リースと共に 2
文字数 1,347文字
心身ともに疲れ果てたが、体裁上リースを連れてエルフの村へは戻れない。ムツヤ達は野営の準備をすることにした。
村の近くなので、またもあの便利な家を建てる魔導書は使えない。
「そうだ、皆さん。疲れが取れるお薬はどうですか?」
怪しげな事を言いながらムツヤはカバンから薬を取り出した。
しかし、アシノは首を振る。
「ソイツは駄目だ。強力な薬は必ず副作用がある。そうホイホイ使わない方が良い」
「そうでずか、わがりまじた」
ちょっとシュンとしてムツヤは薬をしまう。
「そんな事より寝袋と、腹減ったから何か料理を出してくれ」
「はい!」
カバンから次々と薪や寝袋や料理が出てくる。ムツヤの仲間達は見慣れたものだが、リースは不思議そうにそれを見ていた。
「はぇー、すっごい」
焚き火をしてみんなで囲み、いざという時に作り置きしてカバンに詰めていたユモトの手料理を食べる。
「! うん、おいしい!」
リースは思わずそう口にした。ユモトはフフッと笑って「ありがとう」と言う。
「まるでお母ちゃんが作ったみたいな味だべ」
「そっか、良かった」
モモも優しい笑顔でそれを見ている。ルーはがっついて料理を食べていた。
「いほいほほんはふへひひひえーふほたおへるっへわへへ
(いよいよ本格的にキエーウを倒せるってわけね)」
「お前は食ってから喋れ!!」
「ふっ、はははは」
リースは笑ってしまった、こんな風に誰かと食事をするのはいつぶりだろう。
「久しぶりに美味しいご飯でず」
そうリースが言うと皆優しい気持ちになれた。
「ええ、しっかり食べなさい。おかわりも良いわよ! 遠慮しないで今までの分食べなさい!」
キエーウの夜襲は、裏の道具持ちが近付けばギルスからの連絡があるし、裏の道具を持っていなければムツヤの敵ではない。
なのでカバンを体の下に敷いて皆で寝ている。
ムツヤは寝ながらでも敵を倒せる。冗談や比喩ではなくマジで倒せるのだ。
そんな事も知らずにしつこくムツヤ達を付けていたキエーウの監視が近づいてくる。
「ふぅー、あのオークの女が急に叫んで起きた時はビックリしたけどよぉー」
「今こそカバンを盗むチャンスですね兄貴!」
「そうだ、あの寝ているアホのムツヤからカバンをパクって逃げるだけだ」
この2人、誰も覚えていないだろうが。弾を弾くフライパンを持ってムツヤ達を襲撃しに来た兄弟だった。
「俺はあのカバンを手に入れてビッグになる」
「スゲェや兄貴!!! 流石だぜ兄貴!!!」
弟にもてはやされ、兄は更に調子に乗った。
「それじゃあついでに人類の敵アホのムツヤでも始末してくっかなー!?」
「む、ムツヤまでですか!? 流石だぜ兄貴!!」
「まぁ見てろ」
コソコソとムツヤ達の近くまで行くと、短剣を取り出して一気に距離を詰める。
(死ねぇムツヤ!!!)
次の瞬間、兄は中に舞っていた。ムツヤが寝たまま蹴り飛ばしたのだ。
「あ、兄貴ィ!!!」
「ぐっふわ!!!」
吹き飛んだ兄のもとに弟が駆け寄る。
「大丈夫ですか兄貴!?」
「大丈夫だ、軽症だ」
軽症と言い張っていたが足の骨にヒビが入っていた。今はまだ興奮で痛みを感じていないだろうが、後からジンジンと痛む奴だ。
「っち、なんて寝相の悪い奴だ!! 構わねぇぶっ殺してやる!!」
また短剣を構えてムツヤの暗殺を図る。
村の近くなので、またもあの便利な家を建てる魔導書は使えない。
「そうだ、皆さん。疲れが取れるお薬はどうですか?」
怪しげな事を言いながらムツヤはカバンから薬を取り出した。
しかし、アシノは首を振る。
「ソイツは駄目だ。強力な薬は必ず副作用がある。そうホイホイ使わない方が良い」
「そうでずか、わがりまじた」
ちょっとシュンとしてムツヤは薬をしまう。
「そんな事より寝袋と、腹減ったから何か料理を出してくれ」
「はい!」
カバンから次々と薪や寝袋や料理が出てくる。ムツヤの仲間達は見慣れたものだが、リースは不思議そうにそれを見ていた。
「はぇー、すっごい」
焚き火をしてみんなで囲み、いざという時に作り置きしてカバンに詰めていたユモトの手料理を食べる。
「! うん、おいしい!」
リースは思わずそう口にした。ユモトはフフッと笑って「ありがとう」と言う。
「まるでお母ちゃんが作ったみたいな味だべ」
「そっか、良かった」
モモも優しい笑顔でそれを見ている。ルーはがっついて料理を食べていた。
「いほいほほんはふへひひひえーふほたおへるっへわへへ
(いよいよ本格的にキエーウを倒せるってわけね)」
「お前は食ってから喋れ!!」
「ふっ、はははは」
リースは笑ってしまった、こんな風に誰かと食事をするのはいつぶりだろう。
「久しぶりに美味しいご飯でず」
そうリースが言うと皆優しい気持ちになれた。
「ええ、しっかり食べなさい。おかわりも良いわよ! 遠慮しないで今までの分食べなさい!」
キエーウの夜襲は、裏の道具持ちが近付けばギルスからの連絡があるし、裏の道具を持っていなければムツヤの敵ではない。
なのでカバンを体の下に敷いて皆で寝ている。
ムツヤは寝ながらでも敵を倒せる。冗談や比喩ではなくマジで倒せるのだ。
そんな事も知らずにしつこくムツヤ達を付けていたキエーウの監視が近づいてくる。
「ふぅー、あのオークの女が急に叫んで起きた時はビックリしたけどよぉー」
「今こそカバンを盗むチャンスですね兄貴!」
「そうだ、あの寝ているアホのムツヤからカバンをパクって逃げるだけだ」
この2人、誰も覚えていないだろうが。弾を弾くフライパンを持ってムツヤ達を襲撃しに来た兄弟だった。
「俺はあのカバンを手に入れてビッグになる」
「スゲェや兄貴!!! 流石だぜ兄貴!!!」
弟にもてはやされ、兄は更に調子に乗った。
「それじゃあついでに人類の敵アホのムツヤでも始末してくっかなー!?」
「む、ムツヤまでですか!? 流石だぜ兄貴!!」
「まぁ見てろ」
コソコソとムツヤ達の近くまで行くと、短剣を取り出して一気に距離を詰める。
(死ねぇムツヤ!!!)
次の瞬間、兄は中に舞っていた。ムツヤが寝たまま蹴り飛ばしたのだ。
「あ、兄貴ィ!!!」
「ぐっふわ!!!」
吹き飛んだ兄のもとに弟が駆け寄る。
「大丈夫ですか兄貴!?」
「大丈夫だ、軽症だ」
軽症と言い張っていたが足の骨にヒビが入っていた。今はまだ興奮で痛みを感じていないだろうが、後からジンジンと痛む奴だ。
「っち、なんて寝相の悪い奴だ!! 構わねぇぶっ殺してやる!!」
また短剣を構えてムツヤの暗殺を図る。