サンライトレジェンド 7
文字数 1,199文字
ニャンタイ山の入山には許可がいる。理由は2つ。
1つは宗教的な意味合いだ。ニャンタイ山には山岳信仰があり、神が住む山だとされている。
古くは地元の、更に選ばれた者しか登ることを許されていなかった。
今でこそ、観光客に開放されているが、それは冬の厳しい寒さで、人が住むには過酷なサンライト地方が金銭を得るための苦渋の決断だったらしい。
もう1つの理由は、単純に危険だからだ。
山道は険しいし、魔物も出るので、山に登りたいもの好きの観光客は、地元の冒険者を護衛に雇う。と言うより、案内人が居ないと入山の許可が下りない。
冒険者ギルドか、観光案内所で受付が出来るので、ムツヤ達は冒険者ギルドへ入山の申請を行うことにした。
勇者アシノのお出ましということがあり、またギルドマスター直々に理由を尋ねられる。
「魔人の残した武具がニャンタイ山付近に落ちている可能性があります。ので、入山の許可を頂きたいのですが」
「勿論、勇者アシノ様御一行でしたら許可は出します。ですが、その、差し出がましい考えかもしれませんが、山は案内人が居ないと危険かと……」
ギルドマスターの言うことは最もだったが、第三者に裏の道具やムツヤの事を知られるわけにはいかない。
「いえ、こちらには探知スキルの上級者が居ますし、私の能力は人を巻き込んでしまうかもしれません。それに、オオムカデと万が一戦いになった時に案内人の方を危険に晒しかねません」
「そうですか、アシノ様がそう仰るなら……」
「お気遣い感謝します。それでは明日の早朝に山に入りたいと思います」
そして、ニャンタイ山に登る日が来た。
「起きろお前らー」
女子部屋では日が昇ると同時にアシノが皆を起こす。
「おはようございますアシノ殿」
「おはようモモ、ルーお前も起きろ」
「やだ、だってこのお布団から出たらしばらくお布団に会えないのよ!? 辛い現実が待っているのよ!!」
「良いから起きろ」
アシノが布団を引っ剥がすと、全裸のルーがスッポーンと出てきた。
村の出口には村人や冒険者が見物人としてやって来ていた。アシノはまたかと頭を抱える。
ギルドマスターまで見送りに来ていたので「行ってまいります」と挨拶をして道を歩く。
「やー、荷物重いー暑いー」
「もう少し我慢しろ」
早速文句を言うルー。登山道入り口でカモフラージュ用に背負っていた旅の荷物をムツヤのカバンにしまった。
「重い荷物が無いのはマシだけど、登山はやーよー!!」
「うるさい、とっとと行くぞ」
20分程歩くと、熊のような魔物が現れた。咆哮をしてこちらにやって来る。ユモトはすくみ上がっていたが。
先頭を歩くムツヤが一瞬で距離を詰め、虫を払うように平手打ちすると、どこかへ吹き飛んでいった。
そんな調子で2時間歩き、やっとひらけた場所までたどり着く。
「この辺で休憩するか」
皆、その辺の岩に腰掛けて水を飲み、行動食の甘いクッキーを食べた。
1つは宗教的な意味合いだ。ニャンタイ山には山岳信仰があり、神が住む山だとされている。
古くは地元の、更に選ばれた者しか登ることを許されていなかった。
今でこそ、観光客に開放されているが、それは冬の厳しい寒さで、人が住むには過酷なサンライト地方が金銭を得るための苦渋の決断だったらしい。
もう1つの理由は、単純に危険だからだ。
山道は険しいし、魔物も出るので、山に登りたいもの好きの観光客は、地元の冒険者を護衛に雇う。と言うより、案内人が居ないと入山の許可が下りない。
冒険者ギルドか、観光案内所で受付が出来るので、ムツヤ達は冒険者ギルドへ入山の申請を行うことにした。
勇者アシノのお出ましということがあり、またギルドマスター直々に理由を尋ねられる。
「魔人の残した武具がニャンタイ山付近に落ちている可能性があります。ので、入山の許可を頂きたいのですが」
「勿論、勇者アシノ様御一行でしたら許可は出します。ですが、その、差し出がましい考えかもしれませんが、山は案内人が居ないと危険かと……」
ギルドマスターの言うことは最もだったが、第三者に裏の道具やムツヤの事を知られるわけにはいかない。
「いえ、こちらには探知スキルの上級者が居ますし、私の能力は人を巻き込んでしまうかもしれません。それに、オオムカデと万が一戦いになった時に案内人の方を危険に晒しかねません」
「そうですか、アシノ様がそう仰るなら……」
「お気遣い感謝します。それでは明日の早朝に山に入りたいと思います」
そして、ニャンタイ山に登る日が来た。
「起きろお前らー」
女子部屋では日が昇ると同時にアシノが皆を起こす。
「おはようございますアシノ殿」
「おはようモモ、ルーお前も起きろ」
「やだ、だってこのお布団から出たらしばらくお布団に会えないのよ!? 辛い現実が待っているのよ!!」
「良いから起きろ」
アシノが布団を引っ剥がすと、全裸のルーがスッポーンと出てきた。
村の出口には村人や冒険者が見物人としてやって来ていた。アシノはまたかと頭を抱える。
ギルドマスターまで見送りに来ていたので「行ってまいります」と挨拶をして道を歩く。
「やー、荷物重いー暑いー」
「もう少し我慢しろ」
早速文句を言うルー。登山道入り口でカモフラージュ用に背負っていた旅の荷物をムツヤのカバンにしまった。
「重い荷物が無いのはマシだけど、登山はやーよー!!」
「うるさい、とっとと行くぞ」
20分程歩くと、熊のような魔物が現れた。咆哮をしてこちらにやって来る。ユモトはすくみ上がっていたが。
先頭を歩くムツヤが一瞬で距離を詰め、虫を払うように平手打ちすると、どこかへ吹き飛んでいった。
そんな調子で2時間歩き、やっとひらけた場所までたどり着く。
「この辺で休憩するか」
皆、その辺の岩に腰掛けて水を飲み、行動食の甘いクッキーを食べた。