裏の道具の自由研究 6

文字数 962文字

 テーブルにはユモトが腕をふるった料理の品々が並んだ。

 サラダと根菜のスープに、メインディッシュのハンバーグ。付け合せは蒸した芋と色鮮やかなとうもろこし。

「皆さんおまたせしました」

 ユモトはそう言って自分も着席する。そしてそれぞれが食事の前の祈りをして食べ始めた。

「やっぱりユモトさんの作っだご飯はおいじいですね」

 ムツヤは夢中でハンバーグを食べながら言う。するとユモトは右手を口元に当ててモジモジとした。

「いえ、そんな大したことは……」

「いやー、ユモトちゃんのご飯初めて食べたけど本当美味しいわー、私の嫁にならない?」

 ルーがちゃかして言うとユモトは顔を赤くしながら身を乗り出す。

「よ、嫁って! ぼ、僕は男です!」

「かーわいいー」

 ルーはクスクスと笑いながら言った。

 時間が経ち、全員が食事をし終えた頃、ルーは咳払いを1つしてみんなに向けて話し始める。

「さてっと、それじゃ皆に裏の道具について分かったことを話そうかな。と、言ってもまだ全然分からないことだらけだけどね」

 メイド服を着たルーは「着いてきて」と言い、全員地下の突貫で作られた研究室に集まった。

「えーっとね、この机に置いてあるやつは何も触らないでね、下手したら死んじゃうかもだから」

 サラリと怖いことを言うルーのせいで全員に緊張が走る。

「ムツヤっちが置いていってくれた裏の道具のサンプルなんだけど、これ半分以上は相当上級の冒険者レベルじゃないと扱えないみたい」

 おもむろにルーは1つの杖を握って構えた。

「例えばこの杖なんだけども、一般人や初心者冒険者が使ったら魔力の伝導率が良すぎて、一気に魔力を吸い取られて、最悪は魔力の枯渇で気を失うわ」

「そんなに危険な物が……」

 ユモトはごくりと生唾を飲み込んだ。

「裏ダンジョンに落ちている道具なんだから当たり前と言ったら当たり前だけど、相当経験を詰んだ人間にしか裏の道具は扱えないみたいね」

 全員が黙り込んでしまったため、次は明るい感じにルーは話し始める。

「悪いことばかりじゃないわ、条件はキエーウの奴等も同じ。彼奴等も末端のメンバー全員に強力な裏の道具をもたせて奇襲なんて事はできないわ」

「だが、その分、手練が裏の道具を使って襲ってくるんじゃないのか?」

 アシノが意見を述べると「そうなのよねー」とルーは困った顔をする。
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登場人物紹介

名前:ムツヤ・バックカントリー


 裏ダンジョンを遊び場にする主人公、ちょっと頭が残念。

名前:モモ


 オークの女の子

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