梅仕事④
文字数 594文字
大きなガラス瓶に、梅と氷砂糖を交互に層状に詰め込む。
青々とした緑と無色のコントラストが侑子は好きだ。食材の下ごしらえをしているというよりも、美術作品を手掛けているような感覚になる。
梅仕事の中で一番好きな工程だった。
「終わったぁー!! すっごい達成感!」
一人一瓶ずつ、合計で八個分の梅シロップの仕込みが全て完成した。
大瓶が並ぶ光景は圧巻だった。歓声を上げたハルカの気持ちに侑子は強く共感した。
「今年も無事仕込み終わりましたね」
「一ヶ月くらいでシロップ完成記念パーティが開けるな」
「楽しみですね」
言葉を交わすノマとジロウの声も、心なしか弾んでいる。毎年のことのはずなのに、何年繰り返してもこの時感じる愉楽の大きさは変わらない。二人はどちらともなく、傍らの若者たちに視線を移した。六人とも晴れやかな表情をして笑っていた。
ジロウがそんな様子の六人を眺めながら呟く。
「一番年下のユーコちゃんが成人するのが、あと四年後か」
楽しい思いつきをした時、ジロウはニヤリと笑う。ノマはその仕草がどことなくユウキに受け継がれているような気がするのだった。血は繋がっていないのに不思議なものである。一緒に暮らしてきた時間がそうさせるのだろうか。
「四年後の梅仕事では、梅酒も作ってみようか。そうしよう、ノマさん」
既に決定事項のようだ。ノマも異論はない。
「楽しみですね。きっと美味しい梅酒が飲めますよ」
青々とした緑と無色のコントラストが侑子は好きだ。食材の下ごしらえをしているというよりも、美術作品を手掛けているような感覚になる。
梅仕事の中で一番好きな工程だった。
「終わったぁー!! すっごい達成感!」
一人一瓶ずつ、合計で八個分の梅シロップの仕込みが全て完成した。
大瓶が並ぶ光景は圧巻だった。歓声を上げたハルカの気持ちに侑子は強く共感した。
「今年も無事仕込み終わりましたね」
「一ヶ月くらいでシロップ完成記念パーティが開けるな」
「楽しみですね」
言葉を交わすノマとジロウの声も、心なしか弾んでいる。毎年のことのはずなのに、何年繰り返してもこの時感じる愉楽の大きさは変わらない。二人はどちらともなく、傍らの若者たちに視線を移した。六人とも晴れやかな表情をして笑っていた。
ジロウがそんな様子の六人を眺めながら呟く。
「一番年下のユーコちゃんが成人するのが、あと四年後か」
楽しい思いつきをした時、ジロウはニヤリと笑う。ノマはその仕草がどことなくユウキに受け継がれているような気がするのだった。血は繋がっていないのに不思議なものである。一緒に暮らしてきた時間がそうさせるのだろうか。
「四年後の梅仕事では、梅酒も作ってみようか。そうしよう、ノマさん」
既に決定事項のようだ。ノマも異論はない。
「楽しみですね。きっと美味しい梅酒が飲めますよ」