反撃開始 3
文字数 1,443文字
「あー、魔力切れる! バイバイムツヤー、皆と仲良くするのよー」
「はい、サズァン様!」
手をひらひらと振るサズァンにムツヤは元気よく返事をした。
「あっ、えっと、ヨーリィまたね」
「はい、マヨイギ様」
言い終わると同時にサズァンとマヨイギの姿は消えていく。
それからしばらくしてムツヤは寝てしまったが、器用なことに探知盤に魔力を流したままだったので、ムツヤの足の間にヨーリィはちょこんと座り、代わりに眺めていた。
「ムツヤさーん、起きてください。ご飯できましたよー」
ユモトがムツヤの肩を叩くと目を覚ます。
「あ、すいません寝てました」
「探知盤は異常ありませんでした」
「あー、ヨーリィが見ていてくれたのか、ありがとう」
そう言ってムツヤはヨーリィの頭を撫でる。次にユモトは地下室へと向かう。
「ルーさんギルスさーん、ご飯できましたよー」
「あー、負けたぁ!!!」
ユモトが言い終わる前にルーは騒ぎ出した。
「ど、どうしたんですか?」
「あぁ、ユモトくん。なに、夕飯までにどっちが探知盤をより分解できるか競争していたんだ」
2人のテーブルには山ほどの探知盤が積み重なっている。
「俺の勝ち、なんで負けたか明日まで考えておけよ」
「ぐやじい!!」
ハハとユモトは苦笑いをしてアシノとモモにも声を掛けた。
「いっただきまーす」
食卓に着くとそれぞれ神に祈ったり、食材の命に祈ったりしたが、相変わらずルーは一番うるさかった。
食事が始まってしばらくするとふとムツヤが思い出したように言う。
「あ、そう言えばさっきサズァン様とマヨイギさんとお話したんですよ」
ルーは思わず食酒をブーッと吐く。
「うわっ、お前汚っ!!」
「汚くないもん!!」
ギルスとルーは仲が良いのか悪いのか言い合っていた。
「なんで呼んでくれなかったの!? 私も邪神様とお話してみたかった!!」
「いえ、サズァン様の魔力が持たないってすぐお話は終わっちゃったんですけど」
ムツヤは騒ぐルーをなだめようとしている。
「『迷い木の怪物』か、今やめったに見ない魔物だが」
アシノはポツリと言った。
「マヨイギさん、強かったですよね。結界に迷い込んだ時はもうダメかと思いました」
ユモトが言うとモモもクスリと笑って話し出す。
「マヨイギ殿もだが、ヨーリィも強くて苦戦したぞ」
チビチビとりんごジュースを飲んでいたヨーリィがふと顔を上げる。
「ムツヤお兄ちゃんがデタラメに強くて、ダメだと思ったのはこっちの方だった」
「なるほどな、そう言えばヨーリィちゃんとは元々敵同士だったのか。やけにムツヤくんに懐いているからそんな感じはしなかったが」
ギルスがそう言うとヨーリィは言葉を返す。
「ムツヤお兄ちゃんは、今は私のご主人様ですし、ムツヤお兄ちゃんが居ないと私は枯れ葉に戻ってしまいますから」
「何かそれだと生きるために仕方なくって感じがするな」
アシノは酒を飲みながら言う。
「それは私にもわかりません。1度死んだ時に感情も失ってしまったみたいで」
「ふーん、色々とお前も大変なんだな」
その会話をしている間に、ルーはヨーリィの元まで歩いていって肩に腕を回した。
「ヨーリィちゃんはルーお姉ちゃんのこと好きー?」
「はい、今は仲間ですから」
その言葉を聞くとルーは「くぅー」っと声を出してヨーリィを抱きしめる。
「もうヨーリィちゃん大好きー、私の妹にするー!!」
ヨーリィは無表情のまま抱きしめられて揺さぶられる。そんなこんなで夕食は終わり、監視役のルーを残して、みんな寝静まって日が変わった。
「はい、サズァン様!」
手をひらひらと振るサズァンにムツヤは元気よく返事をした。
「あっ、えっと、ヨーリィまたね」
「はい、マヨイギ様」
言い終わると同時にサズァンとマヨイギの姿は消えていく。
それからしばらくしてムツヤは寝てしまったが、器用なことに探知盤に魔力を流したままだったので、ムツヤの足の間にヨーリィはちょこんと座り、代わりに眺めていた。
「ムツヤさーん、起きてください。ご飯できましたよー」
ユモトがムツヤの肩を叩くと目を覚ます。
「あ、すいません寝てました」
「探知盤は異常ありませんでした」
「あー、ヨーリィが見ていてくれたのか、ありがとう」
そう言ってムツヤはヨーリィの頭を撫でる。次にユモトは地下室へと向かう。
「ルーさんギルスさーん、ご飯できましたよー」
「あー、負けたぁ!!!」
ユモトが言い終わる前にルーは騒ぎ出した。
「ど、どうしたんですか?」
「あぁ、ユモトくん。なに、夕飯までにどっちが探知盤をより分解できるか競争していたんだ」
2人のテーブルには山ほどの探知盤が積み重なっている。
「俺の勝ち、なんで負けたか明日まで考えておけよ」
「ぐやじい!!」
ハハとユモトは苦笑いをしてアシノとモモにも声を掛けた。
「いっただきまーす」
食卓に着くとそれぞれ神に祈ったり、食材の命に祈ったりしたが、相変わらずルーは一番うるさかった。
食事が始まってしばらくするとふとムツヤが思い出したように言う。
「あ、そう言えばさっきサズァン様とマヨイギさんとお話したんですよ」
ルーは思わず食酒をブーッと吐く。
「うわっ、お前汚っ!!」
「汚くないもん!!」
ギルスとルーは仲が良いのか悪いのか言い合っていた。
「なんで呼んでくれなかったの!? 私も邪神様とお話してみたかった!!」
「いえ、サズァン様の魔力が持たないってすぐお話は終わっちゃったんですけど」
ムツヤは騒ぐルーをなだめようとしている。
「『迷い木の怪物』か、今やめったに見ない魔物だが」
アシノはポツリと言った。
「マヨイギさん、強かったですよね。結界に迷い込んだ時はもうダメかと思いました」
ユモトが言うとモモもクスリと笑って話し出す。
「マヨイギ殿もだが、ヨーリィも強くて苦戦したぞ」
チビチビとりんごジュースを飲んでいたヨーリィがふと顔を上げる。
「ムツヤお兄ちゃんがデタラメに強くて、ダメだと思ったのはこっちの方だった」
「なるほどな、そう言えばヨーリィちゃんとは元々敵同士だったのか。やけにムツヤくんに懐いているからそんな感じはしなかったが」
ギルスがそう言うとヨーリィは言葉を返す。
「ムツヤお兄ちゃんは、今は私のご主人様ですし、ムツヤお兄ちゃんが居ないと私は枯れ葉に戻ってしまいますから」
「何かそれだと生きるために仕方なくって感じがするな」
アシノは酒を飲みながら言う。
「それは私にもわかりません。1度死んだ時に感情も失ってしまったみたいで」
「ふーん、色々とお前も大変なんだな」
その会話をしている間に、ルーはヨーリィの元まで歩いていって肩に腕を回した。
「ヨーリィちゃんはルーお姉ちゃんのこと好きー?」
「はい、今は仲間ですから」
その言葉を聞くとルーは「くぅー」っと声を出してヨーリィを抱きしめる。
「もうヨーリィちゃん大好きー、私の妹にするー!!」
ヨーリィは無表情のまま抱きしめられて揺さぶられる。そんなこんなで夕食は終わり、監視役のルーを残して、みんな寝静まって日が変わった。