ヤヒコから侑子へ

文字数 668文字

ユウコ

 クマベエは、無事にこれをお前の元まで届けただろうか。
クマベエっていうのは、ユウコがコルに持たせてくれた、あのあみぐるみのことな。里に帰ってから、子供たちが名付けたんだ。

 このメッセージを読んでいるってことは、この機械の使い方も何となく分かっているよな?
簡単にまとめておくよ。

 右上の一番大きな丸が電源、その下の二つの三角がページ送り、左上の四角が記述モードへの切り替え、その下の三角が記述ページのページ切り替え、その下の小さな赤丸が記録ボタンだ。

 ヤチヨが使ってるメモタブを参考に、アオイに作ってもらったんだ。
シート状に柔らかいから、紙と同じように筒状に丸めることができる。
お前と俺達の連絡手段に良いだろう?

 獣も鳥も、そっちに近づくことができなかった。
結界が張ってあるみたいだ。生命反応のあるものは、遮られてしまう。

 だからクマベエに託すことにしてみた。あみぐるみは、生き物じゃないもんな。
それにユウコのあみぐるみは、お前の居場所を察知することが出来るんだろ?
きっとこれを届けてくれると信じてる。

 ツムグは一緒か?
ツムグも行方が分からなくなっているんだ。

 ユウコ、返事を書いてクマベエに持たせてくれ。

 メムは国軍と王府の前線部隊と共に、いつでも動ける。
お前はミウネの元だろう?
分かる範囲で良い。そっちの建物の構造や中の様子、ミウネ一味の情報、兵器について……教えてくれ。
もちろんお前の危険のない範囲で。

 ユウキは元気だ。
他の奴らも。ヤチヨとコルも、近くまで来ているよ。

 絶対に助ける。
もう少しの辛抱だ。
返事を待ってる。 

 
弥彦
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