタヤがイラつくと、ムツヤが思い出して言った。
「そういえば……、魔人は世界をメチャクチャにしようって言ってまじだ……」
「目的のためならば命も要らないってか、魔人らしいな」
アシノが腕を組みながらムツヤの言葉に納得をする。
「これは……、もう国に隠し通せないかもしれないね」
ギルスの言葉に皆が黙ってしまった。裏の道具を手にした国が起こすのは争いだろう。
「急いで王都に向かう。その最中で何か良い言い訳を考える」
そんな事を言うアシノを心配そうにルーが見上げた。それに気付いてアシノは言葉を、自分自身にも言い聞かせるように言った。
「大丈夫だ、大丈夫」
戦火が迫るのを何としても阻止しなければならない。アシノは必死に頭を働かせる。