記憶の粒子②

文字数 200文字





 死んでしまった

 なぜ飲ませたんだ?

 いつも嫌がっていたのに

 栄養剤のせいなのか

 あの薬が、彼女を殺したのか

 彼女に手渡したのは毒だったのか

 飲むように促したのは毒だったのか


 俺が殺した

 俺が

 俺が

 俺が





 
 ストローをさしたままだと、瓶の口にそのカプセルは入らなかった。

 抜き出したストローの先から滴った液体が、指先を濡らす。

 それが妙に毒々しい黄緑色をしていたことに、正彦は初めて気づいたのだった。
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