その心は 7
文字数 1,041文字
ムツヤと仲間達は充分に休んで四十階層を出た。
道中の魔物はムツヤが軽々と倒していっているが、敵は確実に強くなってきている。
仲間達はピッタリとムツヤから離れず、自分の身を守ることに専念した。
照明弾を打ち上げて真っ暗な森を抜け、雪が吹き荒れる雪原を抜け、一歩、また一歩とサズァンに近づいていく。
「次が四十八階層か」
荒野を歩き、現れた扉の前でアシノが言う。休んだとはいえ、やはり仲間達には疲労が見えていた。
「あー……。もう私疲れた!」
「五十階に居るボス部屋の手前で休憩する。あと次の一階を頑張れ」
四十九階層は巨大な滝が流れる場所だ。ムツヤ達が近付くと、滝が割れて数匹の大きな水龍が出てきた。
ムツヤは魔法で雷の槍を作り出し、それを投げて手早く水龍を片付け始める。
仲間達の出る幕はなく、四十九階層を制圧した。
「もう大丈夫な感じ?」
「はい、魔物の気配はありまぜん!」
それを聞いてルーはその辺の岩に腰掛ける。
カバンから取り出した青いカサカサとした絨毯と、軽食を取り出すとルーが寝っ転がった。
「ねぇ知ってる? 滝の音って癒やしの効果があるらしいわよ」
「へー、そうなんでずか!」
「いや、裏ダンジョンで癒やしもクソもあるかよ……」
ユモトは全員にお茶を配り、ヨーリィはクッキーをモソモソと食べる。
それぞれが休憩をし、英気を養うと、気合を入れて五十階層に挑んだ。
そこは薄暗く、ジメジメとした部屋だった。その奥に何かが居るのが見える。
「あれは!!」
思わずモモが驚く。一度サンライト地方で戦ったことがあるオオムカデがそこには居た。
ムツヤは飛び出してオオムカデの頭に剣を突き刺し、先制攻撃を決める。そこからは業火が吹き出た。
身を捩 らせ、大暴れするムカデ。ムツヤは構わず斬り刻んでいく。
オオムカデが煙になって消え、これで終わりかと思うアシノ達だったが、その考えは甘かった。
次に空から降ってきたのは、大きな蜘蛛 だった。
ネバネバとした糸を吐いてムツヤを絡め取ろうとするが、余裕を持って躱す。
その後現れたのは、大きなカマキリの魔物だ。素早く振られる鎌を避けて頭を一刀両断。
次々に現れる虫の魔物をムツヤは斬り捨てていった。
「何か、気持ち悪い魔物ばっかり出てくるわね」
ルーはそんな事を言いながらムツヤを見ている。
しばらく戦うと、どうやら階層を制圧した様で、魔物の気配は無くなった。
「残るはあと十階か」
「えぇ、行きましょう」
アシノとモモが短く言葉を交わし、ムツヤの後を付いていく。
道中の魔物はムツヤが軽々と倒していっているが、敵は確実に強くなってきている。
仲間達はピッタリとムツヤから離れず、自分の身を守ることに専念した。
照明弾を打ち上げて真っ暗な森を抜け、雪が吹き荒れる雪原を抜け、一歩、また一歩とサズァンに近づいていく。
「次が四十八階層か」
荒野を歩き、現れた扉の前でアシノが言う。休んだとはいえ、やはり仲間達には疲労が見えていた。
「あー……。もう私疲れた!」
「五十階に居るボス部屋の手前で休憩する。あと次の一階を頑張れ」
四十九階層は巨大な滝が流れる場所だ。ムツヤ達が近付くと、滝が割れて数匹の大きな水龍が出てきた。
ムツヤは魔法で雷の槍を作り出し、それを投げて手早く水龍を片付け始める。
仲間達の出る幕はなく、四十九階層を制圧した。
「もう大丈夫な感じ?」
「はい、魔物の気配はありまぜん!」
それを聞いてルーはその辺の岩に腰掛ける。
カバンから取り出した青いカサカサとした絨毯と、軽食を取り出すとルーが寝っ転がった。
「ねぇ知ってる? 滝の音って癒やしの効果があるらしいわよ」
「へー、そうなんでずか!」
「いや、裏ダンジョンで癒やしもクソもあるかよ……」
ユモトは全員にお茶を配り、ヨーリィはクッキーをモソモソと食べる。
それぞれが休憩をし、英気を養うと、気合を入れて五十階層に挑んだ。
そこは薄暗く、ジメジメとした部屋だった。その奥に何かが居るのが見える。
「あれは!!」
思わずモモが驚く。一度サンライト地方で戦ったことがあるオオムカデがそこには居た。
ムツヤは飛び出してオオムカデの頭に剣を突き刺し、先制攻撃を決める。そこからは業火が吹き出た。
身を
オオムカデが煙になって消え、これで終わりかと思うアシノ達だったが、その考えは甘かった。
次に空から降ってきたのは、大きな
ネバネバとした糸を吐いてムツヤを絡め取ろうとするが、余裕を持って躱す。
その後現れたのは、大きなカマキリの魔物だ。素早く振られる鎌を避けて頭を一刀両断。
次々に現れる虫の魔物をムツヤは斬り捨てていった。
「何か、気持ち悪い魔物ばっかり出てくるわね」
ルーはそんな事を言いながらムツヤを見ている。
しばらく戦うと、どうやら階層を制圧した様で、魔物の気配は無くなった。
「残るはあと十階か」
「えぇ、行きましょう」
アシノとモモが短く言葉を交わし、ムツヤの後を付いていく。